登録が必要な場合について

登録を受ける必要のある者は,著作権等管理事業(以下単に「管理事業」といいます)を行おうとする者です。

この管理事業とは,「管理委託契約(委託者が人的関係,資本関係等において受託者と密接な関係を有する者として文部科学省令で定める者であるものを除く(*1)に基づき,著作物等の利用の許諾その他の著作権等の管理を行う行為であって,業として行うもの(*2)」を指します(法第2条第2項)。

また,管理委託契約とは,「次に掲げる契約であって,受託者による著作物,実演,レコード,放送及び有線放送(*3)の利用の許諾に際して委託者(委託者が当該著作物等に係る次に掲げる契約の受託者であるときは,当該契約の委託者)が使用料の額を決定することとされているもの(*4)以外のものをいう。

委託者が受託者に著作権等を移転し,著作物等の利用の許諾その他の当該著作権等の管理を行わせることを目的とする信託契約(*5)
委託者が受託者に著作物等の利用の許諾の取次ぎ又は代理をさせ,併せて当該取次ぎ又は代理に伴う著作権等の管理を行わせることを目的とする委任契約(*6)」

のことをいいます(法第2条第1項)。

*1
親族間の契約,親会社と子会社間の契約などについては,委託者の利益を害する管理が行われる可能性が低いので規制対象外になります。なお,具体的な要件については,規則第2条を参照してください。
*2
営利性の有無は問いませんが,反復継続して事業を行うのかどうかで判断します。
*3
規制の及ぶ範囲は著作権法の保護対象すべてです。
*4
許諾条件の中で最も重要な使用料の額の決定権が委託者に留保されている場合(いわゆる非一任型の管理)は,自分の権利を自分で管理するいわゆる自己管理と同様の管理形態として委託者の利益が害される可能性は低いので規制対象外です。
なお,権利者が自己が所属する団体を通じて管理事業者に権利行使を再委託する場合などについては,使用料の額の決定権が,当該団体でなく権利者自身に留保されている必要があります(法第2条第1項かっこ書)。つまり,次のような場合は原権利者であるAに使用料額の決定権がある必要があります。
A−−→B−−→管理事業者
*5,*6
両契約とも利用の許諾を行わせることを目的とするものですので,許諾権以外の権利の管理は規制対象外です。例えば,教科書補償金を受ける権利(著作権法33条)などがこれの3)及び私的録音録画補償金を受ける権利(著作権法第30条)の管理も規制対象外ですが,別途著作権法の指定管理制度の適用があり,文化庁長官の指定した団体以外は管理に該当します。なお,商業用レコードの二次使用料を受ける権利(著作権法第95条,第97条),商業用レコードの貸与報酬を受ける権利(著作権法第95条の3,第97条ができないので注意してください。
委任契約は,取次ぎ又は代理によるもののみ規制対象にしていますので,仲介業務法で規制されていた媒介による管理は規制対象外になります。
信託法上の信託は受託者に財産を処分(売却等)させることを目的とするものも含まれますが,管理事業法では管理を目的とするものに限定されます。

 登録が必要かどうかは,次の手順で確認してください。

手順

判断基準は前述のとおりですが,例えば,規制対象外である非一任型の管理のみを行う場合は登録の必要はありませんが,非一任型と一任型の管理を併用する場合は,一任型の管理の部分は登録を受ける必要があります。また,密接関係者のみの管理を行う場合は登録の必要はありませんが,密接関係者だけでなく一般の権利者からも委託を受ける場合は登録の必要があります。

(参考)対象範囲

○−−登録の必要あり ×−−登録の必要なし

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