第1回ミュージアム・エデュケーター研修(前半日程)の実施報告

主催:
文化庁
共催:
東京国立博物館,独立行政法人国立美術館
期日:
平成23年9月26日(月)〜28日(水)
会場:
東京国立博物館

平成23年9月26日(月)〜28日(水)までの3日間,東京国立博物館小講堂を主な会場として,第1回ミュージアム・エデュケーター研修(前半日程)が開催されました。
同研修は,講義等の座学形式のみならず,ディスカッションやグループワークなどを多く取り入れたもので,自ら教育普及事業を企画・運営し,教育プログラムを開発する能力や,自館の課題を見いだし対応する実践力を養うことを目指しています。
研修のプログラムについては,昨年度の「博物館の教育機能に関する調査研究」をふまえ,企画運営会議で具体的な検討を行いました。
美術館・歴史博物館の教育普及活動に特化した国主催の研修は初めてであることもあり,50名の定員に対して130名以上の申込みがあり,実践経験のある若手・中堅学芸員を中心に,54名の受講生が参加しています。
3日間のプログラムを通して,教育普及活動の在り方を振り返り,今後の活動を考える場を共有し,後半日程へとつなぐ「宿題」を持ち帰っていただきました。また,メーリングリストなどを活用して,受講生同士のネットワークが作られています。
以下,研修で使用したテキストと,当日の発表資料そして写真で研修の様子をご紹介します。

研修初日

研修初日 ワールドカフェ

ワールドカフェ
(ファシリテーター:
東京国立近代美術館 一條彰子,
東京都美術館 稲庭彩和子,
株式会社美術出版社「美術検定」事務局
高橋紀子)

「ワールドカフェ」というオープンな形式で,「ミュージアム・エデュケーターの仕事とは何でしょう」「良いエデュケーターになるためには何をすべきでしょうか」という2つのテーマについて意見交換しました。

研修初日 ワールドカフェ

研修2日目 教育プログラム体験Ⅰ

「盲学校のためのスクールプログラム」
(講師:東京国立博物館 鈴木みどり,同 藤田千織)
アイマスクをして東京国立博物館の空間そのものと展示作品とをボランティアスタッフとともに鑑賞しました。

研修2日目 教育プログラム体験Ⅰ 「盲学校のためのスクールプログラム」
研修2日目 教育プログラム体験Ⅰ 「盲学校のためのスクールプログラム」

視覚に頼らない鑑賞と,誘導補助する体験は多くの受講生にとって新鮮なもので,晴眼者と視覚障害者とが「ともに観る」ことを考えるきっかけとなりました。

研修2日目 教育プログラム体験Ⅱ

「屏風に物語をつくりだす鑑賞プログラム−洛中洛外図屏風と江戸図屏風を題材に」
(講師:国立歴史民俗博物館 佐藤優香)

研修2日目 教育プログラム体験Ⅱ 「屏風に物語をつくりだす鑑賞プログラム−洛中洛外図屏風と江戸図屏風を題材に」
研修2日目 教育プログラム体験Ⅱ 「屏風に物語をつくりだす鑑賞プログラム−洛中洛外図屏風と江戸図屏風を題材に」

屏風の中に自分を投影した人形を置き,選んだ場所を読み解いて共有しあうことにより,普段見過ごしてしまうものをじっくり鑑賞しています。

研修2日目 教育プログラム体験Ⅲ

研修2日目 教育プログラム体験Ⅲ 「貝体新書:おとなが学ぶ二枚貝−参加者が経験をもとに科学的推理をするプログラム」

研修2日目
教育プログラム体験Ⅲ
「貝体新書:おとなが学ぶ二枚貝−参加者が経験をもとに科学的推理をするプログラム」

(講師:京都大学総合博物館 大野照文)

二枚貝をテーマに,普段なにげなく見過ごしているモノを観察し,推理・議論・検証し,新たな気づきにつなげるプログラムを,大野講師の軽妙な進行で体験しました。

研修2日目 教育プログラム体験Ⅲ 「貝体新書:おとなが学ぶ二枚貝−参加者が経験をもとに科学的推理をするプログラム」

研修3日目 グループワーク

研修3日目
グループワーク

「教育プログラムの開発・検証・再開発・ディスカッション」
(進行:ハンズ・オン プランニング 染川香澄,千葉県立中央博物館 林 浩二)

グループに分かれて教育プログラムを開発し,全員で検証し,改善するプロセスを終日かけて体験しました。
短時間でのプログラム開発は,さながらエデュケーターの「脳の筋トレ」だとの感想も出されています。多くの人物がかかわって評価・検証する過程の重要性が再認識されました。

研修3日目 グループワーク 「教育プログラムの開発・検証・再開発・ディスカッション」
研修3日目 グループワーク 「教育プログラムの開発・検証・再開発・ディスカッション」
研修3日目 グループワーク 「教育プログラムの開発・検証・再開発・ディスカッション」
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