文化財の防火防犯対策の徹底について
(平成21年3月25日 20庁財第8005号)

 今月15日未明,横浜市戸塚区にある重要文化財旧住友家俣野別邸が火災により焼失しました。また,それに先立ち今月12日には,奈良県天理市にある石上神宮で火災が発生し,国宝石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿の一部が焼損しました。幸い石上神宮では,早期発見,初期消火活動が奏功し,被害の拡大を防ぐことができております。
 しかし,平成20年5月には大阪府吹田市にある吉志部神社本殿が焼失し,重要文化財の指定が解除されています。
 文化財は,火災等によりいったん滅失毀損すれば,再び回復することが不可能なかけがえのない国民全体の財産であり,その保存上,適切な管理を図るため,格段の努力が求められているものであります。
 また,重要文化財等に指定されていない歴史的な建造物についても,火災の被害にさらされるとともに,美術工芸品についても盗難被害が発生するなど,これまで以上に防火防犯対策の徹底が求められています。
 貴教育委員会におかれては,これまでも文化財の防火防犯対策について各種施策の実施に御尽力いただいているところですが,「文化財保存施設(収蔵庫)及び文化財(美術工芸品)の公開時の防犯対策の強化について」(平成17年11月28日付け17庁財第272号(別紙1))及び「文化財の防火防犯の徹底について」(平成20年6月2日付け20庁財第69号(別紙2))の通知の内容等を踏まえ,特に下記の事項に御留意の上,文化財の防火防犯に関し所有者,管理者への御指導をお願いします。
 なお,消防庁予防課長から別添のとおり通知がなされているところであり,消防部局とも連携を図りながら,防火防犯対策の一層の推進を図られますようお願いします。

  1. 日頃から,地元警察,消防など関係機関との連携を密にし,必要に応じて地域住民等の協力を得るなど,防火,防犯体制の強化に努めること。
  2. 文化財の所有者,管理者に対し,文化財の周辺に木材等の可燃物類を置かないように管理を徹底すること。
  3. 建造物の周辺状況や管理体制等に応じ,防火,防犯設備の設置の推進に努めること。
  4. 文化財保存施設及び展示施設のセンサー,警報装置などの防犯機器が施設の管理状況に適合したものであるかを確認し,防犯対策の強化に努めること。
  5. 火災発生時の初期対応(通報,初期消火等)を確実に実施できるように,防災設備の再点検や初期対応の体制を確認するとともに,防災訓練の実施を徹底すること。

(別紙1)

(別紙2)

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