登録100回の軌跡

令和3年7月、第100回目の登録有形文化財(建造物)の答申がありました。平成8年11月に第1回目の答申が行われて118件の登録文化財が生まれ、それから四半世紀、13,000件を超えて増え続けています。

第15回目の登録までに、47都道府県全てに登録文化財が誕生し、いまでは全国で登録文化財を活用し、歴史と文化を活かした取り組みが行われています。

一方で、登録後に抹消になったものが、全体の約5.5%あります。これは指定文化財(国・都道府県・市区町村)となった喜ばしい抹消(約3%)と、災害や維持管理困難に陥ることで滅失や解体になった残念な抹消があります(約2.5%)。しかし、約97.5%の歴史的建造物の保存と活用に、登録文化財制度が一助になっているのです。

●登録有形文化財(建造物)年表/各回登録件数・累計登録件数・累計抹消件数のグラフ

今回ここで示した地図は、市町村別に登録有形文化財(建造物)の件数を塗り分けたものです*。中には100件以上を登録する市町村もあり、登録文化財の四半世紀かけた広がりを見ることができます。

*注 市町村及び東京23区の登録100回までの件数

それでも、登録有形文化財(建造物)を有するのは全市町村の56%にとどまっています。まだ盛り上がりが物足りない地方も見て取れます。ひょっとしたら登録有形文化財のことを知らない地域もあるかもしれません。歴史と文化を身近で語り継ぐ建物が、皆さんの住まいの近くに少なくとも一つはある。そんな地図になることが望まれます。

●登録有形文化財(建造物)の市町村別地図

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