文化財保存施設(収蔵庫)及び文化財(美術工芸品)の公開時防犯対策の強化について (平成17年11月28日 17庁財第272号)

 平成17年9月2日に,島根県出雲市の鰐淵寺において,文化財保存施設(収蔵庫)が荒らされ,重要文化財4点を含む十数点の貴重な文化財が盗まれていることが発見されました。
 調査結果によれば,窃盗犯が収蔵庫の鉄製扉の施錠を破壊して侵入した際,収蔵庫内に設置していた警報装置は作動せず,また,参拝者からの通報によって事件が発覚するなど,施設・設備面の欠陥や管理体制の在り方に改善すべき点が見られます。
 さらに,11月9日には,京都府相楽郡加茂町の岩船寺において,重要文化財である厨子入木造普賢菩薩像の一部が盗まれていることが発見されました。当該文化財は常時公開されており,拝観時に盗まれた蓋然性があるものと考えられます。
 文化財は,我が国の歴史や文化を正しく理解するためになくてはならないものであると同時に,未来の文化の向上発展の基礎となるべき国民の共有の財産です。これらの文化財が盗難により所在が不明となってしまったことは極めて遺憾なことであります。
 貴教育委員会におかれましては,文化財(美術工芸品)の保存・管理について,平素から文化財所有者や管理者に対して御指導をいただいているところでありますが,これらの事件が再び起こらないよう,改めて,下記及び従来の通知の指摘事項について,文化財所有者等への周知徹底・注意喚起をしていただき,次世代に伝える貴重な文化財の適切な保存・管理に万全を期するよう御協力をお願いいたします。

  1. 文化財保存施設(収蔵庫)のセンサー,警報装置などの防犯機器が施設の管理状況に適合したものであるかを確認し,問題がある場合には改善すること。
  2. 文化財保存施設(収蔵庫)の防犯機器が正常に作動するかを,毎月,定期的に点検・確認すること。
  3. 十分な防犯体制が確保できず,文化財が盗み取られる虞があると認められる場合は,該当する文化財を博物館等に寄託するなど適切な管理に努めること。
  4. 文化財を展示等により公開する場合は,文化財のき損及び盗難の虞がないよう,管理体制を見直し,安全な公開ができるよう配慮すること。
  5. 所有者,地方公共団体,所轄警察署等と防犯対策のための連携協力体制を構築すること。

(別紙)

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