平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について

平成16年7月 文化庁

 文化庁では,施策の参考とするため,平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施している。平成15年度は,言葉遣いについての関心,敬語の必要性,言葉の書き表し方のほか,携帯電話や電子メールが言葉や言葉遣いに与える影響についての意識も調査した。また,例年取り上げている,慣用句等の意味の理解や使用についても調査を実施した。  報告書は独立行政法人国立印刷局から市販する。

Ⅰ.調査目的・方法等

調査目的 言葉遣いについての関心,敬語の必要性,言葉の書き表し方,携帯電話や電子メールが言葉や言葉遣いに与える影響についての意識等を調査し,国語施策を進める上での参考とする。
調査対象 全国の16歳以上の男女3,000人
調査時期 平成16年1月16日~2月3日
調査方法 個別面接調査
回収結果 有効回収数(率)2,206人(73.5%)
調査不能数(率)794人(26.5%)

Ⅱ.調査結果の概要

1.言葉遣いについての関心

(1)言葉や言葉の使い方に,どの程度関心があるか <問1>(※3ページ)
―7割以上が「関心がある」―

※は報告書のページを表す

 日常の言葉遣いや話し方,文章の書き方など,言葉や言葉の使い方について,どの程度関心があるかを尋ねた。平成12年度調査と併せて結果を表にすると以下のとおり。
 平成15年度調査を見ると,「非常に関心がある」「ある程度関心がある」を合わせた「関心がある(計)」は75.9%で7割を超えている。「余り関心がない」「全く関心がない」を合わせた「関心がない(計)」は23.8%となっている。平成12年度調査と比べると,「関心がある(計)」は2.7ポイント増加し,「関心がない(計)」は2.4ポイント減少している。

  関心がある(計) 関心がない(計) 分からない
非常に関心がある ある程度関心がある 余り関心がない 全く関心がない
平成15年度 75.9% 23.8% 0.3%
19.5% 56.4% 20.8% 3.0%
平成12年度 73.2%※ 26.2% 0.6%
15.3% 57.8% 22.7% 3.5%

※小数第2位四捨五入のため,単純合計と一致しない。

 平成15年度調査の結果を性・年齢別に表にすると以下のとおり。男性の20代以下と女性の16~19歳では,ほかの年代と比べて「関心がある(計)」の割合が低くなっている。特に,男性の16~19歳では35.2%と3割台にとどまる。

  非常に関心がある ある程度関心がある 関心がある(計) 余り関心がない 全く関心がない 関心がない(計)
男性・16~19歳 5.6% 29.6% 35.2% 51.9% 13.0% 64.8%※
20~29歳 17.0% 40.2% 57.1%※ 41.1% 1.8% 42.9%
30~39歳 14.2% 61.0% 75.2% 20.6% 4.3% 24.8%※
40~49歳 21.8% 56.5% 78.2%※ 18.8% 2.9% 21.8%※
50~59歳 22.0% 59.7% 81.7% 15.2% 3.1% 18.3%
60歳以上 25.2% 49.0% 74.2% 22.7% 2.2% 24.9%
女性・16~19歳 9.6% 44.2% 53.8% 44.2% 0.0% 44.2%
20~29歳 15.6% 61.5% 77.1% 21.1% 1.8% 22.9%
30~39歳 15.4% 66.2% 81.6% 17.4% 1.0% 18.4%
40~49歳 17.1% 72.4% 89.4%※ 10.1% 0.5% 10.6%
50~59歳 24.8% 59.7% 84.5% 12.6% 2.9% 15.5%
60歳以上 19.0% 53.4% 72.5%※ 21.4% 5.3% 26.7%

※小数第2位四捨五入のため,単純合計と一致しない。

2.常用漢字以外の漢字の使用

(1)常用漢字以外の漢字の使用 <問3>(10ページ)
―積極的に使っていくべきが4割,余り望ましくないは3割―

 常用漢字以外の漢字の使用について,次の二つの考え方を示し,どちらの考えに近いかを尋ねた。結果は以下のとおり。

A常用漢字表にない漢字であっても,積極的に使っていくべきであるだ
B難しい漢字も使われるようになるので,余り望ましいことではない
Aの考えに近い ・・・・・・ 42.0%
Bの考えに近い ・・・・・・ 32.0%
どちらとも言えない ・・・・・・ 20.9%
分からない ・・・・・・ 5.2%

(2)常用漢字以外の漢字を使う言葉の書き表し方 <問4>(12ページ)
―交ぜ書き支持は,いずれも3割以下―

 常用漢字以外の漢字を使う六つの言葉を取り上げ,常用漢字以外の漢字を使わないようにして漢字と仮名を交ぜて書いたもの,漢字で書いて振り仮名を付けたもの,漢字で書いたものを示し,どの書き表し方が最も良いと思うかを尋ねた。結果は以下のとおり。(「分からない」は省略。)
 いずれの言葉も,漢字で書いて振り仮名を付けたものの割合が40%以上となっているが,「闇夜」「玩具」については,漢字で書いたものの割合も4割を超えている。特に「玩具」では,漢字で書いたものの割合が47.3%と,三つの書き表し方の中で最も高くなっている。

表

3.敬語の必要性

(1)敬語の必要性 <問5>(19ページ)
―今後とも「必要だと思う」人が圧倒的―

 今後とも敬語は必要だと思うかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 「必要だと思う」「ある程度必要だと思う」を合わせた「必要だと思う(計)」が96.1%で,ほぼ全員の回答者が敬語の必要性を認めている。

必要だと思う ・・・・・・ 67.8% 括弧 「必要だと思う(計)」
96.1%
ある程度必要だと思う ・・・・・・ 28.3%
余り必要だとは思わない ・・・・・・ 2.6% 括弧 「必要だと思わない(計)」
3.3%
必要だとは思わない ・・・・・・ 0.7%

(2)敬語が必要だと思う理由 <問5・付問1>(19ページ)
―20代以下では,「けじめを付けることができるから」が1位―

 問5で敬語が「必要だと思う」「ある程度必要だと思う」と答えた人に,その理由を尋ねた。
(二つまで選択可。)結果は以下のとおり。(「その他」「分からない」は省略。)

相手を尊敬する気持ちを表せるから ・・・・・・ 66.8%
相手と自分の立場をはっきりとさせて,けじめを付けることができるから ・・・・・・ 50.2%
表現がやわらかく,人間関係を円滑にすることができるから ・・・・・・ 46.1%
表現が美しく上品になるから ・・・・・・ 12.6%

 年齢別に割合を示すと以下のとおり。「相手を尊敬する気持ちを表せるから」が,すべての年代で5割を超え,特に50代以上では7割台となっている。20代以下では,「相手と自分の立場をはっきりとさせて,けじめを付けることができるから」の割合が「相手を尊敬する気持ちを表せるから」の割合よりも高く,6割以上となっている。

グラフ

4.気になる言い方

(1)気になる言い方 <問7>(26ページ)
―8年前に比べて,ほとんどの言い方で「気になる」が増加―

七つの言い方を挙げ,気になるかどうかを尋ねた。平成7年度調査と併せて結果を表にすると以下のとおり。(「分からない」は省略。)平成7年度調査と比べると,「とんでもございません」を除いて,いずれの言い方とも「気になる」の割合が増加し,「気にならない」の割合が減少している。特に「先生,こちらでお待ちしてください」「お客様が申されました」については,「気になる」の割合が10ポイント以上増加している。なお,「気になる」の割合にほとんど変化のない「とんでもございません」も「気にならない」の割合は10ポイント減少している。

  気になる 気にならない どちらとも言えない
先生,こちらでお待ちしてください 平成15年度 66.0% 24.7% 8.1%
平成7年度 55.6% 41.0% 2.4%
お客様が申されました 平成15年度 54.1% 33.1% 11.4%
平成7年度 41.4% 54.2% 2.9%
とんでもございません 平成15年度 17.8% 68.3% 12.8%
平成7年度 17.9% 78.7% 2.3%
お客様がお見えになった 平成15年度 29.9% 60.0% 9.3%
平成7年度
15:00に御出発される予定です 平成15年度 44.0% 43.0% 11.8%
平成7年度 35.4% 60.8% 2.7%
先生がおっしゃられたように 平成15年度 28.2% 62.3% 8.5%
平成7年度 24.5% 71.9% 2.5%
お客様,どうぞいただいてください 平成15年度 66.8% 23.8% 8.3%
平成7年度 62.5% 34.4% 2.0%

※平成7年度調査にはなかった設問。

5.言葉の発音

(1)言葉の発音 <問8>(34ページ)
―7割以上が「十匹」を「じゅっぴき」と発音―

 以下の10語について,二通りの発音を挙げ,ふだんどちらで発音しているかを尋ねた。 結果は以下のとおり。(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)

世論 せろん よろん
18.9% 73.6%
重複 じゅうふく ちょうふく
76.1% 20.0%
情緒 じょうしょ じょうちょ
14.9% 82.2%
固執 こしつ こしゅう
73.7% 19.5%
施策 しさく せさく
67.6% 26.1%
早急 さっきゅう そうきゅう
21.2% 74.5%
地熱 じねつ ちねつ
43.3% 52.4%
十匹 じっぴき じゅっぴき
23.3% 75.1%
3階 さんかい さんがい
35.7% 61.2%
あり得る ありうる ありえる
39.8% 54.5%

 「3階」「あり得る」について,平成9年度調査の結果と併せて表にすると,以下のとおり。(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)

  3階 あり得る
さんかい さんがい ありうる ありえる
平成15年度 35.7% 61.2% 39.8% 54.5%
平成9年度 26.2% 71.1% 35.6% 58.8%

 10語のうち,年齢差の見られる「早急」「地熱」「十匹」「3階」「あり得る」の5語について,年齢別に調査結果を示すと以下のとおり。(「どちらも同じくらいの割合で言う」「分からない」は省略。)ふだん「十匹」を「じっぴき」と発音している人の割合は,60歳以上では38.2%と,50代以下と比べて高くなっている。また,「3階」については,「さんがい」と発音する人の割合は高年層ほど高く,一方,「さんかい」と発音する人の割合は若年層ほど高くなっている。

  16~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上
早急 さっきゅう 18.9% 16.3% 16.4% 18.7% 27.7% 22.6%
そうきゅう 80.2% 81.0% 79.2% 76.7% 68.5% 72.0%
地熱 じねつ 36.8% 33.9% 32.2% 38.8% 43.4% 54.4%
ちねつ 59.4% 64.7% 64.6% 57.2% 52.9% 39.4%
十匹 じっぴき 14.2% 13.6% 12.0% 16.0% 20.3% 38.2%
じゅっぴき 84.0% 86.0% 86.0% 82.9% 78.1% 59.9%
3階 さんかい 61.3% 54.8% 43.6% 42.3% 30.3% 22.6%
さんがい 34.0% 42.1% 51.5% 53.9% 67.4% 75.4%
あり得る ありうる 24.5% 30.3% 31.0% 31.4% 36.4% 55.1%
ありえる 73.6% 66.1% 60.8% 64.0% 58.7% 38.3%

6.ふだんの言い方

(1)ふだんの言い方―することがあるかどうか <問10>(46ページ)
―いずれの言い方も,「することがある」が増加―

 八つの言い方を取り上げ,そのような言い方をすることがあるかどうかを尋ねた。平成8年度調査と併せて結果を表にすると以下のとおり。(「分からない」は省略。)
 平成8年度調査と比較すると,いずれの言い方も「ある」の割合が高くなっている。特に「なにげに」については「ある」の割合が約15ポイント増加している。。

  ある ない
「あの人は走るのがすごく速い」ということを,「あの人は走るのがすごい速い」と言う 平成15年度 46.3% 52.9%
平成8年度 43.1% 55.5%
「あの人みたいになりたい」ということを,「あの人みたくなりたい」と言う 平成15年度 19.9% 79.6%
平成8年度 16.8% 82.2%
なにげなくそうした」ということを,「なにげにそうした」と言う 平成15年度 23.5% 75.7%
平成8年度 8.8% 90.3%
「あの人は私より1歳上だ」ということを,「あの人は私より1コ上だ」と言う 平成15年度 50.8% 48.8%
平成8年度 41.7% 57.4%
とてもきれいだ」ということを,「チョーきれいだ」と言う 平成15年度 21.4% 78.2%
平成8年度 12.0% 87.4%
腹が立つ」ということを,「むかつく」と言う 平成15年度 48.1% 51.3%
平成8年度 43.2% 56.0%
「寝る前に歯を磨きます。その時に…」ということを,「寝る前に歯を磨くじゃないですか,その時に…」と言う 平成15年度 19.2% 78.9%
平成8年度 13.1% 85.1%
とても明るい」ということを,「全然明るい」と言う※ 平成15年度 20.7% 78.6%
平成8年度

※平成8年度調査にはなかった設問。

7.慣用句等の意味の理解

(1)慣用句等の意味の理解 <問11>(51ページ)
―「檄げきを飛ばす」「姑息こそく」「憮然ぶぜん」は,7割が本来とは異なる意味で理解―

 六つの語句についてその意味を尋ねた。そのうち,「檄を飛ばす」「姑息」「憮然」について,全体の数値を示した。また,(ア),(イ),「分からない」の割合を年齢別に示した。
 全体の結果を見ると,本来の意味を選んだ人の割合よりも本来の意味とは異なる意味を選んだ人の割合の方が高く,「檄を飛ばす」では74.1%が,「姑息」「憮然」についても約70%が,本来の意味とは異なる意味を選んでいる。
 年齢別に見ると,いずれの年代でも本来の意味とは異なる意味を選んだ人の割合が本来の意味を選んだ人の割合よりも高くなっている。

(1) 檄を飛ばす

〔全体〕 (※下線を付したものが本来の意味。以下同じ。)

(ア) 自分の主張や考えを,広く人々に知らせて同意を求めること ・・・・・・ 14.6%
(イ) 元気のない者に刺激を与えて活気付けること ・・・・・・ 74.1%
(ウ) (ア)と(イ)の両方 ・・・・・・ 4.7%
(エ) (ア)や(イ)とは全く別の意味 ・・・・・・ 1.9%
(オ) 分からない ・・・・・・ 4.7%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

(2) 姑息  例文:姑息な手段

〔全体〕

(ア) 「一時しのぎ」という意味 ・・・・・・ 12.5%
(イ) 「ひきょうな」という意味 ・・・・・・ 69.8%
(ウ) (ア)と(イ)の両方 ・・・・・・ 4.7%
(エ) (ア)や(イ)とは全く別の意味 ・・・・・・ 1.7%
(オ) 分からない ・・・・・・ 11.4%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

(3) 憮然  例文:憮然として立ち去った

〔全体〕

(ア) 失望してぼんやりとしている様子 ・・・・・・ 16.1%
(イ) 腹を立てている様子 ・・・・・・ 69.4%
(ウ) (ア)と(イ)の両方 ・・・・・・ 2.7%
(エ) (ア)や(イ)とは全く別の意味 ・・・・・・ 3.4%
(オ) 分からない ・・・・・・ 8.3%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

8.慣用句等の使用

(1)慣用句等の使用―どのように言うか <問12>(58ページ)
―「押しも押されぬ」「的を得る」は5割以上が使用―

 三つの意味を示して,その意味で使う言葉をどのように言うかを尋ねた。結果を全体と年齢別とに分けて示すと以下のとおり。(年齢別では,「両方」「分からない」を省略。)
 全体を見ると,「実力があって堂々としていること」「物事の肝心な点を確実にとらえること」では,本来の表現とは異なる「押しも押されぬ」「的を得る」を使う人の割合が5割以上となっている。一方,「つっけんどんで相手を顧みる態度が見られないこと」では,本来の表現である「取り付く島がない」を使う人の割合が最も高いが,本来の表現とは異なる「取り付く暇がない」を使う人の割合との差は2.4ポイントとわずかである。
 年齢別に見ると,16~19歳では,「両方とも使わない」の割合が,すべての語句で10%以上となっており,ほかの年代と比べてもその割合は高い。また,「分からない」の割合もほかの年代よりも高くなっている。

(1) つっけんどんで相手を顧みる態度が見られないことを

〔全体〕 (※下線を付したものが本来の意味。以下同じ。)

取り付く(しま)がない ・・・・・・ 44.4%
取り付く(ひま)がない ・・・・・・ 42.0%
両方 ・・・・・・ 1.7%
両方とも使わない ・・・・・・ 6.9%
分からない ・・・・・・ 5.0%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

(2) 実力があって堂々としていることを

〔全体〕

押しも押されぬ ・・・・・・ 51.4%
押しも押されもせぬ ・・・・・・ 36.9%
両方 ・・・・・・ 3.2%
両方とも使わない ・・・・・・ 5.3%
分からない ・・・・・・ 3.2%

〔年齢別〕

グラフ〔年齢別〕

9.電子メールの送信先,電子メールでの表現

(1)電子メールの送信先 <問16付問1-1,付問1-4>(73ページ・74ページ)
―「パソコン・ワープロ」では「仕事の相手」,「携帯電話・PHS」では「友人・知人」が1位―

 パソコン・ワープロで電子メールを利用している人,携帯電話・PHSで電子メールを利用している人に対して,ふだん電子メールを送る相手を尋ねた。結果は以下のとおり。(「分からない」は省略。)

グラフ〔年齢別〕

(2)電子メールでの表現 <問16付問1-3,付問1-6>(77ページ・78ページ)
―「携帯電話・PHS」では「手紙などよりもくだけた表現」が6割以上,「顔文字・絵文字・記号を少し用いた表現」も約5割―

 パソコン・ワープロで電子メールを利用している人,携帯電話・PHSで電子メールを利用している人に対して,電子メールでどのような表現を使っているかを尋ねた。結果を全体と年齢別とに分けて示すと以下のとおり。(「分からない」は省略。)

グラフ

 パソコン・ワープロで電子メールを利用している人,携帯電話・PHSで電子メールを利用している人に対して,電子メールでどのような表現を使っているかを尋ねた。結果を全体と年齢別とに分けて示すと以下のとおり。(「分からない」は省略。)

〔電子メールでの表現(パソコン・ワープロ)・年齢別〕

グラフ

〔電子メールでの表現(携帯電話・PHS)・年齢別〕

グラフ

10.情報機器の普及による言葉遣いへの影響

(1)情報機器の普及による言葉遣いへの影響 <問18>(83ページ)
―言葉遣いへの影響,「あると思う」が約8割―

 パソコンや携帯電話などの情報機器の普及によって,言葉や言葉遣いが影響を受けると思うかどうかを尋ねた。結果は以下のとおり。

〔全体〕

大きな影響があると思う ・・・・・・ 33.9% 括弧 「「影響はあると思う(計)」
78.9%
多少影響はあると思う ・・・・・・ 45.0%
余り影響はないと思う ・・・・・・ 13.8% 括弧 「影響はないと思う(計)」
15.5%※
全く影響はないと思う ・・・・・・ 1.8%
分からない ・・・・・・ 5.6%

※小数第2位四捨五入のため,単純合計と一致しない。

 結果を年齢別に示すと以下のとおり。「大きな影響があると思う」「多少は影響があると思う」を合わせた「影響はあると思う(計)」が,すべての年代で7割以上となっており,特に30代から50代では8割を超えている。一方,「余り影響はないと思う」「全く影響はないと思う」を合わせた「影響はないと思う(計)」の割合は,16~19歳で27.4%,20代で21.3%と2割を超えており,ほかの年代よりも高い割合となっている。

  影響はあると思う(計) 影響はないと思う(計)
大きな影響があると思う 多少は影響があると思う 余り影響はないと思う 全く影響はないと思う
16~19歳 71.7% 27.4%
22.6% 49.1% 21.7% 5.7%
20~29歳 76.0% 21.3%
24.0% 52.0% 19.9% 1.4%
30~39歳 80.1% 18.1%※
31.3% 48.8% 17.0% 1.2%
40~49歳 87.3%※ 12.2%
40.9% 46.3% 11.7% 0.5%
50~59歳 86.2%※ 12.1%※
39.9% 46.4% 10.3% 1.9%
60歳以上 71.7% 14.6%
32.6% 39.1% 12.4% 2.2%

※小数第2位四捨五入のため,単純合計と一致しない。

(2)どのような形で影響があるか <問18付問1>(83ページ)
―1位は「漢字が書けなくなる」で,6割―

 問18で「大きな影響があると思う」「多少影響はあると思う」と答えた人に,どのような形で影響があると思うかを尋ねた。(三つまで選択可。)上位5選択肢の結果は以下のとおり。

グラフ

 上位5選択肢について,年齢別の数値を以下に示した。すべての年代において,「漢字が書けなくなる」が5割以上の割合で1位を占めている。40代以下では,6割を超えている。なお,16~19歳では「新しい言葉や言葉遣いが増える」「省略した表現が増える」の割合が,60歳以上では「手紙などの伝統的な書き方が失われる」の割合がほかの年代に比べて高くなっている。

グラフ

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