問4

A団体は,信託契約により文芸作品の利用許諾を含む管理業務を実施していますが,契約交渉の最終段階では必ず使用料の額について事前に委託者の了解を得て契約をすることにしています。使用料額の決定権が委託者にあることは,委託契約に明記されていますが,このような管理業務についても管理事業に該当し登録の必要がありますか。委託契約では当該決定権は管理団体にあることになっているが,事実上このような管理形態になっている場合はどうですか。(いわゆる「非一任型」の管理(1))


(答)

管理事業法においては,利用を許諾する権限を含めた管理権を行使する業務であっても,委託者が使用料の額を決定することとされている場合,すなわち使用料の額の決定権が委託者にある場合(いわゆる「非一任型」である場合)には,委託者の経済的利益が害される恐れが低いため,規制対象となる管理事業ではないこととしています(法第2条第1項柱書き)。したがって一つ目の質問のように,使用料額の決定権が委託者にあることが委託契約で定められている場合には,実際には受託者が利用者との契約交渉を行っている場合であっても管理事業には当たらず,登録の必要はありません。

それに対して二つ目の質問のように,使用料額の決定権が委託契約上は管理団体にある場合には,事実上委託者に使用料額の了解をとりつける運用がなされているとしても委託者が常に使用料額を決定することができると保障されているわけではありません。したがって,この場合の管理団体は管理事業を行っている者として,登録を受けなければなりません。

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