銃砲刀剣類所持等取締法

1.はじめに

銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)に基づき、銃砲刀剣類については、危害予防上の必要性から、特定の場合を除いて、原則としてその所持が禁止されています。(銃刀法第3条)

しかしながら、美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲、又は、美術品として価値のある刀剣類については、文化財に準ずるものとして保護・活用するために、銃刀法上の「登録」を受けることで、例外的に所持が認められています。(銃刀法第3条第6号、第14条)

本ページでは、銃砲刀剣類の登録等に関する法令や制度についてまとめております。

2.「登録」の対象となる銃砲刀剣類について

銃刀法上の登録の対象となる銃砲刀剣類は、

①美術品又は骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲

②美術品として価値のある刀剣類

の2種であり、どのようなものがこれらに該当するかについては、銃砲刀剣類登録規則(昭和33年3月10日文化財保護委員会規則第1号。以下「登録規則」という。)に鑑定の基準として定められています。

①美術品又は骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲

登録の対象となる古式銃砲は、

  • 日本製 → おおむね慶応3年(1867年)以前に製造されたもの
  • 外国製銃砲 → おおむね同年以前に我国に伝来したもの

であり、かつ、以下のいずれかに該当するものとなります。

  • 火縄式、火打ち石式、管打ち式、紙薬包式又はピン打ち式(かに目式)の銃砲で、形状、象嵌、彫り物等に美しさが認められるもの、又は、資料として価値のあるもの
  • 上記に準ずる銃砲で、骨とう品として価値のあるもの(明治19年以降実用に供せられている実砲を使用できるものを除く。)

②美術品として価値のある刀剣類

登録の対象となる刀剣類は、「日本刀(※)」であって、以下のいずれかに該当するものとなります。

  • 姿、鍛え、刃文、彫り物等に美しさが認められる、又は、各派の伝統的特色が明らかに示されているもの
  • 銘文が資料として価値のあるもの
  • ゆい緒や伝来が史料的価値のあるもの
  • 上記に準ずる刀剣類で、その外装が工芸品として価値のあるもの

(※)ここでの「日本刀」とは、武用または観賞用として、伝統的な製作方法によって鍛錬し、焼き入れを施したものを示します。

上記①②に該当しない銃砲刀剣類は、登録の対象となりません。登録の対象とならない刀剣類としては、以下のようなものがあります。

  • 全体的にはなはだしいさびや傷等がある、又は、製作が著しく劣っているもの
  • 昭和刀や満鉄刀等の名称で呼ばれる素延べ刀・半鍛錬刀・特殊鋼刀等であり、日本刀に類似するが、日本刀としての製作工程を経ていないもの
  • 外国製刀剣
  • 指揮刀や儀礼刀
  • 社寺へ奉納された焼入れをしていない剣やほこ、御神体となっている刀剣、考古品(出土品)である刀剣

上述したように、銃刀法上の登録制度は、文化財的価値がある銃砲刀剣類そのものを登録する制度であり、属人的な所持を可能とするものではありません。

この点が、属性的な所持を可能とする都道府県教育委員会による「所持許可」との違いであり、登録された銃法刀剣類であれば誰でも所持が可能となります。

3.「登録」に係る各種手続きについて

銃刀法では、銃砲刀剣類の登録を行うのは、各都道府県の教育委員会(知事が文化財の保護に関する事務を管理・執行することとされた都道府県については当該都道府県の知事。以下まとめて、「教育委員会等」とする。)とされており、登録に関する事務は都道府県の自治事務となっています。

登録

所持している銃砲刀剣類について、登録を受けようとする場合には、所有者の住所のある都道府県の教育委員会等に登録の申請を行う必要があります。(銃刀法第14条第2項)

都道府県の教育委員会等では、銃砲刀剣類に関し学識経験のある者を審査委員に任命し、登録の申請を受けた銃砲刀剣類が登録の対象となるかどうかの鑑定を実施します。鑑定の結果、登録可能と判断された銃砲刀剣類については、教育委員会等から「登録証」が交付されます。(銃刀法第15条第1項)

登録を受けた銃砲刀剣類を所持・携帯したり、輸送したり、他者に譲渡や保管の委託等をする際には、必ずこの登録証と一緒に行う必要があります。(銃刀法第18条)

なお、登録を受けた銃砲刀剣類であっても、正当な理由なく、携帯・運搬・使用することは禁止されています。(銃刀法第21条)

登録証の再交付

登録を受けた銃砲刀剣類について、登録証を亡失したり、盗み取られたり、滅失したりした場合には、すみやかにその旨を届け出たうえで、登録証の再交付を受ける必要があります。(銃刀法第15条第2項)

亡失等の届出と再交付の申請は、登録証を発行した都道府県の教育委員会等に行うこととなります。もし、登録証を発行した都道府県がわからない場合には、まずは住所のある都道府県の教育委員会等へお問い合わせください。

再交付の際、すでに発行された登録証と現物の一致を確認するために、登録審査委員による現物審査を受ける必要がある場合があります。また、すでに発行された登録証と現物の一致が確認できない場合には、新規で登録する必要がある場合もあります。いずれの場合も、各都道府県の教育委員会等から指示がありますので、それに従ってください。

登録証の返納

登録を受けた銃砲刀剣類を亡失したり、盗み取られたり、滅失したりした場合、もしくは、銃砲刀剣類を海外に輸出した場合には、すみやかに登録証を発行した都道府県の教育委員会等に返納する必要があります。また、登録証の再交付を受けたのち、亡失等していたと思っていた登録証を手元に回復した場合にも、その登録証を返納する必要があります。(銃刀法第16条)

不要となった登録証の悪用を防止するためにも、上記のような場合には必ずすみやかに返納するようにしてください。

銃砲刀剣類の譲受け、相続、貸付け、保管の委託の届出

登録を受けた銃砲刀剣類について、

  • 譲り受けたり、相続により取得したりした場合
  • 他者に貸し付けや保管の委託をした場合

には、その旨を、登録証を発行した都道府県の教育委員会等に届け出る必要があります。また、他者に貸し付けや保管の委託をした銃砲刀剣類が返還された際にも、改めて届出が必要です。(銃刀法第17条第1項)

ただし、下記の目的で貸し付けや保管の委託を行った場合には、比較的短期間で、一般的に危害発生の恐れが少ないと思われるため、届出は不要とされています。(銃刀法第17条第2項)

  • 試験や研究のため
  • 研磨や修理のため
  • 公衆の観覧に供するため

4.美術刀剣類の製作について

美術品として価値のある刀剣類(以下、「美術刀剣類」という。)については、刀剣類の製作という日本古来の伝統技術を守り、後世に伝えていくことを目的として、文化庁長官又は都道府県の教育委員会等の承認を受けたものについては、例外的に製作が認められています。(銃刀法第18条の2)

製作の承認に関する詳細は、美術刀剣類製作承認規則(昭和33年文化財保護委員会規則第2号)において定められています。

刀剣類の製作をしようとする者は、

  • これまでに製作承認を受けたことがない場合:文化庁長官
  • これまでに製作承認を受けたことがある場合:申請者の住所の所在する都道府県教育委員会等

に対し、製作承認の申請をする必要があります。

申請を受け取った文化庁長官、または、都道府県の教育委員会等では、以下の要件を満たす場合には、その製作を承認することとなります。

○文化庁長官による承認

  • 製作しようとする刀剣類が美術品として価値があること。
  • 製作担当者が刀剣類の製作につき承認を受けたことのある刀匠(承認を受けた刀剣類の製作を担当したことのある刀匠を含む。)の下で引き続き5年以上の錬磨に専念して刀剣類の製作担当者として十分な技術を習得したことをその刀匠が証明していること。
  • 登録審査委員2名以上が保証したこと。
  • 文化庁長官が行う刀剣類の製作に関する研修(美術刀剣刀匠技術保存研修会)を修了した者であること。

○都道府県の教育委員会等による承認

  • 製作しようとする刀剣類が美術品として価値があること。
  • 製作担当者が刀剣類の製作につき承認を受けたことのある者(承認を受けた刀剣類の製作を担当したことのある刀匠を含む。)であること。

5.よくあるご質問

こちらでは、銃砲刀剣類の登録や製作について、よくあるご質問をまとめております。(随時更新中)

銃砲刀剣類の登録に関すること

Q. 登録証のついていない刀が出てきたが、どうすればよいか?

A. 登録証のついていない銃砲刀剣類を発見した場合には、すみやかに最寄りの警察署に届け出る必要がありますので、まずは最寄りの警察署までご連絡いただき、その後に必要な手続きについて指示を受けてください。(銃刀法第23条)

Q. 登録証を紛失してしまったので再交付を申請したところ、新たに登録をするようにと言われてしまった。何故か。

A. 登録証の再交付に際しては、都道府県の教育委員会等が把握している銃砲刀剣類の情報と現物の情報が一致する必要がありますが、銘文がない刀で情報の一致を確認することができない等、新規で登録証を発行する必要がある場合もございます。都道府県の教育委員会等にて再交付の可否を判断していますので、その指示に従ってください。

Q. 海外から刀剣類を輸入したいが、どのような手続きが必要なのか。

A. 持ち込む方法によって必要な手続きが異なりますので、まずはお住いの都道府県の教育委員会等までお問い合わせください。

Q. 登録不可と判断された銃砲刀剣類は廃棄するしかないのか。

A. ご自身で所持を希望する場合には、銃刀法第4条に規定する所持許可を受ける必要がありますので、お住いの都道府県の公安委員会までご相談ください。
そのほか、国公立の博物館等に寄贈していただくという選択肢もございます。(私立の博物館等は対象となりませんので、ご注意ください)

Q. 文化財保護委員会に発行された登録証については、すでに効力がないのか。

A. 文化財保護委員会名義で発行された登録証についても引き続き効力がございますので、問題ありません。各種手続きについては、登録証に記載されている発行都道府県の教育委員会等までお問い合わせください。(発行した都道府県が記載されていない場合は、お住いの都道府県の教育委員会等までお問い合わせください。)

美術刀剣類の製作に関すること

Q. 年間に製作できる刀剣類の本数が決まっていると聞いたが、本当なのか。

A. 文化庁では、製作できる刀剣類の本数を定めているわけではございませんが、都道府県の教育委員会等が刀剣類の製作承認を行ううえで、刀剣類の種類に応じて最低限確保すべき製作日数を通知によって定めております。

6.関係法令

7.お問い合わせ先

<文化庁担当課>

文化庁文化財第一課調査係

TEL:075-451-4111(内線9724)

なお、銃砲刀剣類の登録や製作承認に関する事務は、原則として都道府県の教育委員会等が実施しています。各種手続きについては、登録証が手元にある場合は登録証を発行した都道府県まで、登録証が手元にない場合はお住まいの都道府県の教育委員会等まで、お問い合わせください。

また、銃刀法における登録や製作承認に関する箇所以外は、警察庁の所管となりますので、警察庁の担当課までお問い合わせください。

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