目次
- Q1.外国人が権利者であっても裁定を受けることはできますか。また、日本の著作物を海外で利用する場合に裁定を受けることはできますか。
- Q2.裁定の申請を行うまでに、どのような作業を行う必要がありますか。
- Q3.申請中利用制度のメリットを教えてください。申請中利用制度を利用した場合、早く利用できると聞きましたが、裁定を申請してから、著作物等の利用までにどのくらいの期間がかかりますか。
- Q4.販売を予定しているCDに収録する数曲の楽曲について、権利者が不明です。申請は1曲ごとに行う必要がありますか。また、手数料は1曲ごとに支払う必要がありますか。
- Q5.裁定申請に当たり、利用する数量や年数を定める必要がありますか。
- Q6.電子書籍のインターネット配信を考えているのですが、当初1年間の配信を予定しています。更に、1年間配信期間を延長する場合には、再度裁定を受ける必要がありますか。
- Q7.書籍の販売を考えていますが、売行きによっては、インターネットでも配信することにしたいと考えています。後からインターネット配信をする場合は、再度裁定を受ける必要がありますか。
- Q8.放送番組の二次利用では、放送事業者が権利処理を行った後に、実際の利用者(有線放送事業者、配信事業者等)へ「番組販売」を行うこと(いわゆる「元栓処理」)が一般的ですが、このような場合に放送事業者が実際の利用者に代わって、裁定の申請を行うことができますか。
- Q9.裁定により著作物を利用する場合、一部を切り抜いたり、修正したりして利用することはできますか。
- Q10.裁定に係る費用はどれくらいですか?
Q1.外国人が権利者であっても裁定を受けることはできますか。また、日本の著作物を海外で利用する場合に裁定を受けることはできますか。
A1.外国人の著作物等であっても、著作物等の利用が日本国内で行われるのであれば、権利者が日本人である場合と同様の手続きを行う必要があり、その際に、法令に定める措置をとったにもかかわらず権利者と連絡することができない場合には、裁定を受けることも可能です。
ただし、権利者が海外在住のため連絡がとりにくいこと、権利者との交渉に手間がかかること等といった事情は、「権利者と連絡を取ることができない場合」 とは認められない点に御留意ください。
また、権利者の捜索に当たっては、海外の情報をより得られやすい検索サイト(例:Google.com)を利用するなど、権利者の捜索に資する方法を選択するようにしてください。
一方、日本の著作物を海外で利用する場合には、現地の法律に従って権利処理をしてください。日本の裁定制度では日本国内で行われる行為についてのみ裁定をすることが可能です。
Q2.裁定の申請を行うまでに、どのような作業を行う必要がありますか。
A2.裁定の申請を行うまでに行うべき作業は2点あります。
- ①利用したい著作物等が公表著作物等に該当することの確認
- ②権利者情報(権利者の氏名、住所や電話番号等)を取得するための措置の実施
- ③(権利者の連絡先が見つかった場合には)権利者情報に基づく、権利者と連絡するための措置の実施
- ④利用廃絶事実が明らかでないことの確認
を行った上で、文化庁に申請することになります。
この作業は、申請書の作成において、重要な作業ですので、裁定の申請を行うことを決めた段階でまず「裁定の手引き」の該当箇所をお読みいただいた上で、文化庁担当者に事前相談されることをお勧めいたします。(裁定の手引き(1.9MB)11ページ以降を参照)
Q3.申請中利用制度のメリットを教えてください。申請中利用制度を利用した場合、早く利用できると聞きましたが、裁定を申請してから、著作物等の利用までにどのくらいの期間がかかりますか。
A3.
(i)申請中利用制度のメリット
担保金の支払を行った時点から著作物等を利用することができるため、裁定結果を待たずに著作物等の利用を開始できるというメリットがあります。そのため、現在、ほぼ全ての申請で申請中利用制度が利用されています。
ただし、申請中利用制度は、あくまで裁定を受けることを前提として、暫定的に利用を認める制度のため、権利者と連絡することができた場合は、その時点で著作物等の利用を中止する必要があります。また、担保金と補償金との差額の調整が必要となる場合があります。
(ii)申請中利用制度を利用した場合の利用までの期間
申請中利用制度では、仮申請から担保金の通知までに目安として3週間の期間を要します。担保金の通知後、直ちに担保金を支払った場合には、仮申請から目安として3週間で利用を開始することができます。
もっとも、申請書や添付書類に不備がある場合や修正の必要がある場合等、諸般の事情により上記期間よりも処理期間を要する場合がありますので、期間に余裕をもってスケジュールを作成することをお勧めします。
(iii)申請中利用制度を利用しない場合の利用までの期間
申請中利用制度を利用しない場合には、文化庁長官の裁定を受けて、定められた補償金額を支払った時点から著作物等の利用を開始することができます。
申請者が仮申請書等を文化庁に提出してから裁定の可否の決定を受けるまでの標準処理期間は、約2か月を想定しています。
もっとも、上記標準処理期間はあくまでも目安であり、申請書や添付書類に不備がある場合や修正の必要がある場合等、諸般の事情により処理期間が2か月以上かかる場合がありますので、期間に余裕をもってスケジュールを作成することをお勧めします。
Q4.販売を予定しているCDに収録する数曲の楽曲について、権利者が不明です。申請は1曲ごとに行う必要がありますか。また、手数料は1曲ごとに支払う必要がありますか。
A4.質問のケースのように、販売予定の CD に関して複数の権利者が不明な場合、まとめて1件として申請することが可能であり、1件分の手数料を支払うことになります。また、CD販売とインターネット配信等のように、複数の利用方法について、まとめて1件として申請することも可能です。
Q5.裁定申請に当たり、利用する数量や年数を定める必要がありますか。
A5.補償金の額を算出するために必要となりますので、利用する数量、利用期間等について、申請者が希望する具体的な内容を記載していただく必要があります。
ただし、申請できる数量や期間について、特段の上限はありません。
なお、書籍の復刊や電子書籍のインターネット配信において、販売数の見込みが十分に立たない場合は、当初の印刷数や配信期間を少なく設定しておき、売行き等に応じて、後から増刷や配信期間の延長を行うというように、利用の数量や期間を区切り、複数回に分けて利用を行う旨の申請を行うことも可能です。この場合、利用の数量や期間ごとに補償金を追加で支払って利用することができます。
Q6.電子書籍のインターネット配信を考えているのですが、当初3年間の配信を予定しています。更に、3年間配信期間を延長する場合には、再度裁定を受ける必要がありますか。
A6.当初から配信期間の延長の可能性がある場合は、延長分も含めて申請を行い、裁定を受けることも可能です。この場合、裁定を受けた範囲で利用するならば、再度裁定申請を行う必要はありません。
一方、裁定を申請する際に当初1年間の配信のみについて裁定を受けた場合、配信期間を延長するためには、再度裁定申請を行う必要があります。
Q7.書籍の販売を考えていますが、売行きによっては、インターネットでも配信することにしたいと考えています。後からインターネット配信をする場合は、再度裁定を受ける必要がありますか。
A7.書籍での販売のみについて裁定を受けた場合であれば、インターネット配信をする際には、再度裁定申請を行う必要があります。
なお、当初からインターネット配信を行う可能性がある場合は、インターネット配信分も含めて申請を行い、裁定を受けることも可能です。具体的には、利用方法に書籍の販売とインターネット配信とを併記して申請し、裁定を受けた上で、まず書籍の販売に係る補償金の支払を行って書籍の販売を開始し、インターネット配信を行うことが決まった時点でインターネット配信に係る補償金を追加で支払い、インターネット配信を開始するという方法をとることもできます。この場合には、インターネット配信を行う際に再度裁定申請を行う必要はありません。
Q8.放送番組の二次利用では、放送事業者が権利処理を行った後に、実際の利用者(有線放送事業者、配信事業者等)へ「番組販売」を行うこと(いわゆる「元栓処理」)が一般的ですが、このような場合に放送事業者が実際の利用者に代わって、裁定の申請を行うことができますか。
A8.放送番組の二次利用については、原作、脚本、実演等について、番組供給を行う者が権利処理を行った上で番組を供給するという、いわゆる「元栓処理」が慣行となっており、実際の利用者が申請を行うことは事実上困難であると想定されます。
このような場合は、放送事業者が実際の利用者の利用も含めた裁定の申請を行うことも可能です。
Q9.裁定により著作物を利用する場合、一部を切り抜いたり、修正したりして利用することはできますか。
A9.著作物の一部を切り抜いたり、修正したりして利用することは、著作者人格権(同一性保持権)等を侵害するおそれがあります。
著作物や実演については、著作者人格権や実演家人格権が存在します。裁定を受けたとしても、著作者人格権等を侵害する行為が認められるわけではないので御注意ください。
Q10. 裁定に係る費用はどれくらいですか?
A10.裁定を受けるためには、以下の3種類の費用がかかります。
| 費用の種類 | 金額 | 支払等の方法 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 6,900円(申請1件あたり) | 相当金額の収入印紙を申請書に貼付 |
| 広告掲載料 | 7,500円+消費税(※) ※CRICのウェブサイト掲載料 |
広告掲載元へ支払 |
| 補償金(担保金) | 著作物・利用方法によって異なります | 文化庁からの通知に基づき、指定補償金管理機関(CRIC)に支払 |
・申請手数料
原則として手数料(1申請当たり6,900円)の納入が必要です。手数料の納入は申請書に収入印紙を貼付する方法で行っていただきます。
・広告掲載料
申請者は、以下の2種類の方法のいずれかを選択し、権利者情報の提供を求める必要があります。掲載手続きについて詳しくは各広告掲載先にお問い合わせください。
- 1.時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙へ掲載すること。掲載料は、掲載先の新聞や広告の大きさによって異なります。
- 2.公益社団法人著作権情報センター(CRIC)のウェブサイトに7日以上の期間継続して掲載すること。掲載料は、1件7,500円+消費税です。
・補償金(担保金)
申請者は、文化庁長官の裁定を受け、通常の使用料額に相当する補償金(申請中利用の場合は担保金)を支払うことにより、適法に利用することができます。補償金(補償金)の額は、著作物等の種類や利用方法によって異なります。補償金の額の算定の基礎となるべき事項として、手引きを参照し確認した上で、申請者で計算し得られた補償金の算出額及び計算方法を記載し、その根拠とともに申請ください。
なお、「裁定補償金額シミュレーションシステム」を使うことで、補償金額の目安を算出することができます(算定が難しい場合は、問い合わせ先が表示されます)。詳細は、こちらを御覧ください。
PDF形式を御覧いただくためには、Adobe Readerが必要となります。
お持ちでない方は、こちらからダウンロードしてください。









