1 財産の保全の努力
宗教法人法は、宗教法人の財産の保全を目的とした法律ともいえます。保全に値する財産が失われれば宗教法人として存続できず、解散ということになりかねません。
むやみに不動産を処分したり、投機的な資金の運用を図って、宗教法人の財産を減少させたりすることのないように心掛けましょう。
2 法人財産の認識
宗教法人の財産は,多数の信者の浄財の上に成り立っています。代表役員個人のものでも,責任役員個人のものでもありません。あくまでも宗教法人自身の財産であって,代表役員,責任役員等が法律に基づき管理し運用するものです。したがって,財産の管理者は,経理をきちんとし,会計報告も行って疑念を抱かれないようにしましょう。信者との信頼関係が損なわれれば宗教活動にも多大な影響を及ぼしかねません。
3 法人財産と個人財産との区別
宗教活動を代表役員とその家族のみで担っている場合もあるかもしれません。そのような場合、財務管理面からは宗教法人の財産と代表役員個人の財産はきちんと区別し、法人の会計帳簿と個人の家計簿の両方をはっきり区別して記帳しなければなりません。
4 宗教活動とその他の事業との区別
宗教法人は、本来の宗教活動以外に公益事業や収益事業を行うことができます。
しかし、宗教活動に比して規模が過大なものや、宗教法人としてふさわしくない風俗営業等は認められません。こうした場合、きちんと規則に記載し、区分経理をしなければなりません。