第2回ミュージアム・エデュケーター研修(後半日程)の実施報告

主催:
文化庁
共催:
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
期日:
平成25年2月7日(木)〜8日(金)
会場:
東京都江戸東京博物館

平成25年2月7日(木)〜8日(金)の2日間,江戸東京博物館会議室をメイン会場に,第2回ミュージアム・エデュケーター研修の後半日程が開催されました。
研修前半日程をうけて,自館の教育事業の課題を振り返り,既存のプログラムやツールを改良し,実践した内容を報告するよう,前半日程最終日に中間課題が課されました。受講生は後半日程までの半年程の間に,博物館利用者の反応とも向き合いながら,博物館教育について振り返ることとなりました。
後半日程は,この中間課題の発表に始まり,「展示室における学び」をテーマとしつつ,講義・ディスカッション・ワークショップを実施しています。「展示」こそ博物館における最も大きな教育事業であるとの観点から設定されたテーマです。
最終日には,全ての課程を履修した受講生53名に,修了証書をお渡しすることができました。
以下,研修で使用したテキストと写真で研修の様子を紹介します。

研修後半日程初日:2月7日(木)

初日午前は,植田育男氏(企画運営会議委員・新江ノ島水族館)の進行により,前半日程終了後に受講生が各自の館で取り組んだ中間課題について,グループ発表と全体発表(受講生:東京都庭園美術館 八巻香澄氏、泉南市埋蔵文化財センター河田泰之氏)が行われています。グループ発表では,発表者と進行役,コメント役を全員が交替で担う手法で実施し,短時間ながら,自分の取り組みを振り返り,さらに改善策を模索する機会となりました。

初日 中間課題発表の様子
中間課題発表の様子

午後の最初は鈴木眞理氏(青山学院大学)による「社会教育と生涯学習」についての講義で,社会教育や生涯学習について改めて概念を整理し,社会教育機関としての博物館の位置づけを振り返りました。
また,初日最後の講義では,「ミュージアム・エデュケーションの視点から」と題して,海外での経験も長い三木美裕氏(国立歴史民俗博物館)から,エデュケーターとして必要とされる姿勢などについて,三木氏の経験を通して語られました。

初日の14:20〜16:50と2日目の午前中は「展示室における学び」をテーマとしたグループワークが実施されています。

初日は,江戸東京博物館の新田太郎氏から同館の展示の特徴や教育事業の概説をうけた後,江戸東京博物館で実際に使用されているワークシートを手に,常設展示室でシートの問題を解きながらグループで展示室を回り,そこで得られた気付きについてディスカッションしました。参考例としてワークシートを集めることはあっても,実際に解いて回る機会は多くはないという受講生もあり,自館のワークシートを振り返る機会となりました。

初日午後 展示室における学び(1)グループワークの様子
展示室における学び(1) グループワークの様子

研修後半日程2日目:2月8日(金)

2日目の午前は,常設展示室から3つの展示(両国橋西詰模型,肥桶,引札)をお題として提示し,利用者が楽しく能動的に学ぶための助けとなるツールの開発をグループごとに行いました。
お題ごとに3〜4班が取り組み,他のグループの発想の斬新さなどに受講生は新たな刺激を得ていました。

両国橋詰模型
両国橋西詰模型
2日目展示室における学び(2)「江戸博展示室でのツール作成」の様子
展示室における学び(2)
「江戸博展示室でのツール作成」の様子

2日目午後は佐藤優香氏(東京大学)を講師に,「展示室の学び」を締めくくる講義「博物館における学びのデザイン」がありました。ツールの設計は利用者の行動をデザインすることであることなど,ツール作成の際の留意事項や基本的な考え方が示されました。
また続いて,受講生2名(広島県立歴史民俗資料館 田邊英男氏、碧南市藤井達吉現代美術館 鍔本悠子氏)がツールにかかわる事例発表を行い,最後に5日間の研修を締めくくるディスカッションが行われました。

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