文化財の防火防犯の徹底について (平成12年5月10日 庁保伝第145号)

 去る5月9日,京都府寂光院本堂の火災により重要文化財木造地蔵菩薩立像が焼損し,また,同日,和歌山県歓喜寺所有の重要文化財木造阿弥陀如来坐像が盗難に遭うという事故が相次いで発生しました。前者については放火の疑いがあるとのことであり,このような事態が相次ぐこととすれば,文化財の防火防犯の観点から誠に憂慮すべきことであります。
 文化財は,先人が永年にわたって大切に譲り伝えてきたかけがえのない国民全体の財産であり,その適切な管理への努力が格段求められるものであります。このことから,文化財については,常々,その所有者,管理者,関係地方公共団体,国が協力してその保護に努力を傾注してきているところでありますが,事故によって滅失毀損等をこうむれば再び文化財を回復することは不可能であり,これまでの努力も水泡に帰することとなります。
 貴教育委員会においては,かねて文化財の防火防犯に御努力いただいているところですが,別紙に御留意の上,地元警察,消防との密接な連絡をとるなどの適切な措置が講じられますよう一層の御配慮くださるとともに,文化財の防火防犯について,文化財の所有者,管理者への指導を徹底していただくなど事故の根絶を期するよう重ねてお願いいたします。

(別紙)

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