開会あいさつ

司会(野山) ただいまより平成16年度文化庁日本語教育大会を開催いたします。
 私は,進行役を務めます,文化庁国語課の日本語教育調査官をしております野山と申します。よろしくお願いいたします。(拍手)
 まず,開会に当たりまして,文化庁次長,加茂川幸夫よりごあいさつ申し上げます。

加茂川 文化庁次長の加茂川でございますが,まずもって,大変お暑い中,またお忙しい中,お集まりいただいた皆様方に心からお礼を申し上げたいと思います。
 日本式で,必ずこういう行事の際には主催者のあいさつというのがあるもんでございまして,本来ですと,今日の日程スケジュールにもございますように,皆さんの関心のある講演ですとかシンポジウムですとか行政説明ですとか,すぐ本題に入るべきなんですが,一応,主催者のあいさつが予定されておりますので,多少御勘弁をお願いしたい,我慢をお願いしたいと思います。
 私ども,この日本語教育大会につきましては,文化庁が施策担当しております日本語教育の普及の中でも一つの大きな柱の施策として位置づけておるところでございます。と申しますのは,御存じのように,近年,日本語の国際化が急速に進展しておるわけでございまして,まず,海外で日本語を学習している外国人の方が大変増えてきているという事実がございます。私ども,日本語は日本の文化の基盤と考えておりまして,海外で学習する方が増えるということは,日本の文化・伝統を正しく理解していただく,これに大きく資することだと,大変いいことだと思っておりますし,我が国の文化・芸術のいわば裾野を広げて,これを海外に普及し発展することに大変役立つと考えて,日本語教育に力を入れておるわけでございます。
 また,国内では,これも御存じのように,我が国に在留する外国人の方々の数が大変増えてきておりまして,それも多様な国からでございますので,多様な文化的背景を持った外国人の方々が日本社会のさまざまな場で生活をする。そのための日本語も,その必要度が増しておるわけでございます。
 こういった外国人の方々がそれぞれの地域社会の中で安定した生活を営む,もしくはその各地域のコミュニティの一員としてその地域の方々と一緒に健全な地域社会を形成していくためには,やはり日本語がとても大事になってくる。コミュニケーションの手段としての日本語の習得というものは欠くべからざるものだと考えておるわけでございます。その日本語の習得がこれらの外国人の方々にとってこれまで以上に重要なものだと考えておりますし,それを支援する私どもの行政の重要度もこれまでになく増してきているんだと思っておるわけでございます。
 このように,外国人の方々の日本語習得,私たちから見ますと日本語教育の普及が喫緊の課題となっておるわけでございまして,今日お集まりの皆様方はもちろんのこと,地方公共団体,学校関係者,各種の日本語ボランティアの方々が一体となって連携・協力をする中で大変熱心な取り組みがなされておることを私どもよく承知をしておりまして,その点でも皆様方にもお礼を申し上げなければならないわけでございます。
 この後,行政説明が担当からあろうかと思いますが,文化庁におきましても,こういった日本語教育の重要性のことを十分認識して,各種の事業を振興してきております。例えば,地域日本語教育推進事業を委嘱しておりますこと,また日本語ボランティア等に対する研修事業,それから親と子の日本語教室の開設事業,こういったもろもろの事業でございますが,日本語教育の充実に努力をしておるわけでございます。これからもこういった事業,必ずしも十分ではないかもしれませんし,見直すべき点があろうかと思います。お集まりの皆様方,日本語教育にかかわる多くの方々のご意見,またはご要望を伺いながら,さらに見直すべき点は見直しながら,施策の充実に努めてまいりたい,推進に努めてまいりたいと思っておるものでございます。
 もちろん,地域における外国人の方々に対する日本語教育にはさまざまな問題があるのも,また皆様御存じのとおりでございます。今回の日本語教育大会では,家族を伴って定住する外国人の増加といった事実を踏まえまして,近年,着目されてきました年少者外国人に対する日本語教育のあり方について,皆様と一緒に2日間にわたって考えてみたいと思ったわけでございます。皆様お一人お一人が積極的にこの大会にご参加をいただきまして,実りの多い大会となりますことを心から念じておるわけでございます。
 最後になりましたけれども,この大会の開催に当たりまして,皆様方を初め各般の方々にお世話になりました。講師の皆様方,それから会場の準備,設営等にお力添えをいただきました昭和女子大学の皆様方に対して,改めてこの場をかりてお礼を申し上げたいと思います。また重ねて,皆様方お一人お一人が進んでこの大会で多くのものを得て,それぞれの活躍の場に持って帰られることを心から祈念をいたしまして,言葉足りませんけれども,ごあいさつにかえさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いをいたします。(拍手)

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