日時:令和8年1月9日(金)
16:00~18:00
場所:文部科学省東館3F1特別会議室
(オンライン併用)
議事次第
- 1開会
- 2議事
- (1)レコード演奏・伝達権に係る関係団体からのヒアリング等
- (2)文化審議会著作権分科会政策小委員会 報告書(素案)について
- (3)その他
- 3閉会
配布資料一覧
- 資料1
- 第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会(第4回)ヒアリング団体一覧(80KB)
- 資料2
- レコード演奏・伝達権に係る関係団体からの意見等(892KB)
- 資料3
- 「レコード演奏・伝達権」の管理方法(一般社団法人日本レコード協会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会実演家著作隣接権センター)(570KB)
- 資料4
- 文化審議会著作権分科会政策小委員会 報告書(素案)(506KB)
- 参考資料1
- 第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会委員名簿(128KB)
- 参考資料2
- 第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会法制度に関するワーキングチーム委員名簿(141KB)
- 参考資料3
- 「レコード演奏・伝達権」に関する参考資料集(6.5MB)
- 参考資料4
- 「レコード演奏・伝達権」に係る利用者団体からの主な意見の概要(287KB)
- 参考資料5
- レコード演奏・伝達権に関する法制上の論点について(令和7年9月11日第25期文化審議会著作権分科会政策小委員会法制度に関するワーキングチーム(第1回)の資料3)(419KB)
議事内容
出席者
- ・委員 :
- 太田主査、早稲田主査代理、麻生委員、生貝委員、伊東委員、今村委員、上の委員、内山委員、正親町委員、榧野委員、唐津委員、楠本委員、河野智子委員、河野康子委員、坂井委員、澤田委員、島並委員、水津委員、菅委員、田村委員、中川委員、仁平委員、福井委員、渕委員、本山委員、𠮷田委員
- ・御発表者:
- 伊東明彦氏(一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会 専務理事)、東海千尋氏(一般社団法人日本バレエ団連盟 東京バレエ団 顧問弁護士)、守永直人氏(一般社団法人日本体操協会 事務局長)
- ・文化庁:
- 日向次長、守山文化戦略官、森友審議官、小倉文化戦略官、長谷著作権課長、依田著作権課課長補佐、飯田著作権課調査官、八田流通推進室長、小林国際著作権室長
【太田主査】定刻となりましたので、ただいまから文化審議会著作権分科会政策小委員会第4回及び同小委員会法制度に関するワーキングチーム第2回の合同会議を開催いたします。本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は、委員の皆様には会議室とオンラインによりましてそれぞれ御出席いただいております。オンラインで御参加されている皆様におかれましては、ビデオをオンにしていただき、御発言されるとき以外は、音声はミュートに設定をお願いいたします。
議事に入る前に、本日の会議の公開について確認いたします。予定されております議事内容を見たところ、特段非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方にはインターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところですが、特に御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【太田主査】ありがとうございます。では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方々にはそのまま傍聴を続けていただくことといたします。
それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。本日の議事次第を御覧ください。本日配付資料といたしまして、資料1、資料2、資料3、それから資料4を御用意してございます。それから、参考資料といたしまして、参考資料の1、2、それから3、4、5と御用意してございます。不足等ございましたら、事務局までお声がけいただければと存じます。
以上でございます。
【太田主査】ありがとうございました。
報道関係者の方々につきましては、以上をもちまして御退室いただきますようお願いいたします。
(報道関係者退室)
【太田主査】それでは、議事に入ります。本日の議事は議事次第のとおり、2つとなっております。
議事1につきましては、本日も、前回の政策小委員会に引き続き、レコード演奏・伝達権について、商業用レコード等を利用されている関係団体からヒアリングを行います。書面提出いただいた関係団体からの御意見につきましては、事務局より御報告いただきます。その後、日本レコード協会及び日本芸能実演家団体協議会よりレコード演奏・伝達権の徴収方法や分配方法などについて御発表いただきます。
議事2については、これまでの議論を踏まえ、事務局に報告書の素案を作成していただいておりますので、本日御審議いただきます。なお、法制度に関するワーキングチームで御議論いただいた内容も改めて御議論いただくため、本日は法制度に関するワーキングチームとの合同開催となっております。
それでは早速、議事1のレコード演奏・伝達権に係る関係団体からのヒアリング等に参ります。まずは改めて、事務局より本日のヒアリングの趣旨等について御説明いただいた後に、関係団体からのヒアリングに移ります。
それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。本日の団体ヒアリングについて御説明します。資料1を御覧ください。
前々回、前回の政策小委員会に引き続きまして、商業レコード等を公に利用されている方々に関して、レコード演奏・伝達権の導入や、導入された場合の影響等について、あらかじめ御意見を伺うためのヒアリングでございます。事務局にてこれまで全40団体にヒアリングの御希望を伺いまして、今回新たに6団体から御希望をいただきました。他方、新たに2団体は御希望なしとのことでございました。
本日、対面で御参加されている3団体の皆様につきましては、この後ヒアリングを行っていただきまして、書面での意見提出のみいただいた3団体については、後ほど事務局のほうから御紹介させていただきます。
事務局より以上です。
【太田主査】ありがとうございました。
それでは、関係団体からのヒアリングに移りたいと思います。資料2に基づき、一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会専務理事の伊東明彦様、一般社団法人日本バレエ団連盟の東京バレエ団顧問弁護士の東海千尋様、一般社団法人日本体操協会事務局長の守永直人様に御発表いただきます。
まずは、生活衛生同業組合中央会の伊東様からお願いいたします。よろしくお願いします。
【全国生活衛生同業組合中央会(伊東氏)】それでは、御説明させていただきます。本日は、説明の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。また、当方の理事長の日程がどうしても合わなくて、こちらにお邪魔することができませんでした。申し訳ございません。ということで、私のほうから資料の説明をさせていただきます。資料は資料2-1で、ページでいきますと、2ページ、3ページ、4ページということになります。
それでは、2ページから御説明いたします。2ページの一番上の1番でございますが、生活衛生関係営業及び生活衛生同業組合につきましてですが、生活衛生というこの名称については、初めて聞いたという方も多いのではないかなと思いますが、これは法令に基づきまして、飲食、宿泊、理容、美容、さらにはクリーニングとか映画館、そして肉の販売、氷の販売、銭湯など、全部で18の業種が規定されておりまして、全国では約94万のお店、会社、施設で約590万人の方が働いているという業界でございます。
その業界の中で、約560の同業組合がございます。例えば床屋の方が集まっている同業の組合、この560の同業の組合を16の業種の全国連合会が束ねているということでございます。ですから、美容の業界であれば、その美容の全国の各県にある組合を全国連合会が束ねている。それが全部で16業種ございます。今回はこの案件につきまして、それぞれの業種の全国連合会と意見を交わして、その意見を調整・総括したものにつきまして、私ども中央会のほうから説明させていただくということでございます。
次に、2番でございますけれども、日本のコンテンツ産業の海外展開の推進ということです。骨太の方針などに示されております日本のコンテンツ産業の海外展開、発展、これを推進していくという中で、我が国の音楽界、アーティストの海外進出に伴う日本への対価還元を得るという政府の政策、これは私どもとしても理解しております。しかしながら、そのために著作権法を改正して、レコード演奏権・伝達権を創設して、それで国際的な著作隣接権制度との調和を図ると、その在り方について早期に結論を得るという方向で示されていることにつきましては、私どもとしては、意見が出ましたのは、海外との交渉・調整については、ほかの手だてはないんですかねという話がありました。
また、海外から還元される対価につきまして、歌手とかアーティストの方々の育成や支援に活用するということのようでございますが、どのように活用されていくのかというのがどうも具体的には分からないなということがございます。今回のこの案件については、関係者の方々は、もう使用料を徴収するという側から制度を考えて改正するんだということで、その後のことを想像しながら意欲的に動かれているというのはよく分かるんですが、ただ、一方で、この制度が改正されたことによりまして影響を受ける使用料を納める私ども業界側、この非常に多くの人たちが、一般の方も含めてですが、この改正の内容がまだまだ十分に分かっていない中でどんどん進んでいくということにつきましては、私どもの組合としては、何かトラブルが出てくるんではないかなということを非常に懸念しているということをお伝えさせていただきます。
今朝の日経の1面にも大きく出ました。これはこれで、知らなかった人にとってみると、何だこれはということだったと思いますし、私どもの業界の中でも、何か飲食のところから点線が引っ張ってあって使用料を納めることになっているけれども、「何なんだ、これは。著作権使用料を納めているぞ」という話もありましたし、少しお話をしている方たちについては、「もう決まったのか、これ。何か話が違うんではないか」という話が今朝ほどありました。ということで、非常に心配しております。
次に、2ページの3番でございますが、著作隣接権の使用料の徴収についてでございます。既に音楽の著作権の使用料につきましては、様々な業界、事業者からもう相当に著作権料というのは徴収されておりまして、私どもの生活衛生業界におきましても、営業でお客様にサービスとしてのBGMとかカラオケなどを提供しているわけですが、それによって著作権の使用料をずっと納めてきているということでございますが、これらは現在に至るまでの長年にわたりまして音楽著作権の管理団体と、具体的にはJASRACさんになりますけれども、相当厳しい交渉をずっと重ねてきた結果の現状ということでございます。
そのため、音楽の著作権につきましては、私どもの生活衛生業界の一般のお店にも著作権というのは十分に認識してもらっているということでございますが、一方で著作隣接権の制度については、私どもの生活衛生の業界のみならず、一般の国民の方もほとんど知らないと言ってもいいんじゃないかなと思うんです。私どもはあちこち出張しておりますけれども、出張先で著作隣接権を知っていますかと言って、はい、知っていますよと言った人はまずいませんので、そういう中で法改正をして、それで使用料の徴収を決定づけようとしているこの動きにつきましては、それも次期通常国会、もう23日に始まると言われている通常国会の中でこれが決まっていくということだとすると、我々にしてみると、非常に突然で乱暴だなと思っております。私どもの業界がこの話を今回聞いたのは、9月の末にちょっと説明に行きたいんですよというところから始まっているわけでございまして、それから各業界にも話をして、そしてどうも年明けの通常国会で法律を出して、それで法律が通れば徴収するということになるらしいですよということで、皆さん、何だそれはという感じになっているという状況でございます。
そのようなお客様にも十分に承知されていない、理解されていないというこの環境下で、私ども生活衛生業もサービスを提供している、そして飲食とか、そういう商品を提供していますが、そこの価格に転嫁すると、この著作権プラスアルファの著作隣接権で費用負担が増えますので、それについて価格転嫁をするということになったとしても、一般の方が全く知らないということになると、なかなかお店側でも説明できない。我々自身も説明するのに今苦慮している最中でございますけれども、そういうことなので、なかなかこれは簡単に承服しかねますねというのが、1枚目、2ページ目ということでございます。
次に3ページを御覧いただくわけですが、一番上は別添資料を参照していただきたいんです。別添資料は4ページを御覧いただきたいんですが、横長のグラフでございます。このグラフは、日本政策金融公庫が定期的に取っているデータでございまして、金額で調べているのではなくて、DI、ディフュージョン・インデックスという、どっちかというと答えた方の雰囲気というか、感覚で答えているものをポイントで表しているものでございますけれども、この上の黄色いほうのグラフにつきましては、売上げです。そして下の水色は採算なんです。
売上げのほうを見ていただきますと、黒い折れ線グラフと、それからその平均を取った赤い折れ線ですが、左の赤い点線、縦に引いている点線、ここがコロナの境目でございます。2020年1月15日、我が国で初めての感染者が見つかって以降、一挙に売上げは落ちているわけでございます。しかしながら徐々に持ち直してきているということになっていますが、直近ではここ2年ぐらい、もうちょっと右に上がるのかと思っていたら、への字になって、なかなか上がっていないんです。これはどういう状況かというのがなかなか分かりにくいんですけれども、今、これは7月-9月期までのデータなんですが、この後の10月-12月期の概要がつい先ほど見えてきたという連絡を受けたんですが、さらに右下に下がるというのがどうも出てくるようなんです。つまり、売上げすらもそんなに伸びていない。
その中で、下の水色を見ていただくんですが、同じように一度がくっと落ちていますが、盛り返してきます。しかし、上のほうに緑色の横線が引いてありますけれども、これがコロナ前の結構高い採算、つまり、ある程度、黒字とまで言えないんですが、ほとんどゼロのところなので、まあもうかってもいないんだけれども、損もしていないかなというレベルにようやく最近各業種が戻ってきたかなという状況になっています。しかしながら、これは全業種を見ていますので、例えばインバウンドがたくさん来てもうかっている観光地にある旅館・ホテルは結構それなりにということなんですが、社交飲食業という夜の飲み屋さんなんかは、コロナのときに生活様式が変わって、食事に行ってビールを飲むところまではやるんだけれども、その後二次会、三次会でマイクを握って歌を歌うとか、そこまで行き切れていないので、夜の飲み屋さんは、音楽もいっぱい使っていますけれども、そういうところは全く利益が出てきていなくて、お店もかなりしんどい状況になっているという状況でございます。これをまず皆様方には知っていただきたいなということでございます。
さらに、この長引くコロナ禍のときに融資をかなり受けています。ゼロゼロ融資という無担保・無利子のお金を借りて、でもこれを返さなければいけないということなんですが、返せていない人がたくさんいます。返せていないお店がたくさんあります。なぜかというと、予想外に長期化している物価高、エネルギー高、いろいろなものが上がっていますので、食材が上がっていれば飲食店は困っていますし、理容・美容だって石油系のものを使っています。クリーニングの溶剤は石油系です。
このようにして、この業界は本当に今、物価高騰で店が潰れないかという状況になっています。ニュースでも、美容室もかなり潰れているとか、飲食店も潰れているというのは御承知のとおりだと思いますが、このような状況で、さらには従業員の賃金を上げなさいとか、それから社会保険料、厚生年金、健康保険の適用拡大というのが今、図られています。6月13日に法律が通りましたので、近々これが施行されていくと、事業主負担を余計に払わなければいけなくなってきます。そして受動喫煙防止対策、さらには食品衛生も、食品衛生法が改正されたもので、費用負担がどんどん増えていくという状況なんです。その中で今、著作権は払っているよという人たちに、いや、著作権ではなくて著作隣接権といって、さらに使用料を取ることになりますよということをなかなか、今、全国連合会にはこの説明をしていますが、そこから先の本当の個々のお店にこれをどうやって伝えていって納得してもらうかというのは、もう我々も本当に頭を悩めているという状況でございます。
最後に、4のまとめでございます。生活衛生同業組合としては、日本のコンテンツ産業の海外展開を推進し、我が国の音楽分野、音楽界、そしてまた歌手などのアーティストの皆さんの海外進出に伴って日本へ対価還元を図ると、これは理解いたします。しかしながら、性急な制度改正にはなかなか承服しかねるというのは今申し上げたとおりで、この業界はそんなに楽はしていませんよと、もう自分の生活、お店が潰れないかどうかで四苦八苦しているところにさらに使用料を頂きますというのはなかなかきついですねという状況になっています。
ただ、著作権法の改正案が国会に提出されて、さらに国民の代表である議員の皆様が慎重に審議した結果、可決成立した場合には、当然ながら私ども業界はこの改正法には従います。従いますが、次の事項については、引き続き懸念しておりますので、本小委員会におきましても十分な御審議をいただけるとありがたいなということでございます。
その懸念の一つでございますが、著作隣接権について、著作権と同じように広く周知、理解される環境を制度改正までにつくっていただきたいということです。著作権に加えて著作隣接権の使用料を負担するんですよということを広く知ってもらう必要があるということでございます。
それから、2つ目でございますが、制度改正までに、新たに使用料を負担する人たちに、お店に、事業主にこのことを丁寧に御説明いただきたいということでございます。もちろん私どもも説明はするんですが、なかなかそう簡単には分かっていただけないということであります。
3つ目の黒ポツですが、使用料が公平に徴収されて配分されていくんですよねということでございます。徴収する相手方、対象者をどうやって把握するんですか、それから配分される方々をどうやって把握して、どういう計算で配分していくんですかということがなかなか我々にはまだ不明でございます。
それから、アーティスト、歌手の皆様たちを育成して支援するというお話になっておりますが、それは一体どのような方法でどういう計画で実行されていくんでしょうかということを分かりやすく教えていただきたい、具体的にどういうことをするのかというのを教えていただきたいということでございます。
今回この話をしたときに、意地悪な人は、そうやって徴収した資金はどこかにたまっていくだけなんではないのかということを言っていた者もおりますけれども、本当に若いアーティストの人たちを育てるということをどのようにしてやっていくのかということを我々業界の人たちも知れば、ああ、推しの歌手のあの人が育っていくのねとか、そういう理解が得られるのではないかなと思っております。
以上、3ページの一番下に書いてあるものが我々の団体ということでございまして、そこの意見を代表して説明させていただきました。ありがとうございました。
【太田主査】ありがとうございました。
続きまして、日本バレエ団連盟の東海様、お願いいたします。
【日本バレエ団連盟(東海氏)】ありがとうございます。ただいま御紹介にあずかりました弁護士の東海でございます。それでは、私から一般社団法人日本バレエ団連盟としての意見を述べさせていただければと思います。資料としましては2-2、5ページからでございます。
我々日本バレエ団連盟は、日本のプロフェッショナルなバレエ団11団体を正会員とする、日本のバレエ団の発展を支えている団体でございます。法整備に関してというところで、一番最初に総論として書かせていただいたんですけれども、我々は日々ダンサーはじめ実演家と深く関わっている団体ということもございますので、レコード演奏・伝達権の導入に意義があるということに関しましては重々認識しております。また、日本がコンテンツ産業をこれから伸ばしていこうとしている中で、海外と制度の平仄を合わせていく必要があるというところもよく分かっているという立場ではあるんですけれども、一方で、こちらの権利が創設されると、金銭的な負担を負うのは我々の連盟に所属しているバレエ団ということになりますので、その点については御理解いただきたいなと思っておりまして、その観点から意見を述べさせていただければと思っております。
具体の話を懸念事項・意見のところから4つほど項目を立てて御説明させていただきたいと思っておりますが、総論の部分は懸念事項・意見のすぐ下に書かせていただいたところでして、レコード演奏・伝達権の対象となる場合に金額感とか手続負担の増大というところを懸念しております。本来であれば、海外で既に導入されている制度ですので、そういったものがどのようになっているのかとか、それを日本に移植するとなったときに多少工夫をしていかなければならないと思うので、そこをどのようにしていくのかとか、芸術団体の負担を減らすための方策をどうするのかとか、そういった具体の話が出てきてから意見を述べさせていただきたいというところではあるのですけれども、法制度をつくっていく中で具体の話はこれからというところになりますので、今分かっている抽象的な範囲の中で我々が懸念を持っているところを御説明したいと思っております。
まず、費用負担のところは、先ほど御説明したとおり、我々の所属団体であるバレエ団がこの費用を負担していかなければならないというところが、(所属団体の)皆様から一番懸念だという意見をいただいたところでございます。特にバレエ団の運営に関しましても、コロナ禍以降なかなか苦境が続いておりまして、だんだんとお客様は戻ってきてはいるんですけれども、一方で物価高とか人件費の増加とかというところでコストがかなり上がっているということがあり、コスト増加をそのままチケット代金に転嫁するのが難しいという業界でもあります。利益率がかなり下がって厳しい中で、さらなるコストの負担がかかるというところに対しては、(所属団体の)皆さんから難しいなと思っているという御意見を多くいただいたところです。
バレエ団の費用の負担というところに限らず、これからのバレエ団としましては、ダンサーの育成だけではなくて、これからどんどんバレエを発展させていくという意味で、新しい振付家(の育成)や新しい作品をつくっていくようなことにもどんどん取り組んでいかなければならないんですけれども、そういったときにもこのレコード演奏・伝達権の負担がかかるとなったときに、音楽を選ばなければいけないという制限がかかってくることが、今後の作品づくりの萎縮効果のようなものを招くのではないかといった御意見もいただいたところでございます。
続きまして、次のページに行かせていただきます。続いて書かせていただいたのが手続についての部分でございます。こちらに関しましては、既に我々も著作権管理団体とのやり取りを日々やらせていただいておりまして、実はこれは現場を知っている立場からするとかなり負担が重いというのがあります。対応コストというところにすごく時間がかかりますし、いろいろなところに連絡をして、そしていろいろな書式で報告をして、お金のやり取りをしてということがありますので、作品をつくっていく中で、制作の中でのかなりの割合をこの著作権管理団体とのやり取りというところに時間を使っているというのが実情でございます。
これに加えて今回の権利の創設に伴って新しい管理団体ができるということになりますと、また手続の負担がかかるのかということに関し、非常に所属団体は懸念に思っているところでございます。つまり、この新しい権利が創設されることによる費用負担というところだけではなくて、対応コストというところで人件費だったりとか、あるいは人材の確保というところも含めまして検討しなければならないのではないかというところで、なかなか見えないコストというのはこれからどんどん増してしまうのではないかというところを非常に懸念しているところでございます。
続きまして、徴収の仕組みというところでございます。こちらに関しましても、管理団体を挟むことによって管理コストはどれぐらい上がってしまうものなのだろうかというところがまだ見えていないというのが、所属団体の不安を増大させているところになっていまして、もう少しこの辺りの御説明をしっかりしていただくといいのかなと思っているんです。特に管理団体のコストが増大するのではと思う観点としましては、我々プロフェッショナルなバレエ団というのは、今11団体所属しておりますけれども、一方でバレエ教室が国内にはとてもたくさんございます。日本のバレエ界はすごく特殊で、世界の中でもバレエ教室がすごく多いというのが特徴なんです。大体、国内に4,000か所以上のバレエ教室があると言われております。
そうしますと、バレエ団の公演はある程度管理団体が手続できたとしても、バレエ教室が録音音源を使うとなったときに、一つ一つお金を払ってくださいみたいなことをやっていけるのか考えると、これをちゃんとやろうとしたらかなりコストがかかるのではないかと思っておりまして、そのコストが結局バレエ団に転嫁されていくのではないかということを皆さん気にされていたところではありますので、この辺りをどのように対応していくのかといったところも、今後にはなると思うんですけれども、御説明いただきたいなと思っております。
最後に分配計画について、徴収されたコストが分配されることになると思うんですけれども、この透明性も求めていきたいなと思っております。これまでお話しさせていただいたとおり、管理団体を挟むような形でこの徴収を行っていくということになることによって、コストがかかることが想定されますので、そうすると結局、では実演家のところにお金が入っていくとはいっても、それはどれくらいなんだろうかとか、どのような割合になるのかといったところはお金を払う側として非常に気になっているところではございますので、この辺りについても具体的なお話をさせていただきたいなと思っております。
最後、末尾になりますけれども、我々としても、この制度自体に反対というわけではなくて、今後具体の話を詰めていく中でいろいろなお話に対応させていただきながら進めていっていただきたいなと思っておりまして、実演家を守るということはもちろん大事なのですけれども、バレエ団というものがなければバレエの上演はできないという実情もございますので、法整備の検討と同時に、より文化芸術の発展というところを考えたときに、どのようにするのがベストなのかということを一緒に協議させていただければいいかなと思っております。
以上でございます。
【太田主査】ありがとうございました。
続きまして、日本体操協会、守永様、お願いいたします。
【日本体操協会(守永氏)】日本体操協会の守永と申します。本日はこのような意見を述べる場をいただきまして、ありがとうございます。
まず、日本体操協会というところの簡単な説明をさせていただければと思います。日本体操協会は、イメージでは、鉄棒とか床とかをやる体操競技をイメージされるかと思うんですが、実は体操競技のほかに、新体操、トランポリン、パルクール、エアロビクス、アクロ体操など、いろいろな競技を統括しております。この音楽に関して言えば、特にイメージがつくのが新体操と、あと体操競技の女子の床というものを音楽とともに踊るというスポーツのルールで音楽を使って実施しております。
現在、スポーツ環境におきますと、体操、新体操などを愛好している者は、昔は学校教育制度の中の学校部活動などで無償で実施できていたりしたものが、今は学校の制度改革、部活をやめて外で習ってください、民間クラブで習ってくださいということになっておりまして、スポーツをするためには有償の費用のかかる民間クラブに通う必要がありまして、今、家計への負担が増えております。また、大会などに参加する際には宿泊費や移動費など、そういったホテル代の今の物価の高騰などありますが、大会やイベントに参加するための経済的負担も増えていて、今は経済的な理由によってスポーツができない子供が増えているということになっております。そのようなところにさらに音楽のこういう伝達権の費用の負担が出るということに関しては、スポーツ人口の減少につながるのではないかという懸念が出ております。
本団体も、日本体操協会といって競技団体ではあるんですが、公益財団法人として、公益事業として内閣府から認められております。その公益事業というのは収益を生む体制ではなくて、基本的には赤字、公益のためにやってください、そのためには利益を出さずに赤字でやってくださいなど、そのような中で行っておりまして、昨今の物価高のために大会等のイベントの開催がとても難しくなっております。赤字が基本である公益事業へのさらなる経済負担は大会等のイベントの減少につながって、そうなるとスポーツ文化というものの衰退につながるのではないかと考えております。
個別に本協会におきましても、東京オリンピックをやって、スポーツは一時大きくなったんですが、東京オリンピックが終わりましたらスポンサーや放映権が減少になりまして、本協会でも2022年、2023年と合計して3億円ぐらいの赤字となって、今、事業規模の縮小に迫られておりまして、現状は余裕がない状況となっております。
今、そのような経済的な背景を含めて、スポーツの愛好者にとってもなかなか経済的な負担は大きくなっているというところです。そういう音楽とかを使う際にも、先ほどもありましたように、手続とか費用負担が増えるということになると、レコードを使用しないとか、音楽を使用しないスポーツに替わろうかとかという子が出てしまうのではないかと。また、実際、新体操を続ける子でも、音楽で手続とか使用料を取られるのであれば、レコードを使わないで自分たちでつくってとか、そういうことで実は音楽を使わないという選択をする子が出てくるというのが想像されております。
約10年前に、公益スポーツ団体にも著作権料の徴収をしっかりやっていこうという方針の下に、著作権の支払いをちゃんとするようにはしたんですが、そこから著作権のかかる音楽は使わないという選択肢を取ることが実例として見えてまいりました。そのようなためにレコードが使われなくなってしまうのではないか、それは共に、レコード界にとってもスポーツ界にとってもいいことではないのではないかという懸念が出ておりました。
一方、別なことがございました。昨年2024年度はパリオリンピックがありまして、とあるアイドルというか、音楽表現グループ、皆さんも多分御存じの男性ボーカリストグループのチームがありまして、そこのチームが体操協会に働きかけをしてくれました。私たちはスポーツを応援したいので、自分たちがつくる新しい楽曲をスポーツで好きに使っていい、自由に使ってください、その好きに使っていただいている曲をどんどんスポーツの大会の場とかいろいろなところで流していただいて、自分たちはそれを流していただいたことで一般の方に広く音楽が伝わるほうがメリットがあると思っているので、体操協会は無料で使っていいので、そのようにいろいろな場所で使ってくださいということで、実際に使わせていただいて、両者にとってウィン・ウィンになったという事例がちょうど2024年にございました。
そのように、スポーツには発信力がございます。なので、レコードとか音楽を気軽に利用することによって、新たなレコードファン、スポーツを見ていて、この曲がよかったな、自分でも聴いてみよう、買ってみようとか、両者にとって利益が生まれるような状況となることを望んでおります。
また、この御説明を以前にいただいた際に、日本のコンテンツを国際、海外に売っていこうというのが今回の目的の一つでもあるとお聞きしました。一つが経済規模、日本は今、経済規模が国際的にGDPは4位になったかもしれませんが、いまだに世界で4番目の大規模な経済国でございます。なので、音楽の利用とか、そういうものは経済規模に比例してきますので、できれば日本がこれに加盟して国際基準になったからとして、なるべく日本のマーケットがターゲットにされるようなことにならないようなことは十分気をつけていただきたいなと思っております。
また、私どもの体操では、オリンピックをはじめ、世界選手権など、海外に音楽とともに出ていきます。その際に、海外で新体操の選手とかが出ていった際に、海外に出ていったら、私たちは知りません、もう海外では選手個人でその権利に関してはお願いしますとか、そうならないようにしてほしいと思っております。海外では個人にお任せしますとか、海外に行った際には、あなたはその曲を使ったから何十万出してくださいとか、そのように求められないように、海外の国際協会とか、そういうものでうまく調整していただいて、そのように海外に出ていって頑張っている選手たちの負担にならないようなことを望んでおります。
まとめとしましては、体操では一番最初に新しい技をした人の名前が技になる文化があります。例えば昔で言えば、塚原さんという人がツカハラという名前の技をやったり、最近では白井健三さんの床の技で3回ひねりとか、そういう技がシライという名前になったりすることが文化としてあります。体操界ではそのように技に名前がついて、自分の名前が技となるんですけれども、それは自分の技だから使わないでくれとか、そういうことではなくて、より使って次の新しい技を開発していこうなど、そのようなことがあってさらなる発展を遂げてきました。
なので、音楽とスポーツは、スポーツ文化というものもありますので、先ほどの男性ボーカルグループのこともありますが、共に発展できる関係性があると思っております。レコードもスポーツも両方ともうまく使い合って、スポーツとともに勝者になるような道筋を、そしてもしくは一方だけが費用負担するとか、そしてレコードが使われなくなるとか、両者が敗者にならないような検討をぜひいただければと思って参加させていただきました。
以上となります。ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございました。
続きまして、書面で意見を提出していただきました関係団体につきましては、事務局より御紹介いただきます。よろしくお願いします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。書面で御意見をいただいた団体について御紹介します。
同じ資料2の10ページを御覧ください。一般社団法人日本フードサービス協会様からの御意見になります。ファミリーレストラン等の外食産業の団体ということでございまして、BGMの多くは有線放送の配信サービスを利用されているとのことです。
御意見としまして、レコード演奏・伝達権の導入については、日本の音楽の海外展開を促進する、アーティスト等の育成・支援につなげるという目的は理解できること、一方、最終的に飲食店などのBGM使用事業者に対する使用料の追加負担が増えることが懸念されるということ、現在、様々なコストが上昇している中で、価格転嫁も厳しいという状況の中で、BGM使用料の新たな負担がコスト増となり、理解を得ることは容易ではないこと、また、アーティストへどのように利益が還元されるのか現段階では不明であることから、あらゆる事業者に対して丁寧な説明、そして理解が得られるような情報提供と議論を行っていただくようお願いするといただいてございます。
続いて11ページを御覧ください。全国民間カルチャー事業協議会様からの御意見です。生涯学習等のカルチャーセンターを会員とされております団体です。
御意見としまして、創設に当たり、費用面・手続面の双方において、負担のないものにしていただきたいとのことで、既に負担している音楽著作権料に加えて、さらなる負担となると、運営そのものが厳しくなるおそれがあるということで、負担のかかるものとならないよう配慮してほしいということ。それから運動系や舞踊系の講座で利用楽曲の記録のために度々中断していては講座が成り立たないということで、利用楽曲を個別申請でなく、包括的で簡便な方式で手続できるよう配慮してほしいといただいています。
続いて12ページを御覧ください。一般社団法人日本アミューズメント産業協会様からの御意見です。音楽ゲームなどのアミューズメント産業の団体となります。
御意見としまして、現状、著作権料は適法に支払っていること、ゲーム等の性質上、直接レコード演奏・伝達権に携わることはあまりないと思うけれども、歌手の演奏・伝達に関しても保護されるべきものと理解しており、レコード演奏・伝達権が法制化され、J-POPが保護されることを願うといただいてございます。
事務局からは以上です。
【太田主査】ありがとうございました。
ただいまの御発表につきまして、御意見、御質問がございましたら挙手をお願いいたします。オンラインの委員の方々は挙手ボタンによってお知らせください。
よろしいでしょうか。
ありがとうございます。特に挙手は認識しておりませんので、以上で終了といたしたいと思います。伊東様、東海様、守永様におかれましては、こちらで御退席いただいて差し支えございません。御多用中、対応いただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、次に日本レコード協会常務理事でいらっしゃる楠本様から御発表いただきます。よろしくお願いいたします。
【楠本委員】よろしくお願いいたします。レコード協会楠本でございます。
ただいまのヒアリングでいらっしゃった皆さんからも出ておりましたとおり、徴収と分配については、こちらの政策小委員会の中でも何度か御質問や御意見を頂戴しているところでございます。本日は、まだ法制化いただけていない段階ではございますが、現状、我々が検討、そして準備しているところを御紹介、御報告できればと思っております。よろしくお願いいたします。
まず1ページ目でございますが、徴収・分配の全体像を図面化しております。ちょっと小さな赤字で、これは何ページに詳細がありますよというところが出ておりますので、まずここは全体の画だと御認識いただければと思います。
国内と海外とございますが、まず左側が国内でございます。先ほど日経の記事の御引用で、飲食店様のような書き方になっていたというところの御意見がございましたが、例えば国内で店舗等で音楽を利用いただいた場合を例に挙げております。一番左側に店舗等というところがございまして、そこで使用料及び何らかの楽曲の報告を、我々がもし指定団体となった場合には、それらを徴収いたします。あるいは報告を受け取り(受領いたし)ます。この際の徴収の窓口というのは極力、先ほど来、手間、コストのところの御指摘もございましたので、少なくとも実演家様とレコード製作者は一つの窓口にしたいなと。
さらには、現在こちらもお話合いのテーブルに着いていただけるようにやっとなりましたが、先行されております著作権管理団体の皆様とも窓口が一本にできることが、恐らく先ほど来のヒアリングの皆様から出ておりました徴収あるいは報告の際の手間、人的あるいはコストという表現をされていたと思いますが、そういったところの解消あるいは御懸念の払拭につながるものと考えております。
ここで、詳細は後ほどのページに出てまいりますので、分配については、報告をいただきました報告データに基づいての分配ということで、それぞれ実演家、いわゆるアーティスト、それからレコード製作者というところへ分配がなされていくと、これは左が大きなものでございます。
また、海外につきましては、いよいよ法制化させていただいた暁には、もう各国は142か国でこの法律がございますので、相互協定を順次進めてまいります。特に、どこからやるのかとかという御質問があろうかと思います。先に申し上げますれば、当然、大きな国、先進国からやらせていただいて、極力早く皆様に、こんな実態です、こんな実績がありますというところをお示しできればと覚悟を決めているところでございます。
この相互協定が結ばれますと、データ交換も今はもうデジタルでできる時代でございます。音楽に関しては、音楽データのデジタル化というのは非常に進んでおりますので、ここは使用料と使用楽曲、いわゆる楽曲は何かというものの一致というのは決して困難なことではないということも申し添えたいと思います。
次、お願いします。ここからは一つずつ詳細なページになってまいりますので、少しゆっくりお話をさせていただきます。
まずは使用料の徴収です。左側に、さきに私ども、芸団協CPRAさんとレコード協会のほうで実態調査というものをやらせていただいた際に、どれぐらいの店舗の皆様が音楽、レコード、商業用レコードを御利用になっているのかという調査をいたしました。全体の中で、商業レコードを店でかけているよ、使っているよとおっしゃっていただいた方々が、この赤枠で左側を囲っておりますが、37.1%に相当します。逆に、使っていない、レコードはかけていないという御回答が62.9%ということになります。
さらに、レコード利用実績37.1%の内訳を見てみますと、今映っておりますように、このような割合で分かれているということになります。一番大きいのが業務用のBGM、いわゆるBGMサービスを御契約されてお店で音楽を流していらっしゃる方が15%強と一番多いのを筆頭に、次が実際にCDとかレコード、配信音源のダウンロードしたものをかけてくださっているんだろうなと想定しております。それから、一番下に先に行きますが、これはラジオなどのAM、FM、いわゆるラジオをつけているというのが一番下の8.2%。それから、小さく薄くありますが、下から2番目、上から3番目にありますプラットフォーム関連サービス、具体的にはDSPのプラットフォームサービス、ここについては右側に、ちょっと後で注釈いたしますが、これを使っているという方が4.3%という割合でございました。
ではこれをどのように徴収していくかということですが、まず徴収の対象外というのですけれども、ここが一番下のところ、テレビあるいはラジオ放送を利用されている皆さんは今回徴収の対象外ですということを書いております。それから下から2番目、これは実は今、もう名前を出します。日本国内で9つのプラットフォームの皆さんにこちら今回利用規約を遵守していただきたいという注意喚起に御協力をいただきました。アルファベット順ですけれども、Amazon Musicさん、Apple Musicさん、AWAさん、KKBOXさん、LINE Musicさん、楽天ミュージックさん、Spotifyさん、YouTube Musicさん、レコチョクさん、これらでほぼ国内のサービスをかなりの割合カバーしていると思います。そちらの皆様に、これら9つのサービス事業者が提供しているサービスというのは、個人の利用を認めているもの、個人で楽しむものですよ、お店で商業利用サービスではありませんよという注意喚起をやっていただきました。
ここについては、この検討を2年前から始めていただいたときに、こういういわゆる利用規約違反の取締りをしていないじゃないかという一部のお声があったこと、一方でDSPさんの方からも、自分達が悪者になるのは本意ではないというお声を受けて、やらせていただいたものでございます。世界を見渡しても、このDSPさんが自分の自らお金を払ってもらっているユーザーに注意喚起するということはなかなかやれないというのは御想像いただければと思います。我々はそこも今回やらせていただきました。
こういったところが赤い矢印の点々で上に上がっていきますが、商業利用しては駄目なのかと初めて気づく方もいらっしゃると思い、上へ点線の赤を入れたということでございます。ではBGMサービスを契約しようかな、あるいはそういったところだということで、CDやレコードを自分で確保して利用しようかなというところにつながっていくという意味で、今回の施策はよかったかなと思っております。
徴収方法のところを少し御紹介いたします。まず、その真ん中のところ、一番利用のシェアが大きい業務用BGMサービスですが、こちらはいわゆる元栓徴収と、ここの場では何度か使わせていただいている言葉ですが、BGMサービスを提供されている事業者さんと包括の契約を結ばせていただきます。トータルでの売上げに料率を掛けることでその金額が算出されるということで元栓徴収をさせていただくことを考えております。
また、個別のお店、先ほど伊東専務からも御紹介がありましたが、伊東専務のところの95万ほどの店舗というのは、小売の皆さんからホテル、ここら辺の東京近郊のホテルも含めて、皆さんが会員社でいらっしゃいます。特に小規模の店舗については、こうしたBGMサービスを導入していないところもある可能性があるということで、我々は今回この①のところを今実現しようと、実際の電子決済サービスを提供されている方々との話合いを進めているところです。
こちらを導入できますと、実際の店舗の売上げの管理といったもので、最近ですとこの電子決済サービスがかなり浸透してきておりますので、少なくとも今までの、例えばですけれども、銀行振込とかコンビニ払いとかクレジットカードを使った支払いに加えて、この電子決済サービスの応用というのは非常に大きな進歩になるのではないかなと考えております。詳細は次のページで御紹介します。
また、2つ目のところ、我々は実はここに一番期待をしております。先ほどの伊東専務からの力強いお言葉、95万もの店舗の会員がいらっしゃるというご紹介でした。ぜひ我々は伊東専務のところとお話合いをさせていただいて、包括的な何らかの契約、握りができることを強く望むところでございます。
スポーツ団体さんも皆さんおっしゃっていますが、報告あるいは利便性を高めてほしいという需要が多いのは重々承知しております。逆に、私どもも一つ一つのスポーツをやっている教室さんを含めて回るということが非現実的であることは自認するところです。ぜひこういった利用団体さんあるいは地域あるいは地方の組織さんといったところも全て元栓に入れるような包括的な契約ができるというところを目指してまいりたいと考えております。
次のページをお願いします。これはあくまでもイメージです。なぜならば、当然まだ契約をサービス事業者さんと結べているわけではございませんし、何よりもレコード演奏・伝達権が私どもにまだ付与されているわけではございませんので、イメージと捉えていただければと思います。
まず決済ですが、左側から画面イメージをあえてつくっております。どのような音楽使用料を納める対象になるのか、例えばこれが店舗面積なのか、あるいは席数なのか、そういったところを選択肢の中につくっていくことが一つのやり方になるのかなと、一番左側の四角は考えております。
また、アカウント連携のところですけれども、いろいろなチェック項目を読んで同意していただくことは必要な訳ですが、実際お店の皆様がこの電子決済サービスを利用しているというのはどういうことかというと、1か月間の売上げがこの決済を使いますと、単位ですけれども、100万円とか1,000万円とかという単位で月ごとにこの電子決済サービス事業者さんからお金として入ってくる訳ですが、こういったものをアカウント連携とともにやらせていただくことで、このレコード演奏・伝達権が法制化された暁には、徴収の一つの有効な手段になるんじゃないかなと考えております。
特にこの精算のところを見ていただければと思いますが、先ほど私が申し上げましたとおり、1か月の売上金と、ここが1か月になるのか1年になるのかは、これは制度の組立ての問題だと思いますが、この相殺分が使用料、いわゆる新たに発生するレコード演奏権の使用料だと見ていただければと思います。棒グラフの差の部分が使用料に相当いたします。この差の部分が、我々権利者のほうにサービス事業者さんから使用料を徴収代行で取っていただいたという形で入ってくるというところを想定しているものでございます。
また、実はこちらについても、先行されております著作権管理団体様にもお声かけを差し上げて、一本化する。先ほど、手間だと、またかよ、2回目だよということにならないように、1回で終わるということが非常に大事だというのは認識しておりますので、こちらも先行されている著作権管理団体さんとのお話合いをさせていただくのだというところまでは行っております。まだ法制化されておりませんので、お話合いが始まっているわけではございませんが、先方からは、話し合いをやるというところまでは発言してきていいよとも言っていただきました。
それから、次のページをお願いします。ここから2ページは、以前にもお見せしたものが続いております。諸外国の使用料の例、それから次のページが、国内の先行されている著作権管理事業者さんの使用料の例というものでございます。
次をお願いします。次に分配です。分配と申しますのは、一体誰に幾ら集めたお金を配るのかというところでございますが、冒頭申し上げましたとおり、音楽分野のデータ管理は非常にデジタル化が進んでおりますので、どの音楽がどれだけ使われたかという情報の収集については、今映しておりますページでかなり簡便に御説明がつくのかなと思っております。
まず1つ目です。BGMサービス事業者さんからの情報提供です。こちらは既に国内のBGM事業者さんとは放送を介して御契約を我々も持っておりますので、この報告というものは既にいただいている状態であります。ですので、こういったところをどれぐらいの係数、重みづけをするとか、そういった、もしかしたら分配に対して可能性が出てくるかもしれませんが、データがあるのかないのかという話になれば、あります。実際、今、活用させていただいております。では、このBGMサービスを使っていない、あるいは我々と契約がないBGMサービス事業者さんが仮におありだったときにはどうするのか、そこのサービスを使っているお店はどうするのかという場合には、サンプル調査ということになろうかと思います。
それから、私はこちらの場でも1回か2回この話をさせていただきましたが、既にイギリスの会社でこの自動音声認識技術とフィンガープリント技術とを使って、店内BGMを全部ネットで飛ばして、それでこの店舗で1日に何分何秒、何の楽曲がかかったかというもの分配データ化が既に実現しております。実際に、イギリスの会社が日本にも売り込みにきて、3年、4年前でしたが、執務室で1日中FMの前に置いておいて、どれぐらいマッチングができるのかということをやりました。音楽の場合は非常に認識精度が高くございますので、こういった技術の活用というのは一つの手段だと思います。特に日本は、この音声認識というのは実は世界に誇る技術を日本の電機メーカーが持っていると、私も以前は電機メーカーにおりましたので、自覚しております。こういったところは、今後に期待が持たれるところだと思います。
それから2番目、このようなダンス教室さんとかのレッスン等で使用される場合の楽曲報告はどうするんだというところだと思います。実際、こちらも先行されている管理団体さんがございますので、そういった皆さんに対してもし利用楽曲報告がなされているのであれば、そこは我々の方も活用させていただきたいと思っております。同じく、先ほどスポーツの皆様もいらっしゃいましたが、先行する著作権管理団体に報告しているのに、同じ報告をまた私共隣接権の管理団体にもするのかというお話があったと思います。そこはぜひ、既報告を活用させていただくことで、ご負担にならないようにしたいと思っております。
また、下の米印で少し書いておりますが、では諸外国、ほかの国々はどうしているのかというところです。実際のところ、諸外国においても、分配のペースとなる利用楽曲データの収集の仕方は上で書いてある3つと全く同じです。楽曲報告があるものは当然楽曲報告を使います。無いものについてはサンプル調査をしております。さらには、先ほど最後に説明しました自動音声認識を使った技術を活用していると。この3本で世界は回っております。なお、この自動音声認識技術については、先進国には浸透していますが、世界中に浸透しているかというと、コストの問題等があってなかなかではございますが、この3つというのが分配に関しての基礎データになっていくというところでございます。
次をお願いします。最後でございます。こうして集めた使用楽曲データというものをベースに徴収しました金額をそこに割り当てるということで、実演家の皆さん、それからレコード製作者の皆さんへ使用料の分配がなされていくものと考えております。実際にこれは画で描いているから、こんな簡単にできるのではないかと仮に思われる方はいらっしゃるかもしれませんが、我々レコード協会もCPRAも、もし指定団体にさせていただいた暁には、既に放送の分配をやってございます。放送局からの全放送で使われた報告データを集め、そのデータに基づいて分配をやっておりますので、こんな漫画で描いたみたいにできるのかという御質問には、「できます。」と答えさせていただきたいと思います。
簡単ではございますが、私の発表は以上でございます。
【太田主査】ありがとうございました。
ただいまの御発表につきまして、御意見、御質問等がございましたら挙手でお願いいたします。オンラインの方々は挙手ボタンを用いましてお知らせください。
坂井委員、どうぞ。
【坂井委員】ありがとうございます。2つほどお伺いしたいのですけれども、まずは9つの団体といったところで、僕はいつも、Spotifyはみんな個人利用なのに店舗で使っているんじゃないかという話をしていて、そういうところは改善しなければということはさんざん言っていたので、そこはありがとうございます。
まず2ページ目の使用料の徴収方法のところで、赤い点線で小規模事業者用の特例とあるんですけれども、これは何か法律でこういった文言を書いて、例えば省令で限定するとか、そのようなことを想定しているのか、それとも、皆さん方がもし管理事業者になったら自主的にこのようなことをやろうと思っているというのか、どちらか教えていただきたいのと、あともう1点、これは単純な疑問なのですけれども、今、USENとか、それからテレビ、ラジオですか、そういったものは報酬請求権で演者に対してフィーというものが入っていると思うのですけれども、この権利が新設されたときというのは、例えばUSENから演者に渡るお金というのは増えるのか、今と同じなのか、減るのかというところが全然分からないので、皆さんが何かイメージされている、そこは増えるべきだと思っていますという感じなのか、その辺がもしあったら教えていただきたいなと、その2点です。お願いします。
【太田主査】楠本様、よろしくお願いいたします。
【楠本委員】ありがとうございます。2つ目は、もし私の認識が間違っていたら後で教えてください。まず1つ目の御質問にお答えしたいと思います。
2ページ目の小規模事業者、これは定義あるいはどのように小規模とか中規模を考えていくのかというところだったと思います。ここについては、すみません、ページを外国のページの4ページへ進めていただけますでしょうか。一応、先行している諸外国の備考欄を御覧いただければと思います。例えばイギリスあるいは韓国、更には中国もそうかと思いますが、このようなところでは、一つの例でございますので、あくまでも例としてお聞きいただきたいんですが、こういったところで小規模ないし小さな事業者さんという定義をされているのかなと認識しております。ですので、私どもも参考にさせていただいて、こういったところは一つのあれになるのかなと考えております。
【坂井委員】法律ではなくてということですか。
【楠本委員】はい。自主的にやらせていただこうと思っております。それがいわゆる公平性、本当に全部隅々まで取れるのかという御質問の答えにも近づくのかなと認識しております。
それから2つ目です。私どもが権利獲得した暁には、例えば使用料がアーティストに行くということは今までよりも増えるのかという御質問だったということでよろしいですかね。
【坂井委員】はい。
【楠本委員】当然、増えてまいります。今までゼロですので、アーティストといいますと、お隣の団体さんではございますが、演奏権に基づいて分配されている使用料はゼロでしたので、これからは演奏権使用料が分配されていくわけですから、当然増えてまいります。
以上でございます。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【坂井委員】ごめんなさい。2つ目なのですけれども、USENとか、今既に払っているそこが元栓になったときにという前提です。当然、今あるほかの権利がないところで全く報酬が払われていないところについては増えると思うのですけれども、今も現実的には、擬似的な権利と言ったらいいんですか、分からないのですけれども、報酬請求権という形で払われているところについてという趣旨でしょうか。
【太田主査】よろしいでしょうか。ご回答をお願いします。
【楠本委員】恐らく、坂井委員がおっしゃっている報酬請求権が払われているというのは、放送のことをおっしゃっているんですね。
【坂井委員】放送とかUSENとか。そうですね。放送の、二次使用ですね。
【楠本委員】二次使用料のことをおっしゃっていると思いますので、二次使用料の徴収は今やっておりまして、そこにプラスでレコード演奏・伝達権が付与された暁はその使用料も分配されますので、増えます。答えとしてはそのようになるかと思います。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【坂井委員】はい。
【太田主査】では、福井委員、挙手をされておりますので、お願いいたします。
【福井委員】どうも御説明ありがとうございました。有望な徴収法の例をお伺いしましたが、全体像のイメージを若干お伺いできればと思います。これは前々回にもお尋ねした、2024年2月28日のこの政策小委員会に提出されたレコード演奏・伝達権に関する市場調査(注)というデータがありましたね。私が参照したいところは、なぜか今日の参考資料にはなく、抜けているようなんですけれども、もし事務局のほうで共有可能であれば共有いただければと思いますが、簡単な内容なんで口頭で説明します。
この市場調査の10ページに、蛇口徴収だった場合には86億円以上の徴収額になる部分が、元栓徴収にすると僅か3億6,000万円ほどに縮小するという記載があります。これは昨年の11月12日にもお尋ねしたことなんだけれども、その後ずっと実は考えていまして、もう一度だけ楠本委員に確認させてください。
逆の場合ならまだしも、元栓徴収にしたほうが権利者個人に入るお金が減るという理屈はないと思うので、よって権利者本人に入るお金は、蛇口徴収で86億円集めても、元栓徴収の場合と同じ3億6,000万円が最大ということになると思うんですね。
この図の左上の部分ですね。下の全て蛇口徴収の場合と比べると、蛇口徴収で集めたら86億円以上の部分が、上の黄色の部分、元栓徴収に変えると、僅か3億6,000万円ほどに減るということ、これは蛇口徴収でも恐らく権利者本人に入るお金は最大でこの3億6,000万円の枠内だと思うので、そうすると蛇口徴収で集めたとしたら86億円以上徴収する。でも権利者本人に入るお金は最大3億6,000万円ということが想定されていたことになるわけです。この差額、集めた86億円と権利者本人に入る最大3億6,000万円の差額は、徴収経費や分配経費、つまり中間経費ということでしょうか。つまり、このデータによると、蛇口徴収をした場合、苦労して集めても、96%は中間経費で消えて、徴収額の4%ほどしか権利者本人には入らないということになるのでしょうか。あるいはそうはならないのでしょうか。お伺いできればと思います。
(注)ご指摘のあった資料について、会議後に参考資料3の30ページに追加している。
【太田主査】楠本委員、お願いします。
【楠本委員】ありがとうございます。先生、ちょっと84億円のところが今映っているページから見つけづらいのですが、御質問の趣旨は理解しているつもりですので、お答えをさせていただければと思います。
【福井委員】説明します。下の150億円と下の64億円の差額ということですね。
【楠本委員】承知しました。まず、この青い、紺色の太い、全部蛇口、いわゆる蛇口が濃い紺色になっているわけですが、これは、想定の金額が、もう申し上げますと、JASRACさんの月500円、年間6,000円を想定して、北海道の先から沖縄の先まで全ての小売店から全部500円、6,000円を取った場合にということがまず大前提になっております。
一方で、元栓の徴収分というのは、当然、国内にBGMをやられている事業者さんがもう既に存在しておりますので、そちらと契約をした場合にはこのような金額になるということで書かせていただいております。ですので、ここには我々のその何とかコストとか、先生、徴収コストだ、分配コストだというのは一切含まれておりませんで、仮に全部取れたらという考え方でやらせていただいているものでございます。
何を言っているかといいますと、USENさん等のBGMサービスを利用している事業者さん・店舗さんが先ほどの調査でもあったとおり15%ぐらいシェアがあるわけなんです。そうしますと、そこは元栓で処理させていただきますということで、今、黄色でハイライトされているところに移っていくのかなと。
では、こんなに金額が減ってしまってどうしてという答えに対しては、先ほどの500円、6,000円で全てのお店を取ったからというのに対してのいわゆるギャップですね。取れなかったこともございますし、免除事業者さんもございますし、ディスカウント、いわゆる減額している事業者さんとか、そういったことを考えていくと、この64億円相当というのが計算して出てくるということを当時やったと記憶しております。
すみません、今、手元に計算したものを見ている訳ではありませんけれども、この表だけでお答えしていますが、そういう理解でございます。伝わりましたでしょうか、先生。
【福井委員】今の御説明で、まずこれは店舗の年間6,000円分だけからの推計だということが分かりましたけれども、私の質問の趣旨は伝わっていないようです。私が申し上げたのは、元栓徴収に変えられた部分というのは年間3億6,000万円の徴収に縮むというんでしょう。つまり、3億6,000万円を元栓徴収分で集めたら、当然だけれども、権利者本人に入るお金は最大でも3億6,000万円ですよね。
【楠本委員】元栓の部分はおっしゃるとおりです。
【福井委員】そうですよね。下のグラフと比較すると、その元栓というものが存在しないとした場合は、集めるとしたら86億円を蛇口徴収では集めることになる。上のグラフと下のグラフの差額で言えば、蛇口徴収で集めるとしたら86億円。それはよろしいですか。
【楠本委員】はい、おっしゃっている意味は理解しています。差額、この引き算するのが、どうしてそこが引き算で一対一なのかがなかなか説明しづらいですけれども、おっしゃっている意味は分かっているつもりです。
【福井委員】分かりました。そうすると、次に86億円を蛇口徴収で集めたときに、権利者本人に払うお金は幾らと想定されていましたか。元栓徴収に変えたからといって、権利者本人に払うお金が減るということはないだろうから、多分、元栓徴収のときの最大3億6,000万円は蛇口徴収でも同じで、権利者本人には最大3億6,000万円しか払われない想定ではないですか。
【楠本委員】想定ではないです。実際に、これはもう何度もお見せしていますので、JASRACさんが使われている規定が、元栓事業者さんとは1%で御契約されている訳です。従いまして、それぞれの店舗さんがどのようなBGMサービスを御利用されているかは存じ上げませんが、1万円だったら月100円になる訳です。2万円だったら月200円が使用料になる訳です。それと、先ほど申し上げましたとおり、月額500円との差というのは圧倒的であるということがまず一つです。
それから、その差額は一体何なのだと、もし先生がおっしゃるのであれば、取りまとめて、権利者側は何もせずして御報告とともに元栓で使用料と使用楽曲データを頂戴できるといったところの手間賃という言いますか、何かそういったところだと我々は捉えております。
【福井委員】なかなか噛み合わないなと思いますけれども、最終的に権利者本人に入るお金は下のシミュレーションでは一体幾らだと考えられていたんですか。今のお話は、蛇口徴収のときに総額で幾ら集めるかというお話をされているんであって、権利者本人に入るお金は元栓徴収のときと同じか、元栓徴収のほうが少ないということはないはずだから、やっぱり最大で3億6,000万円なんじゃないんですかという理屈になりませんかね。もしそうだとすると、楠本さんの御理解はともかくとして、中間経費、今おっしゃった手間賃ということがお答えなのかもしれないけれども、それに96%が当たると読めてしまうので、私も困ってお伺いしているんですよ。
【楠本委員】すみません。参考となっているところと参考ではない上の段との差額を八十何億円とおっしゃっているというのは理解をしております。先ほど教えていただきましたので。
これは、先ほど申し上げましたとおり、日本が北海道の先から沖縄の先まであるとしたときに、全てのお店から全て500円ずつ月々徴収できた場合を書いているわけでして、ちょっと500円というだけではなく、実は大きなホテルさんとか商業施設さんはもっと大きい金額をお支払いされている訳ですので、そういったもののシミュレーションも全部合算したものがこの下の額でございます。
一方で、上は、個別で集めるこの蛇口の徴収分以外のところ、元栓徴収というのは、実際のBGMサービス事業者さんが御商売をされていて、免除事業者を除いたところの売上げがこれだけだから、そこに1パーセントを掛けたら3億6,400万円だという事実がある訳です。したがって、ここは決して何か手数料、我々が差額の九十何億円を差っ引いた、差っ引かないとか、そういう発想は全然今のところないのかと思っている訳なのですが、かみ合わないですかね。先生、どうでしょうか。
【福井委員】まず第一に、レコード協会さんが差っ引くことだけが中間経費ではないので、徴収し分配するためにかかるコストは全部中間経費なので、そのコストが幾らかということは、今日の御意見の中でも皆さんの関心事項なわけですよ。昨年の11月に日経でも、これはコスト倒れするんじゃないかということが懸念されていたから、お尋ねしたことです。私の質問の仕方がまずいのか、うまく御理解いただけていないようだけれども、もし今後、権利者本人に結局幾ら入るか、蛇口徴収だったら経費率は幾らぐらいが想定されていて、権利者本人に幾ら入る想定なのか、もし追加の御説明が可能であればいただければと思いました。
私からは以上です。
【太田主査】よろしいですか。
【楠本委員】ではもう少しだけ。実際に徴収が始まってございませんので、徴収コストがどれぐらいの割合になるかというのは、今、勘では申し上げられませんが、実際、放送について実績がございまして、当協会は6%から7%の手数料で放送の使用料分配をやらせていただいております。ですので、100円のうち6円か7円が当協会のコストだと御認識いただければと思います。
ただし、演奏権に関しては、先生も御理解のとおり、細かな金額をたくさん集めなければいけないというところはどうしても課題として残っておりますので、先ほど来言っておりますとおり、電子決済的サービスの活用など、あるいは先生が御支援されていらっしゃる舞台芸術ネットワークさんとの握りとか、そういった包括を一つでも多く結ぶことで、コストの部分は省略化、縮小化というんでしょうか、小さくしていければと考えております。
【福井委員】楠本さん、放送との比較なんかを出されたら、私は賛成できるものも賛成できなくなりますよ。放送はおっしゃるとおり、徴収コストや分配コストがさほどかからないなんてことは明らかであって、国で蛇口徴収するときに一体どれだけのコスト、手間がかかるのか、そこが焦点じゃないですか。ですから、それについてお伺いしたいと言っているのであり、それは徴収してみないと分からないということだったら、ではそのお答えを前提に考えるということになってしまいます。
【楠本委員】では、すみません、私の言葉足らずで大変失礼いたしました。先行している著作権管理団体であるJASRACさんの実績は、私もそのコストは存じ上げませんが、ただし、回っている訳です、運用として。ですので、我々がどれぐらいお願いして、どれぐらい御協力いただけるか、どれぐらい御一緒にやっていただけるかはこれからにはなりますが、実際にもう先行されている先輩が回っていることは事実ですので、そこは、いいな、人が開拓した道を行くのかと言われるかもしれませんが、そこは頼らせていただきますし、御相談させていただきたいと我々は考えております。
【福井委員】おっしゃるとおりですよ。JASRACは、長い年月をかけて今の徴収の仕組み、体制を整えたんです。ですから、経費的にも回る体制をつくっているわけですよね。それにレコード協会さんがうまく乗れるんであれば、それは解決策であろうということは私は当初から言っています。そのお話合いが始まったということは大変いいことですね。
いずれにしても、もう質問に対するお答えとしてどのくらいの情報をお持ちかは分かりましたので、私からの質問は以上です。
【太田主査】ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。
早稲田委員、どうぞ。
【早稲田主査代理】どうも御説明ありがとうございました。私も今、福井委員が聞いていたところのコストに非常に興味がありまして、一つはやはり放送と同じにはいかないだろうと。ただ、今日の資料によると、音楽著作権管理事業者との話合いがこれから始まるというところで、これは大きな進歩なのかなと思いました。徴収はそれで、あとは海外から入ってくるのがかなり、何十億ぐらいというところまでいくんですか。何億ぐらいですかね、海外からですと。
【楠本委員】期待値は2桁億に行っていただきたいと思いますが、最初にその協定を結んでいくステップがございますので。
【早稲田主査代理】分かりました。海外については、データが入っているので、お金さえあればその徴収コストというのは全然かからないという理解でよろしいでしょうか。
あと分配のほうですけれども、分配は、放送でデータベースをお持ちなので、こちらはほぼほぼその加算のコストはないという理解でよろしいでしょうか。
【楠本委員】おっしゃるとおりです。特に放送と申しましても、USENさんも有線放送ということで利用報告データを我々はいただいておりますので、恐らくお店でBGMサービスでかかっているのが有線放送に相当すると承知していますので、そこは流用できると思います。
【太田主査】よろしいでしょうか。
【早稲田主査代理】ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。
ありがとうございます。以上で議事1を終了いたしまして、議事2の文化審議会著作権分科会政策小委員会報告書(素案)についてに参ります。本年度は大きく、レコード演奏・伝達権の導入と、今後のデジタル教科書の在り方を踏まえた著作権制度の対応について、これまで議論してまいりました。
この議論の内容を報告書として取りまとめてまいりたいと思います。事務局のほうで報告書の素案を作成していただいておりますので、まず資料4に基づき、事務局より御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。まず参考資料についてお知らせします。素案の参考としまして、参考資料3、これはデータをまとめたものでございます。それから参考資料4、前回までのヒアリングにおける主な御意見をまとめたものです。事務局にて作成させていただきました。それから参考資料5として9月に開催した法制度ワーキングの資料を御用意してございます。引き続き参考資料については充実させていただきたいと思います。本日は失礼をいたしました。
それでは、資料4について御説明させていただきたいと思います。
まず1ページ目、「はじめに」でございますが、今般の検討経緯、検討事項を記載したものでございまして、レコード演奏・伝達権とデジタル教科書の導入に伴う方策について取りまとめてございます。
では、ちょっと時間が押していますので駆け足で説明させていただければと思います。2ページを御覧ください。こちらは、まずレコード演奏・伝達権について、でございまして、1ポツでは経緯・背景をまとめたところでございます。続きまして3ページ目でございますが、(2)としまして、今般の検討経緯をまとめてございます。
本題としましては、4ページの2ポツ、検討結果からでございます。まず、現行著作権法の制定時からの近年の状況の変化・動向を整理してございまして、現行法制定当時は、実演家等に措置した場合の社会的影響の大きさ、ローマ条約の締約国が少数にとどまっていたこと等の事情をもちまして、将来の国際的な動向の進展も踏まえて再検討することが適当とされていたところです。その後、著作隣接権の制度も国際的に一定普及し、レコード演奏・伝達権についても導入が広がっているということ。
続いて5ページに参りまして、国内でも、店舗等において商業用レコードの利用が広がっているということ。続いて、現行法の制定時には必ずしもなかった音楽産業や実演家等に関する近年の環境変化としまして、日本の楽曲が海外で聴かれるようになってきている状況といったものをデータを含め述べています。それから5つ目の丸ですが、世界の音楽市場は成長傾向にあるということ、また6つ目、7つ目の丸ですが、音楽を含むコンテンツの海外展開が進められていることと、音楽業界あるいは政府においても取組が行われているということを記載してございます。
6ページでございます。他方、1つ目から3つ目の丸におきましては、実演家等の経済的な状況について、市場の縮小等の課題があるということでしたり、人材の状況についても人材不足等の課題があるということでございます。
次に、こうした状況の中で、レコード演奏・伝達権の創設に期待が示されている点をまとめてございます。
まず、相互主義によりまして、諸外国で商業用レコードが利用されたとしても、日本の実演家等には対価が還元されていないという課題の解消、あるいは、継続的な収入手段が生まれ、アーティストらが海外に展開していくインセンティブが高まるということ、最後に、後進アーティストの育成支援のための原資となるということを書いてございます。
最終行から7ページ目に参りまして、11月12日の政策小委員会で発表があった国際収支の推計結果について紹介してございます。
それから(2)基本的な考え方でございます。こちらに検討結果の総論を記載してございます。まず、レコード演奏・伝達権の果たす機能をまとめてございまして、公衆に対する利用行為に対して実演家等への利益還元手段を付加的に提供するものと考えられるとしてございます。
続いて、現状では本権が導入されていないということで、著作権者や利用者との間の不均衡、海外での利用から対価を得ることができないという状況が生じていると、課題をまとめてございます。
次に、これまで御説明したような現行法制定時からの状況変化等を踏まえれば、我が国も国際的な制度との調和を図り、実演家等への対価還元を一層促進する観点から、レコード演奏・伝達権の創設が望ましい。権利の創設により、こうした課題が解決され、海外展開のインセンティブにつながることが期待されるとしてございます。
最終行から8ページにかけてです。一方でとしまして、権利の創設により、国内の利用者には新たな負担が生じることになります。このことがかえって商業用レコードの利用の妨げとなって、ほかの活動を萎縮させたり、過度な負担を生じさせたりすることのないよう、懸念や不安に向き合い、適切な配慮を講じていくことが重要としています。
また、徴収には、今もございましたが、権利者・利用者双方にコストが生じますので、デジタル化時代に即した可能な限り簡便で効率的な仕組みを構築していくことが重要であり、また各利用者によって利用できる手法や置かれた状況が様々異なるであろうと考えられることから、そうした状況等を踏まえた画一的でない仕組みの検討・構築が重要であり、そうした仕組みを構築することを前提に、実際の徴収を開始すべきとしてございます。
加えて、分配についても公正・公平に行われるよう、正確な分配の基礎となるデータの収集と適切な運営が必要としてございます。
続いて(3)導入する場合の法制度のイメージでございます。こちらには、法制度ワーキングチームでの御検討を踏まえた法制度の骨子イメージを記載してございます。
まず①では、レコード演奏・伝達権について、具体的には商業用レコードの再生・伝達に関する二次使用料を受ける権利であり、それを実演家とレコード製作者に付与するものであるということをまとめてございます。
②では、レコード演奏・伝達権を許諾権ではなく、二次使用料請求権とする理由について整理してございます。
③は少し割愛しまして、④については、著作権の権利制限規定と同様の整理をするということが考えられるのではないかということを書いてございます。
権利行使の方法としては、⑤以下でございますが、⑤では、まず指定団体制を取って、実演家あるいはレコード製作者の団体で文化庁長官が指定する団体があるときは、当該指定団体によってのみ権利行使を可能とし、権利処理の円滑化を図ってはどうかということでございます。
また、次のページですが、⑦でございますが、指定団体が行使する二次使用料請求権について、その金額等々の調整に関しては、利用者の利益にも配慮するということが必要でございますので、管理事業法の下で設けられている仕組みを参考にして、以下のアからオの仕組みを設けてはどうかとしています。
少し説明をはしょらせていただきますが、例えば次のページのエでは、二次使用料規程を指定団体はつくらなければならないと。それに際しては、協議あるいは裁定があるということでございますが、こうした協議や裁定の結果、内容が調整されたことを要件としまして、二次使用料規程を文化庁長官に届け出るという形にしまして、届け出た二次使用料規程が効力を生ずるという形の仕組みにしてはどうかとしています。
続いて⑧ですが、こうした指定団体の指定や、その後の二次使用料規程の作成、協議、調整に時間を要するということを考慮すると、また周知期間等も考慮しますと、準備期間として3年程度設けることが必要ではないかということ。
(4)運用上の留意点でございます。まず、レコード演奏・伝達権について、こうしたスキームを前提とするとしましても、具体的な徴収・分配の仕組みについては権利者側で構築していく必要があるということでございまして、その中で指定団体の役割が重要であるということと、実演家とレコード製作者の団体の連携・協力も重要としています。
また、ヒアリング等でも出た御要望を踏まえて仕組みを構築していくことが大事であり、次のページでございますが、先ほどの発表にもあったような徴収等の仕組みのさらなる具体化に向けて、下記事項にさらに留意することを求めるとしています。
まず、二次使用料規程、いわゆる料金表の作成に当たっては、様々な利用の状況、あるいはほかの使用料額との総額との関係、あるいは物価など様々な状況を踏まえて検討すること、それから特に小規模な事業者が受ける負担に配慮すること、きめ細かい検討をしつつ、特に利用者からのヒアリングにあったように、規模等の小さい事業等については、支払いの免除や減額といった措置を講じるよう検討・実施することとしてございます。
13ページに参ります。徴収・分配についても、利用者の簡便性、公平性に留意するということでございまして、デジタル技術も駆使しつつ仕組みの構築を進め、また特に蛇口徴収については、先ほどの発表にもありましたように、著作権管理事業者との連携など、利用者負担の軽減について引き続き検討することということ、そのほか、元栓徴収を進めるということでございましたり、支払いを行わない者に対するしっかりとした働きかけということ、あるいは徴収の開始についても、事前の十分な周知、あるいは状況によっては段階的な導入であったり、さらなる猶予期間の設定といった緩和措置も検討・実施することと書いてございます。
また、分配に関しましても、基本的には利用されたレコードの情報を基にする必要があるわけですが、利用者の簡便な報告に資するよう、様々な取組を行うということや、完全な利用報告が得られない場合でも、統計情報等を利用することで、正確性の向上に努めるという形にしてございます。
3ポツ、今後の課題でございます。まず、レコード演奏・伝達権の趣旨や徴収等の詳細について、分かりやすい周知が必要であるということ。
14ページに参りまして、先ほどのヒアリングにもございましたが、著作隣接権制度そのものについても、この機に周知啓発に取り組むということ。
それから、指定団体において様々な情報の開示や説明責任を果たすということが大事であるとしています。
また、音楽の権利処理方法、商業利用不可のサービスについてもお話がございましたけれども、この機に普及啓発をしっかり図っていくということ。
加えて、審議会の場でも懸念が指摘されてございました、演奏のための準備的複製の在り方についても、この機に利用者を交えて追加の経済的負担なく許容される場合の整理をはじめ検討、解決することを前提に、本権利の運用を開始すべきであるということ。
それから、最後ですが、徴収・分配に関して、利用報告も含めて、デジタル技術等の活用に向けた調査研究に取り組むなど、円滑な実施に向けた取組を進めることとしてございます。
ここまでがレコード演奏・伝達権でございまして、15ページに参ります。今後のデジタル教科書の在り方を踏まえた著作権制度の対応について、でございます。
まず1ポツの(1)経緯については、11月12日の政策小委員会でも発表のあったところでございまして、教科書の形態として紙だけでなくデジタルも認めるという方向性の中で、著作権の権利制限の在り方について検討が必要であるということでございます。
(2)では、現行制度をまとめてございます。
続いて(3)、次のページですが、検討課題として2点挙げてございます。教科書に今後は動画や音声が掲載される可能性があるということと、2つ目、デジタル教科書も使用義務や検定・採択・無償給与の対象になるということで、こうした手続においても利用行為が生じることへの対応が必要であるということを挙げてございます。
2ポツ、検討結果でございます。既に政策小委員会で御議論いただいた内容と同じでございますが、まず、教科用図書の役割や高い公共性から、教育の目的上最も適切な著作物を利用することができるようにする必要があるという現行の考え方は、今後も同様であろうということで、次ページでございます対応方針としては、まず、今後のデジタル教科書に対応するため、著作隣接権の制限を実演、レコードの利用にも広げるということ、採択等の手続に対応するため、複製、公衆送信等の複数の利用行為についても権利制限の対象とすること、補償金については、掲載する著作物等の種類や用途、利用態様や状況等を考慮して、掲載する者が著作権者等に支払わなければならないこと、それから、引き続き著作者人格権を尊重しつつ取り組むということで記載してございます。
最後に3ポツ、その他については、著作権法35条との関係の整理について、関係者に分かりやすく周知するということでございましたり、デジタル教科書に掲載されたコンテンツの拡散防止のための措置について検討することが望ましいということとしてございます。
駆け足で大変恐縮ですが、以上でございます。
【太田主査】ありがとうございました。
それでは、この報告書素案につきまして、審議に入りたいと思います。御意見、御質問等がございましたら、挙手をお願いいたします。オンラインの委員の方々は挙手ボタンで御連絡ください。よろしくお願いいたします。
内山委員、どうぞ。
【内山委員】どうもありがとうございました。先ほどのレコ協さんの御発表と今の報告書を合わせてのことになりますけれども、伝達権の創設はずっとレコ協さんを含めて主張されていたことですし、今の国際情勢を見ていて、法の支配よりも力の支配のほうが強くなってきている状況の中で、こういう国際的な平仄を合わせる話は急いだほうがいいんだろうなという思いを非常に強く持ちます。
ただ、その一方で、今日は方針というよりも、かなりオペレーションにまつわる話もたくさん出ていますので、その観点も含めてなんですけれども、総論的に申し上げて、NHKの受信料制度にかなり似ているなという印象があります。というのは、法律上の支払義務が規定されてくる。でも一方で、放送法は受信料不払いに対する罰則は設けていませんけれども、こちらは報酬請求権という形になってきますので、かなり弱い義務という形になってくる。もし悪意を持った不払者がいたとしても、遡及にかなり限界が出てくるだろうといったところ。
一方で、NHKの受信料議論は皆さんも御存じのように、非常に公平性ということに対して物すごい議論がもう何十年もあって、いまだにその裁判は終わらないといいますか、いろいろな形で裁判が起きて、最高裁まで行ってNHKが勝訴するというパターンが繰り返されていると思いますけれども、多分そういった公平性問題というのはかなりシビアになるだろうなと思っています。
今回のこの報告書の中でも、最後に、いろいろな団体さんの要望もあって、零細事業者等に対する免除とか減額とか、その種の主張がされていますけれども、この文言を入れている時点で経済学でいうところのピグーの第2種価格差別を実際に行うということになりますので、究極のところではここでもう公平性は失われています。そういったところは、文字どおり、これからNHKと同じ苦労をしていかなければいけないんだろうなとつくづく思うところがございます。
価格の面のみならず、非価格の面ということでも、先ほどのレコ協さんの資料でちょっと気になったところがありまして、6ページ、キューシートの話になってくると思います。これは、本当にJASRACさんが正確にデータを取られているのかどうかが私は疑問に思いました。放送事業者も悲鳴を上げてキューシートを作っているわけで、そんなに簡単な作業ではないはずですし、いわんや零細事業者がちゃんとこのようなものを、一回こっきりのイベントであれば作るでしょうけれども、毎日デイリーのオペレーションをやっている中で、果たしてちゃんとキューシートなどを作ってくれるのかなという思いもあります。
そういった点でも、本当に公平性の担保というのは果たしてできるのかどうかといったところが、オペレーションのレベルとしてはちょっと疑問に思うところがございますので、これは来年、再来年、すぐにやりますという話ではなくて、3年かけて準備していきましょうということですので、ぜひその間にその公平性の担保ということで突き詰めていただければなと意見具申したいと思います。
【太田主査】貴重な御意見をありがとうございました。
次に福井委員、挙手をされておりますので、よろしくお願いいたします。
【福井委員】どうも詳細な報告書を大変ありがとうございました。
楠本委員、私は音楽アーティストやレコードレーベルも支援しておりますよ。これははっきり申し上げておきますね。そして、彼らへの適正な還元はあるべきだと考えています。
ただ、各資料では店舗BGMが強調されていますけれども、対象はスポーツ競技、フィットネス、各種教室、ダンス、演劇、DJなど、あらゆる音源の利用に広がります。言わば全国民が利害関係者です。ただ、本日を含めて御指摘があったように、全国に点在する150万以上という多様な利用者を誰が把握して、そして内山委員のお話にもありましたが、どうやって公平に使用料を徴収し、そして公平に分配するのか。先ほども申した、11月に日経が報じたように、現場には負担になる一方で中間経費で消えてしまうということにならないか。これは決してレコ協さんが取るなどと申しているんじゃないですから、誤解のないように。あらゆる意味での中間経費で消えてしまうということにならないか。まして、演奏は報酬請求権化されて報酬を払うのに、その準備に不可欠な一度の媒体コピーには許諾が必要だとされて、そうすると、全国で年に数千万に及ぶような準備コピーの許諾を個別のレーベルから求めさせるような、そんなばかげた事態にはならないのか。なぜこれを言うかというと、一部で現に準備コピーで高額の請求が起きているからです。
こういうことも含めて、仕組みの青写真を描いて、そして導入の是非を決するべきだということを私は述べてきました。本日も有望な徴収法の候補は拝見しましたし、期待しますが、青写真が描けたとまでは客観的に見て自分は思いません。ですが、ここで述べたような懸念点を報告書では大変丁寧に拾っていただき、そして実効的で合理的な仕組みの構築が徴収運用の前提だという明記をいただきました。よって、そのことをもって、仮にこの報告書の内容で採択するというのが委員の皆さんの総意であるならば、この内容で民意を問うことに私も異論はありません。
私からは以上です。
【太田主査】貴重な御意見をありがとうございました。
ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。
失礼しました。菅委員、お願いいたします。
【菅委員】すみません。先ほど挙手が見えなかったようなので、話が戻ってしまうのですが、レコ協さんの先ほどの徴収の方法について意見がございます。素人意見で申し訳ないんですけれども、電子決済で天引きをするみたいなものがありましたけれども、あれは私は反対します。
なぜかというと、クレジットでもJCBだけが1ポイントだけ手数料が高かったりする。だからJCBは使わないというすごくシビアな金銭感覚の方もいらっしゃる中で、曲を使って新しくできた法律で天引きしますよと言ったら、反発はすごいと私は思っています。例えばJCBとかVisaとか、ああいうクレジット系の手数料であれば、天引きをされたものが入ってきたとしても、そのシステムを使う手数料であるということで納得ができると思うのですが、クレジットなどの電子決済を使ったら自動的に音楽関係が引かれてしまうというのは、体感的に納得はいきづらいです。
先ほどアンケート方式のポツポツの画面も出ましたけれども、例えば、ではイベントのある月はどうですかとか、出張した場合はどうですかとか、ああいうことをやり出すとすごく大変になってしまうと思います。解決法を私は思いつきません。けれども、音楽のものであるならば、ぎりぎりの、もう収入はこれだけ来るよねと思っている収入から引かれてがっかりするよりは、しっかりと音楽関係という丸めでJASRACさんと手を取って、今までよりちょっとだけ高くなったけれども、隣接権も入ったんだよねという納得の上で徴収していただくのが、私の感覚に合っております。
個人的な感想で、失礼いたしました。ありがとうございます。
【太田主査】ありがとうございます。
もしご回答がおありでしたら…。楠本委員、お願いします。
【楠本委員】すみません。菅先生、ありがとうございました。
相殺という言葉があまりいいふうに聞こえていないのかもしれませんが、自動的に相殺されるという訳ではございません。左側の御自身の意思で支払うという意思があった方のみこちらの右へのステップに進んでいくというところでございます。
それから、この電子決済サービスはあくまでも一例でございまして、当然、いや、コンビニで払いたいとか、クレジットカードを使いたいという方には、そちらで払っていただくことをやめてしまうわけではございません。一応一通り全てが、支払う方、いわゆるレコード演奏・伝達権ができた暁には払うという意思がある方が自らの意思で払うということが大前提でございまして、相殺という言葉がもしかしたら悪い印象だったとすれば、大変申し訳ございませんでした。
以上でございます。
【太田主査】ありがとうございます。
【菅委員】ありがとうございます。おっしゃることはよく分かりました。ただ、一番左のイメージ……(音声トラブル)
【太田主査】菅委員、後半部分がネットの支障で聞こえなかったので、かいつまんで繰り返していただけると助かります。
【菅委員】失礼いたしました。レコ協さんのおっしゃることは十分把握しておりますが、一番左のページの申告というときでも、例えばイベントがどうのとか、出張販売がどうのとか、そういうときの音楽の使い方まで思い出して申告をする、そのように見えてしまったので、そこで右往左往する私たち市井の消費者というものが見えてしまったので、申告をして天引きされて、この場合、相殺と書いてありますが、天引きされてというのはちょっと現実的でない、私の肌感覚には合わないなということでした。失礼いたしました。
【太田主査】ありがとうございます。
では、唐津委員、お願いいたします。
【唐津委員】すみません。本日は別件があって非常に遅れて参加になってしまったんですけれども、申し訳ありません。ただ、議論を途中から聞いていまして、今、徴収方法とか分配方法について協議も始まって、具体的な案が今できつつあるということを理解しております。
これは、前年度の政策小委員会の最後で何か感想をということで皆さん一言ずついただいたときにもお話ししたんですけれども、私としては、日本人の気質として、きっちり準備してから出発しようというのは、それは一つの美徳だとは思っています。今回のレコード演奏権についていえば、公平な徴収、公平な分配ができるのかという懸念があるというのは十分分かりますし、徴収方法も徴収金額もまだ明確に分からないままでレコード演奏権というものに賛成しかねるという態度の方がいらっしゃるというのも十分分かっています。
ただ、一方で、ではどちらが先なのか、まだレコード演奏権を導入するか分からないときに、どれだけコストと調査を重ねてその徴収方法、分配方法というのを考えなくてはいけないのかと考えますと、演奏権が導入されると決まったら、では具体的にそれを詰めていこうという話、そういう方向で話が進むのではないかなという考えもあるのではないかと思います。
それから、制度が走り始めて、だんだん修正していく、よりよいシステムをつくり上げていくという、とにかく走りながら考えるというのも一つの方法ではないかと思います。
といいますのは、報告書の最初のほうにもあったように、今J-POPが来ている。本当に来ているんだと思うんですね。K-POP一色だったところにJ-POP、アニソンというものの人気が今本当に海外で盛り上がっている。ただ、K-POP一色だったところにJ-POP、アニソンというものが入ってきたのと同じように、こういうトレンドはすごい速さで変わっていくものだと思うんです。今それをある意味、海外でレコード演奏権というのを取りっぱぐれている状況があって、では日本にも導入しようと、でもしっかり考えてやろうと言って実現したのが10年後でしたというときに、それで間に合うのか、何か私たちが失うものはないのかということを考えると、どこかで踏ん切りをつけて、取りあえず始めてみましょうというのも必要なんではないかと思っています。
レコード隣接権についての理解が不十分だというのも非常に同意しています。ただ、隣接権についてみんなが十分理解してから始めようといったら、それもいつになるんだろうという不安があります。制度が始まって、何のお金を取られてるの、隣接権って何となったら、みんな耳を傾けるんではないかという考え方もあるかと思います。
なので、見切り発車が怖いとか、いいかげんに始めるなという意見もあると思うんですけれども、別の考え方もあるんではないかなということを私見としてお話ししたいと思って手を挙げました。ありがとうございました。
【太田主査】貴重な御意見ありがとうございます。
生貝委員、お願いいたします。
【生貝委員】ありがとうございました。今回、仮にこの報告書がこのまま通って、そして立法によって権利が付与されたとすると、それの具体的な実現に当たっては、今日議論になったような様々な徴収の方法あるいはその金額といったところを含めたことについての様々な課題を解決するために、最大3年程度の猶予が与えられるものだと認識しているところ、恐らくその3年程度込みで実質的な立法プロセスが続く案件なんだなと理解しているところであります。
そうしたときに、私自身研究として話合いに基づくルール形成というものをいろいろと見ていていつも思うのは、話合いフェーズに入ってしまうと、その業界の関係者しか何が起こっているか分からなくなるというのがしばしばあります。もちろん、それは関係者の努力というところではあるわけでございますけれども、そのプロセスというのは、立法と地続きなわけでございますから、しっかり公衆に対する透明性というものを担保した上で、どのようなものを実現していくのが望ましいのかということを社会と一緒に考えていく必要がある。
今回の報告書の中でも関係者の当事者同士の交渉というところについて、文化庁様は様々に関わるということについて触れていただいておりますけれども、そのプロセスに対する、端的に言えば透明性でございますね。そして、それからこういった審議会というものを通じたモニタリングのような作業もしっかりと定点観測としても行っていく、そういった過程をぜひ重視していただきたいなと感じたところでございます。
私からは以上です。
【太田主査】ありがとうございます。
ほかに御意見等はございますでしょうか。
どうもありがとうございます。今日お受けした様々な貴重な御意見を反映して、素案を完成させたいと考えてございます。報告書については、本日いただいた御意見を踏まえ、次回改めて御議論いただくことになっております。その上で最終的な取りまとめに進むという行程でございます。
差し当たり必要な修正があれば、それを今日の御意見を踏まえて行った上で、事務局において速やかにパブリックコメントを行っていただき、その結果を基に次回の議論を深めていきたいと思います。パブリックコメントに向けた修正については、主査である私に御一任いただくことでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【太田主査】ありがとうございます。
事務局から何か付加的にございますでしょうか。お願いいたします。
【長谷著作権課長】著作権課長の長谷でございます。本日はたくさんの御意見をいただきましてありがとうございました。
特にヒアリングの中では、使用料の水準や委員の皆様方からは徴収の方法について、それから例えば複製の処理も含めた、あるいは楽曲報告も含めた簡便な音楽の利用の在り方についていろいろ御意見をいただきました。
これは仮に法律が通った場合の運用段階に入ってくるところではございますが、例えば使用料につきましては、文化庁長官が最終的には裁定という形で関わっていく立場にございます。それから、指定団体が行う様々な徴収とかの事務につきましては、文化庁長官が指定した当局として関わっていくということになってまいりますので、本日いただいた御意見を、運用の段階になりましたらしっかりとモニタリングしていくということをやってまいりたいと考えております。
以上でございます。
【太田主査】どうもありがとうございます。
それでは、本日の議事は全て終了いたしましたので、特段ほかの御提案、動議等がございませんようでしたら、本日はここまでといたしたいと思います。その他、何かございますでしょうか。
特にないようですので、最後に事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。
【依田著作権課課長補佐】事務局でございます。本日は、誠にありがとうございました。
御審議いただいた報告書素案については、本日の御議論を踏まえまして案をまた用意いたしまして、改めて御議論いただけるよう準備してまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。
また、主査からございましたとおり、並行してパブリックコメントを実施させていただきたく、主査と御相談の上、進めさせていただければと存じます。
また、次回の日程は、改めて事務局にて調整の上、お知らせいたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【太田主査】ありがとうございます。
それでは、以上をもちまして、文化審議会著作権分科会政策小委員会(第4回)、同小委員会法制度に関するワーキングチーム(第2回)合同会議を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――
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