学校教育法等の一部を改正する法律(平成30年法律第39号)について

1.はじめに

「学校教育法等の一部を改正する法律」が,第196回通常国会において,平成30年5月25日に成立し,同年6月1日に平成30年法律第39号として公布されました。本法律は,平成31年4月1日に施行されることとなっています。

(法律)

※著作権法の一部改正関係以外の改正部分を含めた本法律の条文や新旧対照表等については,以下の文部科学省のホームページからご覧ください。

2.改正の趣旨

本法律は,教育の情報化に対応し,平成32年度から実施される新学習指導要領を踏まえた「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や,障害等により教科書を使用して学習することが困難な児童生徒の学習上の支援のため,必要に応じて「デジタル教科書」を通常の紙の教科書に代えて使用することができるよう,所要の措置を講じるものです。本法律による著作権法の改正では,平成29年4月に文化審議会著作権分科会において取りまとめられた「文化審議会著作権分科会報告書」等を踏まえ,通常の紙の教科書と同様に,掲載された著作物を権利者の許諾を得ずに「デジタル教科書」に掲載し,必要な利用を行うことを認めるとともに,当該著作物の利用に係る補償金等の規定の整備等を行います。

3.改正の概要(著作権法の一部改正関係)

(1)「デジタル教科書」の導入に伴う権利制限規定等の整備

改正前の著作権法では,学校の教科書において,教育の目的上適切な著作物を利用することができるようにするため,公表された著作物を,学校教育の目的上必要と認められる限度において,権利者の許諾を得ずに「教科用図書」に掲載することを認めています(著作権法第33条第1項)。本法律による改正により,教科用図書に代えて使用できる「デジタル教科書」が制度化され,(紙の)教科用図書と同等の公共性があると評価されることを踏まえ,[1]「デジタル教科書」への著作物の掲載,[2]「デジタル教科書」の供給・利用等の際に必要となる著作物の利用行為を権利者の許諾なく行い得るようにしています。これにより,例えば,教科用図書に掲載された著作物を権利者の許諾なく「デジタル教科書」に掲載することができるとともに,その供給段階において「デジタル教科書」のデータをUSBメモリ等に記録して譲渡したりネットワークを通じて送信したりすることや,その利用段階において「デジタル教科書」のデータを生徒が使用するタブレットにコピーして表示したり当該データをクラウドサーバーに蔵置しておいてタブレットにストリーミング方式で受信して表示したりすること等が権利者の許諾なく行えるものと考えられます。なお,制度の新設に伴い,「デジタル教科書」への著作物を行う者に対し,教科用図書の場合と同様に,著作権者に対して一定の補償金の支払いを求めることとしています。

(2)施行期日

この法律は,平成31年4月1日に施行されることとしています。

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