『日本の心を世界に伝える』をテーマに「第4回文化庁文化交流使活動報告会」開催
3月2日,秋篠宮殿下の御臨席のもと,本年一月に開館した国立新美術館の講堂において「第4回文化庁文化交流使活動報告会」が開催されました。
「文化庁文化交流使事業」は,芸術家,文化人等,文化に携わる人々を「文化交流使」に指名し,世界の人々の日本文化への理解の深化や,日本と外国の文化人とのネットワークづくりにつながる活動を展開することを目的とした事業です。
今回の活動報告会には,海外での活動を終えた文化交流使や外国人の文化交流使の訪問を受けた東京都立富士高等学校の職員・生徒による報告に加え,講談師の神田山陽氏,演出家のIkuo三橋氏によるデモンストレーションも行われました。また,会場には,華道家の川井春香氏によるいけばなも展示され,会場に彩りが添えられました。
出演者は,源田悦夫氏(九州大学大学院芸術工学研究院教授:韓国,中国),川井春香氏(華道家元池坊東京華道会 華道家:スペイン,フランス,スウェーデン,イタリア),神田山陽氏(講談師:イタリア),Ikuo三橋氏(演出家:フランス,マダガスカル,ブラジルほか),東京都立富士高等学校代表者。パネルディスカッションには,文化交流使4名に加え,宮田まゆみ氏(雅楽・笙演奏家 平成16年度文化交流使)が参加しました。
各々が海外各地での活動の様子や交流の成果,現地で苦労した点,今後の展望などを報告し,富士高校からは,外国人の舞台演出家(オーストラリアの国立演劇学校校長のオーブリー・メロー氏)を同校演劇部に迎え,実践的な演劇指導や演出を受けたときの感想が生き生きと発表されました。また,平成18年度に活動した文化交流使のうち,当日出席できなかった平田オリザ氏(劇作家・演出家:カナダ,米国),本名徹次氏(指揮者:ベトナム)からはビデオによる報告がなされました。パネルディスカッションでは,今後の文化交流使活動に対する意見,要望が述べられたほか,文化交流使活動を今後の活動にどのように生かしていくか等の議論がなされました。
満席となった会場では,傍聴者が文化交流使の活動の様子に熱心に聞き入っていました。