日時:令和7年3月24日(月)
10:00~12:00
場所:文部科学省東館3F1特別会議室
(オンライン併用)
議事
1開会
2議事
- (1)使用料部会及び政策小委員会の審議経過について
- (2)その他
3閉会
配布資料
- 資料1
- 令和6年度使用料部会の審議の経過等について(108KB)
- 資料2
- 令和6年度政策小委員会の審議の経過等について(962KB)
- 参考資料1
- 文化審議会関係法令等(242KB)
- 参考資料2
- 第24期文化審議会著作権分科会委員名簿(130KB)
議事内容
出席者
- ・委員:
- 太田委員(分科会長)、髙部委員(分科会長代理)、あんびる委員、内山委員、正親町委員、喜入委員、楠本委員、河野委員、島並委員、鈴木委員、竹内委員、棚井委員、田村委員、中川委員、中沢委員、仁平委員、深町委員、前田健委員、前田優子委員、宮島委員、吉澤委員、吉村委員、渡辺委員
- ・文化庁:
- 中原文化戦略官、籾井著作権課長、持永著作権課課長補佐、三輪著作権課調査官、八田流通推進室長、小林国際著作権室長
【太田分科会長】
定刻になりましたので、ただいまから第72回文化審議会著作権分科会を開催いたします。本日は御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、委員の皆様には、会議室とオンラインにてそれぞれ御出席いただいております。オンラインにて御参加されている皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただき、御発言されるとき以外はミュートに設定をお願いいたします。
議事に入る前に、本日の会議の公開について確認いたします。予定されている議事内容を見ますと、特段非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方にはインターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところですが、特に御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【太田分科会長】
ありがとうございます。では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々にはそのまま傍聴していただくことといたします。
それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【持永著作権課課長補佐】
事務局でございます。配付資料の確認をさせていただければと思います。本日は、配付資料は次第のとおりとなります。資料1、2、参考資料1、2となります。対面で御参加の委員の方でもし不足などございましたら、近くの事務局職員までお声がけいただければと思います。
資料の確認は以上です。
【太田分科会長】
どうもありがとうございました。報道関係者はいらっしゃらないようですので、このまま議事に入ります。
それでは、本日の議事は議事次第のとおりとなっております。また、今期最後の著作権分科会となりますので、議事の最後に委員の皆様から一言ずついただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは早速、議事(1)の使用料部会及び政策小委員会の議事経過について、に参ります。まずは、使用料部会の審議経過につきまして、使用料部会の部会長であられる髙部委員から御説明をお願いいたします。
【髙部分科会長代理】
使用料部会長の髙部でございます。私からの御説明は資料1に基づいてとなります。使用料部会における審議の経過について御報告をいたします。
今期の使用料部会におきましては、著作権法に基づく文化庁長官による文化審議会への諮問事項である2つの点について審議を行いました。1つ目は、私的録画補償金の額の認可について、2つ目が、著作権者不明等の場合における著作物等の利用に係る補償金の額について、でございます。
まず、1つ目の私的録画補償金の額の認可についてです。令和6年11月26日付で一般社団法人私的録音録画補償金管理協会から申請がありました私的録画補償金の額の認可の可否について、審査基準等に基づきまして審議を行い、適正な額であると認められましたため、認可することが適当と議決いたしました。
次に、2つ目の著作権者不明等の場合における著作物等の利用に係る補償金の額について、でございます。裁定申請に基づく諮問に関し合計6回の審議を行いまして、資料1の1ページの下のほうに表がございますけれども、合計件数が65件、著作物等の数が1,124点、補償金の総額2,001万2,051円について議決を行いました。
御報告は以上でございます。
【太田分科会長】
ありがとうございました。それでは、ただいまの御報告について御意見、御質問がございましたら、挙手をお願いいたします。オンラインの委員については、挙手ボタンによってお知らせください。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは次に、政策小委員会の審議経過につきまして、政策小委員会の主査も務めております私のほうから御説明いたします。配付資料2を用いまして、政策小委員会における審議の経過について御報告をいたします。
今期の政策小委員会は、第1回の本分科会決定を踏まえまして、以下の3つの点を主な検討課題として審議を行いました。第1がDX時代に対応した著作物の利用円滑化・権利保護・適切な対価還元に係る基本政策についてです。第2が著作権法制度に関する専門的事項についてです。3つ目が著作権保護に向けた国際的な対応の在り方についてです。
本小委員会におきましては、これらの検討課題についての論点を整理した上で、当該論点に係る著作権者、著作隣接権者、デジタルプラットフォームサービス事業者、関係省庁からのヒアリング等を踏まえて審議を行ってまいりました。来期以降も引き続き、論点の検討をさらに深めていく必要があると考えております。
審議経過の詳細につきましては、事務局より御説明をお願いいたします。
【持永著作権課課長補佐】
事務局でございます。それでは、太田分科会長に引き続きまして、資料2の説明を続けさせていただければと思います。
2ポツの審議状況についてから説明いたします。(1)DX時代に対応した著作物の利用円滑化・権利保護・適切な対価還元に係る基本政策についてですが、1段落目から2段落目は、昨年度までの審議などの経過について触れております。
そして、3段落目になりますが、今期の政策小委員会では、特にデジタルプラットフォームサービスにおけるアニメ等の映画の著作物をめぐる対価還元に関しまして様々な課題が指摘されていることから、関係当事者からヒアリングの上、議論を行いましたほか、音楽分野の対価還元に係る課題のうち、レコード演奏・伝達権に関する論点の検討を進めたところでございます。
そのうちの個々の論点ですが、ローマ数字1のDX時代におけるクリエイターへの適切な対価還元方策に係る論点についてですが、政策小委員会では、映像作品に係る関係当事者からヒアリングを行い、議論を行いました。具体的には、映像作品の配信プラットフォーム事業者であるNETFLIXからは、発注者の立場からのクリエイターへの適切な対価還元の取組として、制作者側への情報公開やクリエイターの就労環境の改善に関する取組等についてヒアリングを行い、映像作品の制作者側の代表として日本動画協会からは、製作委員会の組織体制や製作委員会内での役割分担、収益分配の在り方等についてヒアリングを行った上で、質疑、意見交換を行いました。
次に、ローマ数字2の関連する諸制度の在り方についてですが、今期はレコード演奏・伝達権について、関係者からの報告等を踏まえて審議を行いました。具体的には第2段落の2文目からになりますが、今期の本小委員会においては、日本レコード協会及び日本芸能実演家団体協議会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟から、レコード演奏・伝達権の導入の必要性や、導入に向けた国民の理解の醸成、導入後の徴収体制に関する検討状況についてヒアリングを行い、質疑、意見交換を行いました。
意見交換の中では、導入の必要性は理解するが、個別の利用場面ごとに権利導入がどのような影響を及ぼすのか整理が必要であるといった意見も見られましたが、著作権者と著作隣接権者とのバランスや国際的な調和を図るべき時が来ているのではないかといった権利導入を前向きに捉える意見などが交わされました。
その上で今後ですが、第3段落目にあるように、今期確認した論点及び審議の経過等を踏まえて論点の検討をさらに深めていくことが必要ということを確認いたしました。特にレコード演奏・伝達権については、権利者における社会的な理解の醸成、円滑な徴収体制等に関する検討の状況を注視しつつ、これらの課題への解決策について一定の見通しが立った場合には、来年度以降、本格的に議論を深めることが必要であるといたしました。
次の論点の課題ですが、(2)著作権保護に向けた国際的な対応の在り方についてです。今期第1回の政策小委員会では、WIPOの著作権等常設委員会、SCCRにおける議論を紹介しつつ、SCCRにおいて示された放送条約の議長テキストやそれに基づく議論の概要等について報告を行ったところでございます。
また、放送条約への対応の在り方について集中的に検討を行うため、今期も政策小委員会の下に放送条約の検討に関するワーキングチームを設置し、検討を行いました。本ワーキングチームは本年3月12日に開催され、放送条約草案における受益者の範囲及びインターネット送信の保護などの事項について、我が国としてどのような方針を取り得るのか議論し、検討を行いました。
また、政策小委員会でデジタルプラットフォームサービス上での著作権侵害に係る課題についても検討することとしていたところ、大規模なプラットフォーム上での著作権侵害対策の実効性確保に向けた検討状況として、総務省から情報流通プラットフォーム対処法に関する違法情報ガイドラインについてヒアリングを行い、質疑、意見交換を行いました。
本検討課題の結びですが、今後も、海賊版対策の取組状況や日々変化する侵害対応等を踏まえ、必要な海賊版対策等に関する検討を的確に行うことが必要であるということを確認いたしました。
最後に、(3)著作権法制度に関する専門的事項についてです。政策小委員会の下に設置された法制度に関するワーキングチームにおいて、AIと著作権に関することと著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方について議論を行いました。
1つ目のAIと著作権制度に関することについてですが、生成AIをめぐる最新の状況について事務局から情報を共有するとともに、生成AIによる声優を模した声の生成・利用と著作権の関係について議論を行いました。そこでは著作権法は声そのものを保護しているわけではなく、声そのものに著作権法上の権利は及ばないことを確認しました。本検討事項については、引き続き、諸外国における検討状況を含めた関連の動向を注視しつつ、必要に応じて検討を行うことが期待されるとしております。
次に、著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方については、国内犯の処罰規定が適用される場合における実効性の確保がより重要であるという課題意識を共有した上で、出版物の海賊版被害への対策に関連し、出版権登録制度のうち、登録事項記載書類におけるプライバシーに関する情報の取扱いや、登録事項記載書類の在り方について議論を行ってまいりました。本検討を踏まえ、まずは出版権登録について実現に向けた所要の措置を講ずることが期待されるとしております。
説明は以上となります。
【太田分科会長】
どうもありがとうございました。それでは、ただいま御説明いたしました、また、事務局から御説明していただいた部分につきまして、御質問や御意見がございましたらお願いいたします。
どうぞ、吉村委員。
【吉村委員】
審議の御報告のほう、ありがとうございました。映連の理事を務めております吉村と申します。
今の御報告の中で、クリエイターへの適切な対価還元方策に係る論点についてということでヒアリングを行われたということで、これはプラットフォーム事業者としてNETFLIXへのヒアリング、それから特にここに関しては映像作品でアニメに特化する形でのいわゆるヒアリングを行われたと承知しておりますけれども、実写作品に関してというところには何かしら言及とかはなかったのでしょうかというところの確認と、それからNETFLIXをヒアリングの対象として選ばれた理由とか経緯とかということがあれば御教示いただければと思います。よろしくお願いします。
【太田分科会長】
では、事務局のほうからお願いできますか。
【籾井著作権課長】
ありがとうございます。まず、対価還元のヒアリングについては、順次取り扱っているところでございますので、実写のほうも、また来期以降もこのテーマは引き続き議論していくことになりますので、その際、実写作品もまた御相談させていただきながらヒアリングさせていただければと思います。
それから、NETFLIXをヒアリングの対象とした理由としましては、大きなプラットフォームということで、大規模プラットフォームとの関係の対価還元について実態を把握するという観点でお招きを、お声かけをさせていただいたということでございます。
【太田分科会長】
よろしいでしょうか。実写とアニメもだんだんとAIの進歩で統合する可能性もございます。
吉村委員、どうぞ。
【吉村委員】
実写映画につきましては来期以降でということで、了解いたしました。
あと、NETFLIXは、当然ですけれども、Amazonプライムというところもありまして、これは順次ヒアリングを行うというような方向なんですか。
【籾井著作権課長】
すみません、網羅的に全部行うのは無理なので、取りあえず代表的なものとしてNETFLIXさんにお声がけしたのですけれども、Amazonプライムさんからもヒアリングを御要望という御趣旨で?
【吉村委員】
要望というよりは、恐らくプラットフォーマーによってコンテンツの利用形態とかが多少違うところがある、ビジネススキームも違うというところがありますし、NETFLIXさん自体はオリジナルを作って視聴者へサービスを提供するということを主体とされている。逆にAmazonプライムさんというのは、大きな通販サイトの中の一つの集客の装置として配信を位置づけていらっしゃるというところで、こちらの場合はどちらかというと、制作というよりは購入のところで諸々日々いろいろなことが起こっているような状況もございますので、実態が多少違うというところも踏まえて、もし今後の検討に加えていただけるのであればということです。
すみません、ありがとうございました。以上です。
【籾井著作権課長】
ありがとうございます。ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。
どうもありがとうございます。それでは、その他、全体を通して何かございますでしょうか。
ありがとうございました。それでは、冒頭に申し上げましたように、今期最後の……。
【渡辺委員】
聞こえますでしょうか。
【太田分科会長】
渡辺委員、どうぞ。
【渡辺委員】
今、生成AIのことについて、声優の声を模倣するという部分で今後検討を進めていくという結論をお聞きしましたが、現実的に生成AIによって人の声をまねる、勝手に無断利用しているというこの現状に対して、何らかの注意喚起、強い注意喚起を政府のほうから呼びかけるなど何らかの対策というのは、現時点で行う予定といいますか、もう既に行われているのかもしれませんが、そういった点について詳しくお知らせいただきたいと思うのですが。
【太田分科会長】
著作権の対象ではございませんが、詳しい情報をお持ちなので、事務局のほうからお願いいたします。
【持永著作権課課長補佐】
事務局でございます。著作権との関係では、先ほど審議経過報告の中で申し上げたとおりでございますけれども、政府全体としては、特に知財事務局さんのほうを中心としましていろいろ検討を進めていると我々承知しておりますので、そういったところの動きも見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。
【渡辺委員】
では、まだ現時点では、具体的な何か世の中に対して、こうするべきというような何か御意見を文化庁あるいは政府のほうから発信しているという現状ではないということですね。
【太田分科会長】
籾井課長、どうぞ。
【籾井著作権課長】
すみません、ありがとうございます。今、持永のほうから申し上げましたとおり、知財計画におきまして、関係各省庁がそれぞれの法律との関係を整理しているところでございまして、まずはそこの整理状況を見極めるということとなります。
メッセージということで申し上げますと、政府の取組ではないですが、皆さんもう御承知のとおり、NOMORE無断生成AIという活動を関係団体の皆さんが中心に声優さんたちを巻き込んでやっていただいているので、世の中へのメッセージという意味ではそこが一番今、メッセージを発信していただいているかなと思います。
【渡辺委員】
ありがとうございます。なかなかこの問題は日本にぴったりと当てはまる法律というものがないように感じておりますので、何らかの強制的な措置を検討しないと、こんなことを野放しにしておいては非常に、声優を含めた、俳優も含めた様々な方々の権利の損失ということになっていきますので、早急に何らかの手を打たないとまずいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【太田分科会長】
御意見承りました。
他に、ございますか。オンラインの方は挙手ボタンでお願いします。また、会場の方は挙手でお願いいたします。
どうもありがとうございました。それでは、冒頭に申し上げましたように、今期最後の著作権分科会となりますので、委員の皆様から一言ずつ頂戴できればと思います。五十音順で、まず、あんびる委員、お願いいたします。
【あんびる委員】
ありがとうございます。絵本作家をしております、あと、美著連の顧問をしております、あんびるやすこでございます。
最近世の中で注目された美術の話題には、いわさきちひろの原画32点を新たに発見というものがございました。これは1960年頃にいわさきちひろさんが描かれた絵が、返却されずに、出版社の倉庫で発見されたというニュースでございました。この件につきましては、当該出版社から御事情を伺ったところ、当時より著作権を大変尊重しておられる出版社でありまして、今回のことは何らかの手違いによって起こったことであったということを確認しております。
しかし、このニュースにあったとおり、当時、美術家の著作権はなかなか理解されておりませんで、多くの画家が勝手に作品を変えられる人格権侵害を受けたり、あと、原画が返却されなかったりという理不尽に苦しんでいたのも事実でございました。この当時に比べますと、今の私たちの創作環境は比べものにならないほど豊かになりまして、権利も守られるようになりました。一方で、美術分野は他分野に比べますと、契約の際、問題のある慣例が残っていたり、権利処理が曖昧なケースも多くございまして、著作権啓発や擁護の活動がまだまだ必要であると感じているところでございます。
具体的に申し上げますと、美術を生業とする画家には、挿絵やデザインを手がける出版美術家と、タブロー作品を手がける純粋美術家がおりますけれども、純粋美術におきましては、追及権の検討がいまだ行われないことを大変残念に思っており、追及権の確立を引き続き強く求めていきたいところでございます。
出版美術におきましては、権利者不明著作物をなくすために、美著連において権利者情報の把握率を上げるよう努めております。同時に、氏名表示とか二次利用の在り方について、利用者と一緒に慣例や契約の見直しを行う必要性も感じているところでございます。また、補償金分配におきましては、権利者確定に至らなかった分の補償金をそのままプールするのではなくて、海外の事例も参考として、何らかの形で権利者へ還元する方法も検討していきたいと考えております。
最後に、AIに関してですけれども、いろいろな制作現場にだんだんとAIが浸透していく現状の中におきまして、美術分野もだんだんと例外ではなくなってきたと感じています。著作物の制作におきましては、製作日数とか人件費とかいういわゆる生産性というものもまた重要でございますので、その生産性におきましては画家にとってもAIは便利なツールになるかなと考えています。
一方で、吉本ばなな氏の名前をかたったAI作品について、詐欺罪とはなったものの、デジタル作品であったために著作権法では犯罪とならなかったということにつきまして、美術家として大きな懸念を感じているところでございます。作家が制作した作品を用いた学習とか、学習されたモデルに基づく画像生成などにつきましては、何らかのルールづくりを求め、私どもの著作権や利益が侵害される可能性について、今後も考えていきたいと思っております。
私のここへの出席はこれが最後となるんですが、どうぞ今後とも美術分野への御理解と御支援を賜りますようにお願いを申し上げます。ありがとうございます。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、内山委員、お願いできますでしょうか。
【内山委員】
今期は政策小委と放送条約のほうでお世話になりました。ありがとうございました。
政策小委の最後のところでも言ったお話の繰り返しになってしまうんですけれども、大きなテーマとして適正な対価還元という大テーマがある中で、そこで申し上げたことは、分配根拠となるメタデータの在り方についてはあまり深掘りしていなかったなという気がします。どちらかというとプラットフォーム側が正直隠したいデータの一つだとは思いますけれども、恐らくメディアの世界はこれからどんどん断片化していって、1つのコンテンツがいろいろなところに出ていくという流れがある。一方で、「適正な」といったときにどうしてもイメージとして上がりがちなレベニューシェア型を想定したときに、どれだけそのコンテンツが再生されたり見られたりしたというデータがものすごく重要なはずですけれども、何かその辺りのところが疑いもなく、みんなが適正にやっているよねという大前提でいっている気がいたしました。
ただ、実際、正確なデータを取るとなると、もうすごく大変な話だとは思いますし、それは恐らくコストという形に跳ね返ります。プラットフォーム側もそれは正当なコストとして要求するということになると思いますけれども、適正な対価還元という大テーマがありますので、そういう意味でのデータの開示というのは必要になってくる側面も一面あります。一方で、データはデータで一種の21世紀の米粒というような言い方もあるような形で利益になる問題ですから、何を開示して何を開示しないかというところの論点というのは何かありそうな気がいたしますので、今後またそういった観点で検討ができればよいのかなと思いました。
以上でございます。ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございました。続きまして、正親町委員、お願いいたします。
【正親町委員】
経団連産業政策本部の正親町と申します。昨年の夏より前任から引き継ぎまして、本分科会と政策小委員会の委員となりました。対面で分科会に参加するのは今回初めてとなります。
経団連では、2022年のクリエイティブエコノミー委員会の創設以降、コンテンツ産業の振興を重要なテーマと位置付けて精力的に活動を続けてきました。来年度以降もその流れに変わりはないかと存じます。クリエイターへの適切な対価還元をはじめ、本分科会では難しいテーマが続いてきましたが、当会といたしましても、引き続き取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、喜入委員、お願いいたします。
【喜入委員】
日本書籍出版協会の理事を務めております、筑摩書房の喜入と申します。
最近の話題、生成AIのこととか、海外との関連とか、確かに先ほどどなたかがおっしゃられたように、断片化して気軽に様々な著作物が利用できるようになっているということはもちろんいいことなんですけれども、やはり管理というところでは非常に難しくなってきているなということを実感しております。
最近出版業界では、この著作権に関連して一番分かりやすいというか具体的によく話題になるのは、授業目的公衆送信制度というものです。これはコロナのときに1年前倒しされて、取りあえず対価はなしで見切り発車という形で始められて、その後制度化されて運用されてはいるんですけれども、やはり著作権、誰がどういう権利を持っていて、どこまで使っていいのかということについての周知徹底があまりできていないということとか、著作物の権利者をきちんと特定すること、それの作業がどれだけ手間がかかることであるかということとか、具体的なその制度を運用するに当たっての様々な弊害が出てきているという現実があり、書協の理事会などでもしばしば話題になっております。
もう少しこの制度を使う側の教育関係の方などには、もちろん出版社側が万全だとは言いませんけれども、著作権というものがどういうものであるのかについて理解していただきたい。お金を払っているのだから、極端な話、1冊分まるごと全部コピーして使ってしまっても大丈夫ぐらいの勢いの理解の方もいらっしゃいますので、その辺の啓蒙は非常に大事であると思います。特に先ほどのような断片化して使いやすくなっているという現状の中で考えても、啓蒙活動をきちんとやっていくことがこれから非常に大事なことなのではないかなと思っております。
今日はどうもありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。楠本委員、お願いいたします。
【楠本委員】
日本レコード協会、楠本でございます。私からは3つほどお話をさせていただきます。
まず1つ目ですが、私的録画補償金制度、具体的にはブルーレイレコーダーの録画機器及び記録媒体に係る補償金額の認可を今年度は頂戴しました。非常に多くの先生方、特に使用料部会の先生方、また著作権課の皆様に多大なる御尽力を頂戴し、感謝を申し上げます。現在、メーカーさんと具体的な徴収方法についての協議を進めております。こちらに関しても、著作権課の皆様には後方支援並びに前方に出ていただくような支援も頂戴しております。こちらに関しても重ねて感謝を申し上げます。
また、2つ目です。レコード演奏・伝達権ですが、今年度の取りまとめでも記載をいただいたとおり、幾つかまだ乗り越えていかなければいけない状況ではございますが、来年度以降、ここに書いていただいたように本格的な議論を深められるように我々権利者側も努力をしてまいります。引き続き、御協力をよろしくお願いいたします。
それから、3点目です。著作権侵害の国外犯処罰の執行の在り方、現在はインターネットを介した著作権侵害というのは非常に横行しております。こういった中で我々音楽業界は古くより、どうしてもデータ量、ファイルの大きさが小さい関係でインターネット上の侵害にさらされてまいりました。それに対して、各国の情報開示制度を使って、どこの国の誰がもしかしたら犯罪者なんじゃないかというところまでは突き止められるわけですが、そこへの執行、いわゆる法の執行が非常に難しいものがあるといった状況の中で、今回出版社さんの例を取り上げていただいて、海外の執行の可能性を検討いただいたというところに関しては非常に我々も期待と、それから実現を楽しみにしているところでございます。我々がやっているような、先行していると言えないかもしれませんけれども、幾つかの施策についてもぜひ御参考にしていただいて、国外の犯罪であればもう見逃す、無法地帯というようなことにならないように、是非とも最後の執行実現までご支援賜りますようよろしくお願いいたします。
私から3点、以上です。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、オンラインの河野委員、お願いいたします。
【河野委員】
日本消費者協会の河野でございます。私は政策小委員会に所属いたしまして、クリエイターの皆様が生み出す様々なコンテンツを受け取る側として、この1年間、各種課題とその対策の議論に参加させていただきました。著作権に関する専門的な知識や知見がない消費者の立場から正直に申し上げますと、知的財産をめぐる既存の法律を基にした関係者間の権利処理の問題と、多様なコンテンツを活用したビジネスにおける収益の分配をどうするかという問題が混じり合った形での議論となりがちでして、課題解決を難しくしているように思っております。
時代は、先ほどから皆様の御意見に出ているように、生成AIの社会実装などデジタル技術の利用拡大が進み、デジタルプラットフォームやスマホなど新しい流通経路を通じていろいろな形でサービスが提供されているという構造的な変化に対して、特にクリエイターとその周辺の関係者の皆様からは喫緊の対策が待ち望まれていると感じております。従来からの著作権の法律的な整理はもちろんですけれども、今期確認した論点及び審議の経過等を踏まえて、さらに深く論点の検討を進めていくことに加えまして、著作権をめぐるクリエイターの権利の保護と対価の還元に関しては、世の中の変化のスピードに遅れることなく適宜な対策がなされることを望んでいます。
最後に、我が国の重要な産業として大きな期待がかかっているアニメなどのコンテンツ産業をはじめとして我が国の文化を支えている著作権をめぐる問題については、法律やガイドラインの整備はもちろん、それと併せて、学校教育や社会教育、情報技術教育の場などにおいて、できることとやってはいけないことについてしっかりと周知・広報することで、著作権についての理解の浸透を図っていただきたいと思っておりますし、消費者の立場からも尽力をしたいと考えております。
私からは以上です。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、島並委員、お願いいたします。
【島並委員】
神戸大学の島並でございます。私は本年度、こちらの分科会のほか、政策小委及び法制度に関するワーキングチームと3つの層にわたる会議体に参加する機会をいただきました。ヒアリングや皆様の御議論を通じて、私的録画補償金にしても、クリエイターや実演家への対価還元にしても、著作権法を取り巻くステークホルダーが多数かつ多様であること、それゆえに利害調整が容易でないことが改めて実感されました。特に、複数の論点において、事前の創作インセンティブ設定とは全く別の要請と理屈から事後の利益分配に関する制度設計が求められていることが、一研究者としては印象的でした。
本委員会では、地道で真摯な御議論が来年度以降も続けられるものと存じます。私も微力ではございますが、今年度こちらでいただいた知見を研究・教育に生かしつつ、引き続き著作権法実務にも理論面での貢献を図ってまいりたいと存じます。ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、鈴木委員、お願いできますでしょうか。
【鈴木委員】
NHK知財センターの鈴木と申します。今年度からこの会議に参加させていただくことになりました。
審議状況の御説明にもありましたとおり、WIPOのSCCRでの議論が続いている放送条約に関してですが、NHKは放送事業者としてこの条約の早期成立を切に望んでおります。そのため、文化庁様におかれましては、この議論が外交会議へとステップできるよう、ぜひ次回のSCCRでも引き続き御尽力いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
また、今年は放送がスタートして100周年になります。3月22日の放送記念日を中心にNHKでも放送やイベントなど様々な取組を行っておりまして、知財センターでは、様々な権利者の方々にも御協力いただきながら、この100年をまとめた冊子を作成したり、インターネットのサイトのほうも作りました。皆様にも何かの機会のときにぜひ御活用いただければと思います。ありがとうございます。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、髙部委員、お願いいたします。
【髙部分科会長代理】
髙部でございます。私は40年ほど裁判官をやってまいりましたけれども、私が現役時代は知的財産権訴訟における著作権訴訟の割合は大体20%前後でした。今は半数を超えたという状況になっているそうです。これはネット社会で、著作権に関わる人、権利者側になる人も、それから侵害者側になる人も非常に数が増えて、そういった意味で紛争も増えていると実感をしております。
そういう状況からいたしますと、著作権分科会というのは非常に重要な役割を果たしていると思います。国民に大きな影響を与えている分野ということになると思いますので、今期もそうでしたけれども、来期以降も引き続き皆様と一緒に活発に議論ができればと思っております。
以上です。
【太田分科会長】
ありがとうございました。次に、竹内委員、お願いいたします。
【竹内委員】
日本新聞協会の竹内でございます。年度の締めに当たり一言コメントを差し上げます。
AIと著作権に関する問題について、法的な論点整理は、昨年3月、文化庁の「考え方について」において一定の取りまとめがなされており、次のステップとして、契約の促進とか、技術的な対応も含めた多角的な検討が進んでいるものと承知をしております。
一方、こうした法律・契約・技術のサイクルがうまく回り始めているのかといいますと,
なお道半ばという気がいたします。とりわけ海外のAI事業者との間で、学習データとか知識データ、それらを組み合わせたアウトプットの市場がオリジナルの市場とどうすみ分けていくのか、持続可能なエコサイクルをどう築いていくのかについて、今後適正な情報開示の在り方なんかも含めてなお対話とか協議の場が求められるのかなと感じております。
AI問題は、その性質上、巨大なプラットフォーマー問題だと承知しておりまして、これは著作権法に限らず、AIをどう発展させ、どう規律するのかという、まさに今回の新法の領域とか、あるいは競争法や不正競争防止法、あるいは民法全般にもまたがる論点を多くはらんでいると考えます。アメリカを中心に進行中でありますメディアとAI事業者との訴訟なんかも数多くあって、今後判決が出てくるのかなと予想されますことから、そうした動向も見極めつつ、引き続き皆様と議論させていただけますと幸いです。ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、棚井委員、お願いいたします。
【棚井委員】
日本写真著作権協会の棚井文雄です。昨年末から今年にかけての当会の取組みについてお話しさせていただきます。
当会は、日本を代表する11の写真団体を会員としておりますが、現在進められています分野横断権利情報検索システムへの対応、また、授業目的公衆送信補償金制度に関する補助金分配を円滑に進めるために、新たにアウトサイダーを対象とした登録団体の制度を制定しました。今年に入りまして申請受付を始めまして、まだ二、三か月ではありますが、数件の申請があり、新たに150名程度の写真家の情報を登録できると思います。
今後とも写真の著作権の普及啓発活動とともに、写真分野における著作者・著作権者の把握に努めていきたいと思います。ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、オンラインの田村委員、お願いできますか。
【田村委員】
東京大学の田村でございます。先ほども話題になりました、AIに関する考え方について一言申し上げようと思います。
政策小委でも申し上げたんですけれども、このAIに関する考え方は、物すごく私の知る範囲でも一般によく流布していて、非常によく参考にされています。それは大変よいことなんですが、他方で、大変分かりやすいところが基本である反面、具体的な事例のところで、様々な意見を調整した結果、物すごく汎用性を失っている具体例が最後のほうに幾つか掲げられているように思います。技術的な進展、社会環境の変化に伴って、恐らく今後も改定なり、新しい考え方というものが出てくるんだと思いますが、そのときには具体例などについてもより汎用性のあるものができればよいなと思っております。
また、島並委員からお話がありましたけれども、著作権制度が何を守っているのかということに関する研究を私もこれから努めて、微力ながら著作権制度の発展に貢献していきたいように思っております。
以上です。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、中川委員、お願いできますでしょうか。
【中川委員】
私からは2点申し上げたいと思います。
まず1点目は、生成AIについて、でございます。生成AIについては、昨年3月に「AIと著作権に関する考え方について」、いわゆる「考え方」が取りまとめられました。生成AIについては、私も各所でお話しする機会がございましたが、そうした際は、「本日お話ししている内容も1年たてば全く古くなっているかもしれません」というようなことを申し上げておりました。
「考え方」の取りまとめから1年が経過いたしました。私個人としては、現時点では「考え方」の内容自体を大きく変更すべき状況はまだ生じていないように感じております。もとより当時から委員の内部でもいろいろな考えは出ておりましたけれども、当時の議論の想定を超えたような状況には至っていないように個人的には感じているところでございます。もっとも、海外での訴訟の進展とか、あるいは我が国でも一般不法行為に関する注目すべき裁判例が登場するなど、生成AIとの関係でも注目すべき状況も生じていると感じております。引き続き、状況を注視していくことが必要だと考えております。
次に、2点目でございますが、これは侵害対策、海賊版対策でございます。インターネット上での著作権侵害、海賊版による被害は、極めて憂慮すべき状況にあると考えております。海賊版は、我が国で重要な位置を占めるコンテンツ産業について、産業としての根幹を脅かしかねない重大な問題であると考えております。もとより、適切な対価還元という観点からもその対極にございます。今期も政策小委員会で対策の検討がなされましたが、今後もあらゆる手段を通じて対策を講じていくことが必要であると考えております。
私からは以上です。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、オンラインの中沢委員、お願いします。
【中沢委員】
改めまして、文藝家協会常務理事の中沢けいです。文藝家協会は来年度、創設100周年ということになりまして、今年はその100周年記念の様々な行事を中心に活動していくような予定になっています。これに関しては特に著作権について何かをするということではなく、文藝家協会の存在を知っていただくのと同時に、文藝家協会と皆様の関係を改めて良好なものにしたいというようなイベント、映画を作るとか、それから文士劇をするとか、今年はそういう意味では著作権の利用者の側に立った活動が幾つか予定されております。
著作権に関していうと、今皆様のお話にございましたように、生成AIについてどう考えていくか、どう対応していくかというのはかなり焦眉の急と言えるような状態になっております。先ほど吉本ばなな氏の名前をかたった作品が流布したという件が出されておりましたけれども、4月冒頭にうちの協会の知的財産委員会が緊急招集されています。何を話し合うのかまだ私は内部まで聞いてないんですが、恐らく吉本氏の一件なども話合いのテーマに上がってくるのではないかと推察しているところです。これをどう扱うかということはかなり重要な課題になってくると見ております。
それから2点目は、出版社等を含めて様々な文芸家の活動についてのガイドラインの作成を始めました。主には契約関係の在り方なんですが、デジタル分野はこれまで前例がないので、慣習を踏襲して行うということが難しい、あるいはデジタル分野が大きくなることによって、これまで著作権者と版元が持っていた関係性が大きく崩れてくるというようなことが見られます。ですから、この点、文芸家としては、著作権者としてこのような権利があるからこういうガイドラインで仕事を進めてくださいというような形のものを少し暫時つくっていこうということを考えています。
私どもは本を書くというのが仕事ですが、本を書くためには本を読むので、利用者と権利者の両方の側面を持っていて、その間でどういうことをしていくかということを長く伝統的に考えてきましたが、生成AIというのは、今まで私たちが対応してきた事例と全く違う性格も持っているし、進歩が早いという点もあるので、ここの分科会、ここに集まっていらっしゃる皆様のお知恵もお借りしながら考え方というのを少しずつつくっていこうとしているところでございます。人格がないものが著作物を作り出す、それは著作と言えるかどうかという、そういう根源的な問いから始めていかなければならない仕事なので、とても一人二人の知恵で解決できるものではない。多くの方の御専門の見解というものによって、それを参考にさせていただいて少しずつよりよい状況をつくりたいなと考えている次第です。
今年も1年ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、仁平委員、お願いいたします。
【仁平委員】
私は、日本ネットクリエイター協会といいまして、個人クリエイターさんの管理をしております、仁平と申します。私のほうからは主に2つの観点でこの会議体に参加させていただきました。
一つは、DX時代というような言い方がよく言われていますが、我々のクリエイターさんの創作活動というのは、二次創作、三次創作、それが複雑に絡み合った創作活動を通じることによって、自分のコンテンツも、そしてオリジナルのコンテンツも盛り上がっていくという、そういうような文化形態を持っているわけなんですが、そういった複雑に絡み合ったコンテンツを、このコンテンツは何と何と何を使って出来たのであって、それぞれの権利者は誰々だというところが明確になっているデータベースは今現状まだないと思っています。
こちらのほうは、1つの大きな箱を作って、その中にそういうデータベースを入れるというのはなかなか難しいんじゃないかなと思いまして、今、割と世の中的には分散型のプロトコルを使ったデータベースみたいな考え方がありますが、そういった新しい科学技術をぜひ取り入れていただくきっかけになればなと思っています。そういった分散型プロトコルによる管理というのは、我々二次創作をメインにした個人クリエイターのものだけじゃないと思うんですね。いろいろなコンテンツにおいてはやはり本作品というものが出てくると思いますので、今後の課題としてぜひそういった新しい考え方も必要なんじゃないかなと思っています。
もう一つは、皆さんから出てきています生成AIについてだと思います。こちらのほうは、いろいろな御意見があるというのは本当に勉強させていただきました。ただ、私個人的な気持ちから言いますと、こういう新しい技術体系が出てきたときには新しい文化が生まれると考えておりまして、この文化を単なる既得権益的なアレルギーで阻害してはいけないんじゃないかなとも思っています。
もちろん新しい権利、新しい科学技術によって何か大きなトラブルが起きるというのも当然避けなければいけないことなんですが、まず、この生成AIに関しましては、法律の枠を超えたところも何となくいっぱいあるんじゃないかなと毎回感じています。これは著作権法的にはどうなんだ、これは商法的にはどうなんだというふうに、私は法律は全くど素人なので、いや、そういうような法律の縦割りで考えなくてもいいんじゃないかなといつも思ってしまうんですが、とにかくいろいろな考え方をちゃんと議論をして、基本的には前向きに新しい文化を育てていこうというところで前向きにお話を進めていけたらなと思っております。
多分この会議体だったと思うんですけれども、かなり最初のほうにAIを使ったクリエイターさんの方の発言があったということが私は記憶に残っています。要は、カメラが出てきたときには、シャッターを押すだけなんて芸術じゃないよと言われていた時代が確かにありましたねと。だけれども、とんでもございませんよね。絞りだとかシャッターとか構図だとかそういったものは、もう絶対的にこれは芸術的価値があるもの。AIも実は同じなんですと。誰が作っても生成AIで物が作れるなんて考えたらいけませんよというようなお話があったような気がします。どうやってプロンプト文を書くのかというところがすごく大切なんだというようなお話があって、私は結構それは大好きな話として頭の中に残っています。
新しい文化が芽生える何かすごくいいきっかけの時代に生きているんじゃないかなと感じていますので、この生成AIに関してはぜひ慎重に、そして大らかな気持ちで夢のある議論というものを今後続けていけたらなと思っています。よろしくお願いします。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、オンラインの深町委員、お願いできますでしょうか。
【深町委員】
日本映像ソフト協会の深町と申します。私どもは、幅広いコンテンツのパッケージ流通を担っております。かつ、映画の著作物の権利者でもある事業者団体でございます。
皆様御承知のとおり、日本を含む海外で、特に海外では今日本のアニメやドラマが非常に人気を博しており、その価値というものはかつてないほど高まっていると思います。これら日本のアニメや映画、ドラマの人気が高まると同時に、不正使用の範囲、また、その度合いも深刻さを増していると思います。これは非常に著作権者にとっても、事業者団体にとっても、日本の文化にとっても大きな損失だと思っております。ましてや、これを拡大させてはならないと考えております。
当協会としては、適法なコンテンツの流通が行われるような著作権保護の動向を今後注視し、御協力できるところは尽力して御協力させていただきたいと考えております。ありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、前田健委員、お願いできますでしょうか。
【前田(健)委員】
神戸大学の前田と申します。私からは2点ほど申し上げたいと思います。
1点目は、私は今期、使用料部会のほうに所属させていただいて、補償金等に関わる審議に関与させていただいたわけですけれども、今期は特に大きなものとして、私的録画補償金についての認可がなされるということがございました。制度について適正に執行していくということは、使用料部会、著作権分科会にとって重要な使命の一つだと思いますけれども、このたび関係者各位の御協力があって無事認可に至ったということは大変に喜ばしいことだろうと思っております。利害調整に相当な御苦労があったことだろうと思いますけれども、関係者の各位に敬意を表したいと思います。
2点目は、先ほど来話が出ているAIに関係して1点だけ申し上げたいと思います。AIにおいて声優の声を模倣するようなことについて何らかの法的保護は可能かということが議論になっていたものと承知しております。我が国のアニメ・ゲームなどの産業の発達や、あるいは文化の発展を促して適切な投資を促していくためには、何らかの保護があったほうが望ましいのだろうと私も思っております。
著作権による保護は難しいというのはそのとおりだろうと思いますが、今後、政府における検討も継続されていくだろうということで、そこでの議論に期待したいと思っております。一方で、政策小委員会の中でもそういう議論があったんだろうと思いますけれども、パブリシティー権とか一般不法行為による保護も可能だという指摘がされていて、私自身もそういった可能性というのは十分にあり得るのだろうと思っております。ですので、現状において法律上保護される利益を害されたと考える者があるのであれば、司法による判断を得て、現行法の下どういった保護が可能かということが明らかにされていくことも望まれるだろうと思っております。司法判断によってこれらに関するルールが明らかにされていくということも必要な取組だろうと思っております。
私からは以上です。どうもありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、前田優子委員、お願いいたします。
【前田(優)委員】
日本民間放送連盟の前田と申します。私からは2点コメントをさせていただきたいと思います。
1つ目が、適切な対価還元について、でございます。今期の政策小委員会では、デジタルプラットフォーム事業者としてNETFLIXからヒアリングなどをしていただきまして、私も傍聴しておりましたが、
大変参考になりました。先ほど、来期以降もまた検討が続くとも伺いましたので、プラットフォーム事業者と、それからクリエイターの間でどういった情報を共有すべきか、という点も難しいところだとは思いますけれども、そういう共有すべきデータについての透明性が高まって、国内のコンテンツ制作者、クリエイターにも納得のいく形で対価が還元されるようになることを期待しております。
もう一つ、2点目でございますが、審議経過の報告で少し言及がありましたけれども、WIPOで検討中の放送条約について、でございます。この4月にもSCCRが開催されることになっておりますので、引き続き積極的な御検討、それから御対応をいただければと存じます。当連盟もNGOとしてSCCRには出席いたしまして、条約の成立に向けて協力していきたいと考えております。
今期も貴重な検討の場に参加させていただきまして、誠にありがとうございました。以上でございます。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、オンラインの宮島委員、お願いできますでしょうか。
【宮島委員】
日本テレビの宮島です。よろしくお願いいたします。様々な委員会での議論の進展をどうもありがとうございます。進捗していることに感謝いたします。
私は、立場としては、コンテンツメーカーとしてというのと、コンテンツを利用してそれを放送にしていくという立場両方にある、あくまで個人として発言をいたします。やはりいろいろな議論が難しくなっていく分だけ、新しく私たちの会社とか産業に入ってくる人たちにそれを詳細にちゃんと教育して伝えていくということが大変な仕事にはなってきております。そして、それは恐らくどの会社もそうなんじゃないかと思います。
やはり今の若い人たちの中では、受け手と送り出し手が明確に分かれてなくて、誰でもが発信者になれるような状態で育っていますので、そこのところの理解が私たちの世代とはもう違うのかなと。切り貼りもいくらでもできるし、何でもできるという中で育ってきていると思います。
なので、そこへの著作権への意識というのはやっぱりしっかりとその都度教育しなければいけないと思っているんですけれども、教育上必要だと思うけれども、学校の現場で著作権フリーで扱うということからスタートしていくということの影響は一定程度あるかなと思います。つまり、最初に自分たちが使うときに、平気で使えるというところからスタートしてしまうので、後から、いや、そうじゃないんだということを埋め込もうとしても、なかなかそこにギャップがあると思っております。
これを教育の現場ですごくしっかりやるというのもまた、国民への広報がいかに難しいかということをふだんから感じている者としてはなかなか大変だと思います。例えばなんですけれども、めちゃくちゃ例えばなんですけれども、私たちは映画を見に行くと、必ず一番最初に、これは違反ですというようなビデオを見せられると思うんです。それと同じように、何かをしようとしたら、1枚だけでいいから、これはいけませんとか、こういうものがありますというのが必ず1ページ目に出てくるようにするとか、学校で著作権フリーで使うんだったら、使うのはいいけれども、使うときに一言、これは学校だけの特別な措置ですということを言ってもらうとか、そういう非常に単純なアクションを広げないとなかなか若い人たちにこの考えを分かってもらうのは大変なのかなと思っております。
まさにどんどん変化している中でスピード感も必要ですので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、吉澤委員、お願いいたします。
【吉澤委員】
コンピュータソフトウェア協会、吉澤でございます。私からは、AIに関連しましてコメントを申し上げます。
まず、AIに関する我が国の状況を鑑みますと、残念ながら世界各国に比べて大変後れているという状況でいると認識しております。当協会は、ゲームソフトとかビジネスソフトなどのプログラムの著作物のほかに、デジタル化された様々な著作物の権利者が加盟しておりますけれども、多くの会員会社が、自社のコンテンツ制作にAIを本格的に使うべく試行錯誤をされております。具体的には、権利を守るということと競争力を高めるという点で利用のどういう促進の在り方があるのかという双方から委員会方式等をつくりまして、法律面またはいろいろな権利者の許諾ということを含めまして、どこまでが踏み込めるかということを考えてやっております。
その中で、日本のコンテンツとしての世界の競争力を高めるためには、各社とも、AIの積極的な活用が必須となる状況にもかかわらず、現実としては、安全性への懸念とか、権利者の理解などが十分じゃないということと、AIの積極的活用に影を落としているという環境がそこにあると思います。
私たちとしては、AIの活用によって新しいあるいは未知のコンテンツの制作を模索しまして、AIが共存可能な存在であることを示しつつ、適切な距離感を持って利用できる社会の実現のために努力していくことが必要であると考えています。その中で、既存のAIと著作権に関する関係者ネットワークのような場で、AI事業者、それから権利者のコンセンサスを取りつつ、利用者への啓発を進めることも非常に重要だと考えております。
また、私たちは本来、権利者ですので、AIに学習させる著作物の取扱い、特にAIによる学習の許可と否決、諾否の意思の尊重とか、生成物により自社の著作権が侵害された場合の対応など様々な課題が残っております。しかしながら、技術の革新に後れることで競争が阻害されることがあってはいけないということから、AIの事業者、権利者、それから利用者が一丸となって、それぞれの立場における課題解決のために真摯な対話を続けていく。そして、世界に後れないAIの社会の実現を目指していきたいと考えております。文化庁はじめ各省庁におかれましては、これまでにも増して御協力をお願いしたいというところでございます。よろしくお願いします。
【太田分科会長】
ありがとうございます。次に、吉村委員、お願いいたします。
【吉村委員】
日本映画製作者連盟の理事を務めております吉村と申します。私ども制作会社としては、小説、コミック、それから音楽など一次的な権利者の皆様の著作物をお預かりして映画を制作する。この作ったものに関しては私ども自身が著作権を有するという、いわゆる受益者でもありながら、配分を行うという立場でもあるというところにおいて、やはりクリエイターへの正当な対価の還元というところを鑑みますと、作り上げた作品がどれだけの収益を上げるか、これがどれだけ利益を確保できるかということをやっぱり重要視していかなければいけないと考えております。
特にグローバルプラットフォームが台頭してまいりまして、従来の特に映画に関していうと、上映をしてから配信に至るまでの期間が短くなったり、それから逆に言うと、そもそも配信を目的とするものを上映したりということで、今までのビジネスモデルの境界線がかなり変わってきていると認識しております。
この中で今後、国の重要な産業としても位置づけられるようになったコンテンツ産業が海外からも大きな収益を上げるということにおいては、こういうグローバルプラットフォーマーとどういうふうに対峙をしていくかということも非常に重要なことなんだろうと思います。この点につきましては、著作権法の下の中での対峙ということも重要だと思いますけれども、それ以外にも独禁法とかいろいろなその他の法律の観点からも、特に権利物が正当に受益、利益を得られるような形をいかに確保するかということにやはり注力していくことが今後大事なことではなかろうかと思っております。
私どもは制作者として、国を含めていろいろな施策に対してはいろいろと協力させていただきたいと思っておりますし、積極的に議論にも今後参加をさせていただきたいと思っています。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。
【太田分科会長】
ありがとうございます。続きまして、オンラインの渡辺委員、お願いします。
【渡辺委員】
作曲家の渡辺俊幸です。JASRACの理事も務めております。私からは、本日御報告ありました使用料部会及び政策小委員会の審議経過の内容について、私個人の意見をまとめて述べさせていただきます。
まず初めに、使用料部会において、私的録画補償金の金額について認可していただきましたことに深く感謝申し上げます。これで長年議論を重ねてまいりましたこの私的録音録画補償金に関して、録画の部分だけでもようやく権利者が報われる結果に向かうことになりました。ただ一方で、私的録音補償金に関しては一度議論が決着したかのようになっているように感じておりますが、現在、明らかに音楽に特化したポータブルオーディオプレーヤーが存在する、それにもかかわらず、それが私的録音補償金の対象機器になっていない現状は、やはり早急に正されるべきであると私は考えております。どうか引き続きの御検討をお願いしたいと思います。
また、政策小委員会において、レコード演奏・伝達権について審議をしていただきまして、まだ審議経過ではありますが、導入について前向きに検討を進めていくような結論を出していただいていることをありがたく感じます。皆さん御存じのとおり、飲食店など様々な店舗・商業施設での音楽利用に対して、我が国では、著作権者、作曲者や作詞者に対しては使用料が支払われておりますが、その楽曲に関わった歌手や演奏家などの実演家やレコード製作者が本来受け取るべく著作隣接権の部分の使用料が支払われていないということです。
レコード演奏・伝達権に関して世界の状況はどうかといいますと、世界では142か国で導入済み、アジア地域に関して言えば、韓国では2009年に導入済み、中国では2021年、シンガポールも2021年に導入済みであります。そういった世界の状況から考えましても、著作隣接権者にとっての正当な権利と言えるこのレコード演奏・伝達権でありますから、我が国においても早急に導入していただけるように強くお願いしたいと思います。
それから、生成AIに関してですが、生成AIは本当に驚くべきスピードで進化をし続けており、音楽の分野に関していえば、もう既に鑑賞に堪え得る、別の言葉で言えば、例えば動画のBGM等であれば十分に使用に堪え得る音楽を数分で作り出せる、そういった生成AI作曲ソフトが実在しております。CISACによれば、音楽において生成AIによって生み出される作品の価値は、2028年には年間160億ユーロに達するだろうと。2兆6,080億円です。そして、音楽ストリーミングプラットフォームの収益の約20%、音楽ライブラリーというのは主に動画などに使用するライブラリー音源のことでしょうけれども、音楽ライブラリーの収益の約60%を占めるようになるであろうと予測されております。
すなわち、これは音楽クリエイターの減収に結びつく予測でありますが、ここで問題なのは、音楽系生成AIモデルを製作する事業者が、世界中の音楽を権利者の許諾を得ずに生成AIに学習させて、その権利者たちに何ら対価の還元を行おうとしていないという現状であります。また、EUにおいては、法律でオプトアウトの権利、すなわち、著作者が自分の作品を生成AIに学習させない権利が認められております。結果、国外の生成AI事業者は、基本的にそれを考慮した上で事業運営を行い始めていると言えます。しかしながら、我が国では著作権法30条の4があるために、現状では国内の生成AI事業者に対して権利者がオプトアウトの権利を行使することができない状況にあります。世界の情勢から考えても、少なくとも権利者が無条件でこのオプトアウトの権利を行使できるように、30条の4の見直しを含めた早急な政府としての御対応を強くお願いしたいと思っております。
私からは以上となります。
【太田分科会長】
どうもありがとうございました。委員の皆様、ありがとうございます。
私からも、最後に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
まず第1に、この委員会を通じて活発で有意義な御議論をしていただいた委員の皆様に、私のほうから感謝申し上げます。また、私の議事進行のまずさでいろいろと滞ったことをおわび申し上げますとともに、事実上おんぶに抱っこで支えてくださいました事務局の方々にここでこの場を借りて御礼申し上げます。
この委員会を通じて個人的に感じたことがありまして、それは私が尊敬しているアメリカ合衆国のグイド・カラブレッジさんという法学者で裁判官の言葉です。それは、経済的問題であれ、法的問題であれ、社会に生ずる諸問題を解決しようとするときに、そのときの科学技術や社会制度の現状を前提にするだけでは足りない場合が多い、という指摘です。
まさに生成AIをはじめとするDX時代では、サッカーのゴールがどんどん向こうに遠ざかっていくような状態でシュートをしないといけないという状況でして、カラブレッジさんの考え方でいくと、もしかすると、今、解決不能に見えたものが新たなブレークスルーによって問題ですらなくなるかもしれないし、逆に、人々の幸福を高めるものとして出てきたものが、いつの間にか多くの人々に危害をもたらすことにもなるかもしれない、ということです。それをにらんだ上で法制度や社会制度を考えていかないといけないということを強く意識したわけでございまして、その点も皆様の御意見から大変多くの示唆を受けることができました。本当にありがとうございます。
1年間、私、議事進行をやってまいりましたが、今後ともよろしくお願いいたします。私からは以上です。
最後に、中原文化庁文化戦略官からも一言御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いします。
【中原文化戦略官】
今期の著作権分科会を終えるに際しまして、一言御礼を申し上げたいと存じます。
今期は主に、DX時代に対応した著作物の利用円滑化・権利保護・適切な対価還元に係る基本政策、そして著作権法制度に関する専門的事項、著作権保護に向けた国際的な対応の在り方等につきまして、御議論をいただいたところでございます。
技術が急速に進展し、社会の変化が激しい昨今の状況におきまして、委員の先生方あるいは分科会長からも御指摘のありましたように、様々な新しいサービスの登場によりまして、従来とは異なるコンテンツ流通の形態が見られるようになりまして、著作権の重要性というのはこれまで以上に高まっていると存じます。
著作権制度、そして著作権政策につきましては、今までも社会の変化に合わせて少しずつ姿を変えてまいりました。この新しい時代におきましても、権利の保護と適切な利用のバランスを図ることで、文化の発展につながる創作の好循環を生み出せるよう、国際的なハーモナイゼーションの観点も踏まえながら検討が行われてきたところでございます。
社会の要請に応じてこの検討を進めることができたのも、ひとえに著作権分科会の委員の先生方の皆様方のおかげでございます。今期皆様に御審議いただいた内容を十分に踏まえて、来期以降も引き続き審議を深めていければと考えてございます。
改めまして、今期の本分科会の充実した御議論のために多大な御尽力を賜りましたことに感謝を申し上げますとともに、今後とも御協力、御尽力をお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。
【太田分科会長】
ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして第72回文化審議会著作権分科会を終了させていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――

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