議事録

国語分科会(第35回)議事録

平成19年7月25日(水)
10:30〜12:00
都道府県会館・401号室

〔出席者〕

(委員)
前田分科会長,西原副会長,足立,阿辻,井田,市川,内田,尾?,甲斐,金武,笹原,佐藤,杉戸,武元,出久根,中野,納屋,長谷川,濵田,松岡,山田各委員(計21名)
(文部科学省・文化庁)
青木文化庁長官,尾山文化部長,町田国語課長,氏原主任国語調査官ほか関係官

〔配布資料〕

1 文化審議会国語分科会委員名簿
2 文化審議会国語分科会運営規則(案)
3 文化審議会国語分科会の議事の公開について(案)
4-1 文化審議会国語分科会漢字小委員会委員名簿(案)
4-2 文化審議会国語分科会日本語教育小委員会委員名簿(案)
5 文部科学大臣諮問(平成17年3月30日)
6 国語分科会漢字小委員会における今期の審議について(平成19年2月2日)
7 日本語教育の現状と課題
8 今期文化審議会国語分科会における審議スケジュール(案)

〔参考資料〕

  1. 文化審議会関係法令
  2. 文化審議会運営規則
  3. 文化審議会の議事の公開について
  4. 漢字出現頻度数調査(「凸版(3)調査」,「新聞調査」)
  5. 日本語教育関連データ集

〔経過概要〕

  1. 事務局から,出席者の紹介があった。
  2. 文化審議会令に基づき,委員の互選によって,前田委員が国語分科会長に選出された。また,前田会長により,西原委員が副会長に指名された。
  3. 前田会長からの提案で,故河合隼雄元文化庁長官に黙とうとうをささげた。
  4. 事務局から,配布資料の確認があった。
  5. 事務局から,配布資料2「文化審議会国語分科会運営規則(案)」及び3「文化審議会国語分科会の議事の公開について(案)」の説明があり,了承された。
  6. 第7期国語分科会の発足に当たり,青木文化庁長官からあいさつが行われた。
  7. 事務局から,配布資料5〜8についての説明が行われた。その後,簡単な意見交換を行った。
  8. 上記の5で了承された「文化審議会国語分科会運営規則」に基づき,漢字小委員会と日本語教育小委員会を設置することが承認された。その後,前田分科会長からそれぞれの小委員会に分属する委員の指名が行われた。
  9. 次回の国語分科会は,各委員の日程を調整した上で,事務局から改めて連絡することとされた。国語分科会の終了後,14:00から,漢字小委員会と日本語教育小委員会が都道府県会館内で同時に開かれることが確認された。
  10. 意見交換における各委員の意見は,次のとおりである。
○内田委員
  ただ今の配布資料7「日本語教育の現状と課題」の検討課題の2番目として「定住外国人のための日本語教育特有の問題の明確化」という項目がございます。私どもの大学でも,日本語教育の教育者を養成するコースがあるのですが,そこで,やはり現在問題になっているのは定住外国人の二世,子供たちの教育です。家庭では母語で会話をしていて,学校に行っても日本語が十分に入らない。それで,仲間との関係とか学習に入っていけないというような問題がある。定住外国人のための日本語教育特有の問題を明確化することと同時に,その二世の子供たちの日本語能力の育成についても,お考えいただけないかというふうに思いました。
○足立委員
  ただ今聞いております中で,情報機器の発達ということで,「読む」とか,「書く」とかという,これは日常的に出てきているわけでございますけれども,日本語の教育の中で,「しゃべる」という教育はどういうふうに考えていくのか。今後,情報機器が発達して,IT技術の発展で,多分しゃべる,こういう機械がこれから出てくるんではなかろうかというふうに思うんです。そういうときの「しゃべる」ということに対する日本語の教育というもの,日本語というものをどういうふうに今後考えていったらいいのかということも,今後検討していく重要な課題ではないかと思っています。「読む」,「書く」だけでなくて,是非そういう面でも検討していただけると有り難いというふうに思います。
○市川委員
  私は,漢字の方は専門ではないんですけれども,拝見していて,学問的なアプローチというのは大事だと思うんですが,日本の漢字の一つの特徴として,美術という観点もあるということを忘れないようにしていただきたいと思うんです。漢字一字一字も大事なんですけれども,やっぱり書道,書写みたいな美術鑑賞にも漢字というものがあるという見地を,何かここでは忘れられているような気がするので,是非その辺りをもう一考願うことは大事ではないかと思っております。
○山田委員
  私は日本語教育の専門なので,漢字のことについていろいろ申し上げることができないと思います。ここで一つだけなんですが,今おっしゃるような定住外国人の問題で,その人たちにとっての漢字,特に非漢字圏からおいでになっている方たちの漢字の問題というのは大きくあると思います。恐らく漢字そのもののことについて御審議されると思うんですけれども,例えば,漢字に公共的な場でルビを振るなど,そういう漢字の運用の方法というようなことも,現代の社会を反映して是非考えていただきたいというふうに思います。
それから,漢字に入るかどうか,パソコンでもよく打ち出す文字・記号のうちの一部なんですけれども,この配布資料を見せてもらうと,「?,?,?」などというような記号が一杯出てくるんです。けれども,通信を使うとこういうのが化けてしまったりする。そういうのについては扱うのかどうか分かりませんけれども,ふだん気になっております。
○納屋委員
  私は高等学校の現場にいるんですけれども,国語施策がしっかりしないと,国民の方がふらふらするというところがあって,子供たちにも影響が非常に出るというふうに感じています。また,日本語教育のことについても,新しい問題だと思って,私も勉強させてもらっているんです。
それから日本人の感覚の問題ですが,今年「昭和の日」ができましたね。「みどりの日」がなくなったということから,日本人の歳時感覚という問題で,私は非常に問題があると思っています。その点から,常用漢字のことについても,今後いつ,きちんと見直すかということで,時期を30年ではなくて,10年という辺りのところを,考えてみるなど,検討の課題になっているということも今日分かりましたが,定着ということからすると,文化の問題ですから,そうした時期についても難しさを持っているんだと思って勉強させてもらったというところなんです。そういうことですから,私も教育の方の立場からも,またいろいろな考えで臨ませていただきたいと思いました。
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