第21期文化審議会著作権分科会国際小委員会(第1回)

日時:
令和3年8月18日(水)
15:00~17:00
場所:
オンライン開催
(AP虎ノ門 C室)

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (1)主査の選任等について
    2. (2)第21期国際小委員会における検討の方針について
    3. (3)我が国のコンテンツの海外展開における著作権に関する課題及びその対応について
    4. (4)その他
  3. 閉会

配布資料一覧

第21期文化審議会著作権分科会 国際小委員会(第1回)

令和3年8月18日

  • ○今期の文化審議会著作権分科会国際小委員会委員を事務局より紹介した。
  • ○本小委員会の主査の選任が行われ,鈴木委員が主査に決定した。
  • ○主査代理について,鈴木主査より茶園委員が主査代理に指名された。
  • ○会議の公開について運営規則等の確認が行われた。

※以上については,「文化審議会著作権分科会の議事の公開について」(令和元年七月五日文化審議会著作権分科会決定)1.(1)の規定に基づき,議事の内容を非公開とする。

(配信開始)

【事務局】生配信の準備が整いましたので、鈴木主査、よろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございます。
 傍聴される方々におかれましては、会議の様子を録音、録画することは御遠慮ください。また、音声とカメラをオフにしてください。
 では、改めて御紹介させていただきますが、先ほど、本小委員会の主査の選出が行われ、私、鈴木が主査を務めることになり、主査代理として茶園委員を指名いたしましたので、御報告いたします。
 本日は今期最初の国際小委員会となりますので、三谷大臣政務官から、一言御挨拶いただきたいと思います。

【三谷大臣政務官】ただいま御紹介いただきました文部科学大臣政務官の三谷英弘です。
 本年度、第1回国際小委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 著作権制度は、クリエーターによる創作活動やコンテンツビジネスの発展の要となるものです。クリエーターの利益の享受が新たな創作につながるよう、創作活動の好循環を実現することが重要です。
 今期の国際小委員会では、我が国のコンテンツの海外展開を初めて議題に取り上げます。個人的な経験を申し上げれば、前職が弁護士でございまして、その頃から、日本のコンテンツの海外展開について、様々な形で携わってまいりました。特に、私も1年間、アメリカサンフランシスコのVIZ Mediaという会社に籍を置かせていただいたことも経験としてございまして、2006年当時だったんですけれども、日本のいわゆる少年ジャンプをローカライズして、その当時、紙とオンラインと両方ありましたけれども、それを販売するというようなことをやっておりました。当時は「Naruto」、「Bleach」、「Death Note」これが3大コンテンツだと、ポケモン、そういったものも現地で非常に人気を博しておりましたけれども、当然ながら、ただ単に簡単に売れるというものではなく、様々な困難に直面していたということも、経験、記憶として残っております。ネット配信をすればよいというものではなくて、一方で、私自身も、アニメコンベンションという現地のファンのコミュニティーのイベントがあるんですけれども、そのスタッフもやっておりました。そういった地上戦というか、地域でどのようにそのコンテンツを盛り上げるかということが、それも同時に、やっぱり日本のアニメコンテンツの海外展開とか、アニメに限らずですけれども、そういったものの展開に必要なこととか、そういった経験も積んでまいりました。是非とも今回は海外展開に当たって、著作権ビジネスに関する課題ですとか、その対応について、御審議いただきたいと思います。
 一方で、当時から直面しておりましたけれども、正規品を流通させ、クリエーターが適切な対価を得る観点からも、海賊版対策というのは極めて重要です。中でもインターネット上の著作権侵害は、昨今、引き続き、極めて大きな問題となっておりまして、私は、本年3月、ベトナムの副大臣とオンラインで直接対話をするなど、この問題に積極的に取り組んでまいりましたが、まだまだ課題も多いと認識しております。国境を越えた海賊行為についても、御審議いただきたいと考えています。
 委員の皆様方におかれましては、それぞれの御専門のお立場から、積極的な御議論を頂きますように、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 以上です。

【鈴木主査】三谷大臣政務官、どうもありがとうございました。
 初回ですので、議事の(2)に入る前に、委員の皆様から自己紹介いただきたいと思います。1人当たり1分程度でお願いいたします。資料1の名簿の順でお願いいたします。
 それではまず、生貝直人委員、お願いいたします。

【生貝委員】一橋大学でデジタル技術に関わる法律や政策を研究している生貝と申します。私、政策をいろいろ勉強している中で、大体いろいろな分野に共通して、4つくらいの政策手段というのがあるんだろうと考えていまして、1つはハードロー、2つはソフトロー、3つはお金、4つは知識や情報といったときに、特に海外展開といったようなことを考えていく上では、分野を問わずかと思うんですけれども、特に、知識や情報の共有という4つ目の部分をどう進めていくかということがすごく重要かと感じております。わけてもこのデジタル分野、非常に1年、2年で、世界各国の制度あるいはビジネスモデル、そういうものが変わっていく中で、中小企業も含めたビジネスの方々が、そういう情報、知識にどうアクセスできる状況をつくっていくか、そういうことが一つ考えられるといいのかと感じています。大体、1分です。ありがとうございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 伊東敦委員、お願いいたします。

【伊東委員】伊東です。よろしくお願いします。肩書が2つございまして、1つが一般社団法人ABJという団体で、今、海賊版対策に従事しております。もう一つは、出版社の集英社というところで10年程度、海賊版対策に従事しておりまして、この前、判決が出て、懲役刑、実刑が出ました漫画村の裁判であるとか、漢化組の摘発であるとか、中国での海賊版サイトの摘発であるとか、現在問題になっているベトナム系の海賊版サイトの対策に関していろいろ従事しておりまして、漫画の海賊版に関しては、ほとんどの場面で実際に現場にいて、かなりいろいろなことを問題点も含め把握している立場で、今回参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 井奈波朋子委員、お願いいたします。

【井奈波委員】 井奈波朋子と申します。私は、平成8年に弁護士登録をして、現在は龍村法律事務所に所属しております。弁護士登録をしてから、平成12年にフランスのナント大学の私法修士課程に留学し、その関係で、日本に戻ってから、文化庁様が主催する著作権制度に関する調査研究において、フランスの著作権制度について御報告する機会を頂くようになりました。平成25年からは、本国際小委員会の委員を務めております。また、26年からは、法制基本問題小委員会、現在の法制度小委員会の委員を務めております。本小委員会の委員として、少しでもお役に立てればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 続いて、今村哲也委員、お願いいたします。

【今村委員】明治大学情報コミュニケーション学部の今村と申します。よろしくお願いいたします。私は、明治大学で著作権法を中心に知的財産法の研究をしております。法律の研究者は外国法との比較研究をすることが多いんですけれども、私の場合はイギリスに在来研究に行ったこともありまして、イギリス法との比較をすることが多く、イギリスでは結構、2010年代に入って様々な著作権法制度の変革がありましたので、その辺のことを日本に紹介したりいたしました。この小委員会との関係では放送条約に関するワーキングチームなどにも関わらせていただいておりました。
 知的財産権法について研究を始めたきっかけとして、私自身は、海賊版や模倣品対策に関して、文部科学省や経済産業省の関係で、どうやったら対策ができるかということを、2003年ぐらいから、いろいろ調査研究に携わりました。実際にタイなんかに行って警察車両に乗って模倣品の取締りの現場に行って、銃撃戦に遭うかもしれないから気をつけてとか言われたこともありました。他にも、外国の税関を訪問したり、いろいろありました。でも、今のデジタルネットワーク化が進んだ状況では、そういったことよりも、さらなる新しい対策が求められているようでございます。国際著作権法制度の誕生というのは、多分、海賊版対策が出発点だったと思うので、極めて本質的な問題をこの国際小委で取り扱っていると思います。その辺について、私の今まで研究してきたことがお役に立てばと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 続きまして、奥邨弘司委員、お願いいたします。

【奥邨委員】慶應義塾大学の奥邨です。どうぞよろしくお願いいたします。私の専門は著作権法、特にその中でデジタルネットワーク関係、それから、米国著作権法を中心に研究しております。
 また、もともと、20年ぐらい前、企業の法務部門で著作権を担当していたこともありまして、企業の中の法務の在り方というのも研究対象にしておりまして、今回、ビジネス関係のこともいろいろと出てくるようですので、その辺も含めて、いろいろと勉強させていただき、また、議論に参加していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 続いて、唐津真美委員、お願いいたします。

【唐津委員】弁護士の唐津真美です。よろしくお願いいたします。弁護士に登録してから26年目ですが、登録当初から、エンターテインメント関係の契約や、そのほかコンテンツ関連の契約実務に携わる機会を多く頂いておりました。また、アメリカに留学し、イギリスの法律事務所で研修した後に外資系の事務所で数年間執務した経験がありますので、現在では、取り扱っている契約の半分以上がコンテンツ関係の海外との契約になっているかと思います。
 この間、海外のコンテンツを日本に持ってくる場合と、逆に日本のコンテンツを海外展開する場合の双方の契約のお手伝いをさせていただきました。海外展開に関しては、日本国内の権利処理がうまくできていなくて苦労したり、あるいはアニメの続編をつくる段階で依頼を受けたら、実は1作目を海外ライセンスした際にほとんどの権利を相手に持っていかれていたことが判明したり、といったいろいろ苦い経験もしてまいりました。今回、このような場に参加する機会を頂きましたので、コンテンツをより良い形で海外展開するためのお手伝いができれば非常にうれしく思います。よろしくお願いいたします。

【鈴木委員】よろしくお願いいたします。
 続きまして、後藤健郎委員、お願いいたします。

【後藤(健)委員】CODAの代表をやっています後藤と申します。1985年から海賊版対策に従事させていただいておりまして、今日懸念するのはオンライン上の海賊版問題だと思っています。我々はこの中で、限られた予算、限られた人材で、効率的、効果的な実効性を持った対策を講じなければいけないと思っています。
 その中で、やはり強化すべき点ということになると国際執行力、教育の強化、そして検討すべき点として、サイトブロッキングが挙げられると思っています。国際執行については、4月から経済産業省とエシカルハッカーと連携しまして、国際執行プロジェクトというのをやっています。この中で2つありまして、1つは、やはり海賊版サイトの運営者、これは非常に高度なサイバー技術を要していまして、多国間のサービスを多層式に運用しているということで明らかなプロ集団でありまして、そう簡単に追及することはできないということです。それともう一つ、国際執行手続ということで、先般、ファスト映画、グーグルに情報開示手続をしまして、運営者を特定し、宮城県警と連携して刑事に結びつけたという成果を上げました。当時、55アカウントあったんですけれども、幸い今、8アカウントに減っています。検挙がなければ、500、5,000と、どんどん増えたと思っています。
 それと教育ですけれども、ファスト映画で感じたことは、Z世代が中心なんですね。そうすると、彼らは情報過多で、小さいときからそう思っていますから、いわゆる、かいつまんで結末を見るというのが浸透しつつあったということで非常に危惧されます。やはり、時代に合った教育というアップデートをしなければいけないなと思っています。
 それと、ごめんなさい、長くなりましたが、サイトブロッキングも、やはり権利者の負担ということを考えますと、今日、伊東さんもいらっしゃいますけれども、非常にお金と時間がかかります。ということになるとサイトブロッキングというのも検討した方がいいのかなと思っています。
 すいません、以上でございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 続いて、後藤秀樹委員、お願いいたします。

【後藤(秀)委員】よろしくお願いいたします。私、ソニー・ミュージックの海外事業推進を担当しています後藤でございます。約25年ぐらい、日本のアニメを海外に紹介する仕事を続けてまいりまして、うち17年ほど、米国にて直接ユーザーと向き合って、作品の展開を行ってまいりました。
 現在は、ソニー・ミュージックの中で、アニメ以外の音楽であったり、様々な日本の良質なコンテンツをどう世界に広げていくかという問題意識を持って従事しております。よろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 続いて、須子真奈美委員、お願いいたします。

【須子委員】JASRACで国際関係を担当しております須子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今期の委員会では、日本のコンテンツの海外展開にフォーカスした検討がなされるというお話でございます。持続性のあるコンテンツ流通は、舞台が日本であっても、海外であったとしても、言うまでもなく、利用の円滑化と権利保護、そして適切な対価還元へのバランシングは欠かせないものだと認識しております。委員の皆様の御意見、知見を伺って勉強させていただきながら、私自身、少しでもこの小委員会のお役に立てればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】よろしくお願いいたします。
 続いて、茶園成樹委員、お願いします。

【茶園委員】私、大阪大学で知的財産法を教えております茶園成樹と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は、他の小委員会には加わっていたのですが、この国際小委員会には初めて参加させていただきます。私はずっと大学におりまして、実務には一度も関わったことがありません。そのため、どれぐらいお役に立てるかどうかというのは心もとないのですけれども、僅かでも国際小委員会の議論に貢献したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 続いて、墳﨑隆之委員、お願いいたします。

【墳﨑委員】弁護士の墳﨑と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私、肩書が弁護士と書かれていますけれども、先ほどの後藤委員と同じように、今、CODAの事務局長もやらせていただいております。私自身は、2004年に弁護士になった後に、2009年に経済産業省の模倣品対策室というところに行って、模倣品と、更に海賊版に関しての相談窓口のようなことをやらせていただいておりました。また、2015年から先ほど申し上げたCODAの事務局長になって、海賊版対策をメインにやり、かつ、CODAは名前のとおり流通促進も含まれていますので、そういったところの支援も多少なりともやらせていただいております。国際小委員会には2016年から参加させていただいております。弁護士の業務は、今のCODAの関係もありまして、海賊版対策というものが多くなっておりますが、海外への進出、支援等のこともやらせていただいております。今回、新しい取組ということで海外進出について議論するということもありますし、海賊版対策も、やはり執行といったところがちょっとネックになっていて、ネットの対策というのはかなり難しい局面になっているのかなと思っていて、やはり、サイトブロッキングみたいなことが必要になってくるのではないかなと考えているところではあります。そういったところも踏まえて、皆さんの御知見も御教授いただきながら、私としても、できる限り議論に参加して、お力になりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】よろしくお願いいたします。
 続いて、塚本進委員、お願いいたします。

【塚本委員】塚本です。よろしくお願いします。私、株式会社メディアドゥという会社におりますが、TO Bビジネスのデジタル配信の会社なので、御存じない方も多いと思います。この後プレゼンがありますので、会社紹介を含めてやらせていただきます。
 実は私は30年間、海外ビジネスをやってきました。前はKADOKAWAで22年間海外事業を担当しておりました。その前はトーハンにおりました。トーハンは国内の出版流通会社ですけれども、そこで海外版権エージェントというビジネスを立ち上げまして、その後、台湾トーハンに駐在し、香港トーハンを設立しました。30年間のうち15年は、アジアで駐在しておりました。その中で、エージェントの立場、それからライセンサー、ライセンシーと3つの立場で仕事をしてきております。そういった経験が何かお役に立てばなと思って参加させていただいております。よろしくお願いします。

【鈴木主査】よろしくお願いいたします。
 続いて、森下美香委員、お願いいたします。

【森下委員】皆さん、初めまして。映像産業振興機構VIPOの森下と申します。今回、この委員に参加させていただくのは初めてとなりますので、いろいろ御教示のほう、よろしくお願いいたします。私自身の経験は、約25年、海外に日本のコンテンツを届ける役目を果たしてまいりました。事業者さんが出られるところの手助けをするというマッチングメーカーのような役目をずっと果たしてきたと考えております。先ほど政務官から地上戦というお話がありましたけれども、どちらかというと地上戦をずっと海外で実施してまいりまして、数えてみると、これまで海外において30以上のイベントであるとか、見本市であるとか、そういったところで実際に企画を実施したり、ただ出展するとか、そこでセミナーを実施するという形で、日本のコンテンツが海外に届くような企画を立てて実施してまいりました。これからどのような形でお役に立てるか、未知数でありますが、お世話になります。よろしくお願いいたします。

【鈴木主査】よろしくお願いいたします。
 続いて、渡邉恵理子委員、お願いいたします。

【渡邉委員】電気通信大学情報理工学研究科の渡邉恵理子と申します。私は画像や映像、三次元映像に関するイメージングや情報処理を専門としている理系の研究者です。2007年頃にインターネット上の動画識別システムを構築して以来、インターネット上の海賊版検索システムの開発や海賊版の動向調査を電通大のベンチャーと一緒に、長年、実施してまいりました。御存じの方が多いと思いますけれども、最近、極めて深刻な海賊版の状況で、この状況の打破に向けて、海賊版の検索や調査をシステムとして少しでも効率ができるかとか、調査定量分析、エビデンスとして何が必要かなど、技術屋としての観点から、何かしらお役に立てればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】よろしくお願いいたします。
 最後に、私からも一言、自己紹介させていただきます。名古屋大学で知的財産法を専攻する教員を務めております鈴木でございます。この国際小委員会には、何年になるか分かりませんけれども、かなり長いこと、参加させていただいております。私は、国内法だけでなくて、知的財産に関わる国際法あるいは国際的なフレームワークにも強い関心を抱いております。また、産業政策的な観点から法制度を構築することについても、非常に関心を持っております。何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事の(2)に入りたいと思います。
 まず、事務局から簡単に説明をお願いいたします。

【加茂下海賊版対策専門官】それでは、資料2をお開きください。第21期国際小委員会における検討の方針案でございます。
 1.本小委員会で扱う審議事項でございますが、7月の著作権分科会を踏まえまして、次の(1)から(3)の3点を挙げております。
 (1)我が国のコンテンツの海外展開における著作権に関する課題及びその対応についてです。こちらは今回、この小委員会で初めて取り上げる事項でございまして、検討項目例としましては3つ挙げてございます。各コンテンツ分野における海外展開の戦略や経験の共有、日本の強みを生かした著作権ビジネスの展開方策、海外展開するに当たっての著作権上の課題、そういったことになります。
 (2)国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方についてです。こちらはこれまでも議論してきたことでございますけれども、(1)の海外展開を進めるに当たっては、正当な対価を得るというのは不可欠なことです。実効性の高い海賊版対策について審議を行います。
 (3)著作権保護に向けた国際的な対応の在り方についてです。WIPO等の国際的な議論における我が国の対応の在り方について審議を行うものです。なお、本年度の放送条約ワーキングチームにつきましては、昨年度の取りまとめにおいて、WIPOでの議論の進展に応じて、我が国の対応の在り方の検討を進めていくとされております。現状、WIPOでの議論は新型コロナウイルス感染拡大によりまして議論の見通しが不透明になっているため、放送条約ワーキングチームを直ちに設置するという状況ではありませんが、WIPOの議論の進捗を見ながら、引き続き、検討する予定でございます。
 2ページ目へお進みください。2.検討の進め方です。
 四角囲みで抜粋しております知的財産推進計画2021、こちらでも海外展開のことが取り上げられていますので、まず、議題3つあるうち1つ目の海外展開の審議を優先して、年内に一定の結論が得られるように進めまして、続いて、2つ目の海賊版、3つ目の国際的な対応の在り方について審議を行いたいと考えております。
 3.委員からの発表等についてです。
 海外展開、また、海賊版に関しましては、幅広く検討を進めるために、委員による発表、また、必要に応じて、有識者からのヒアリングを行いたいと考えております。
 海外展開の議題については、意見聴取の観点として、そちらに幾つか挙げさせていただきました。海外展開に関しての現状について、成功例、失敗例、また、海外でのパートナー企業、機関の見つけ方について、海外展開の戦略について、また、課題について、例えば、法的な課題とか契約面、ローカライズに関する課題、翻訳等、技術面での課題といったこと、3ページ目に進んでいただきまして、それぞれの事業を行う中で、「海外展開・市場開拓」、「人材育成」が最も進んでいる業界、課題があると感じる業界、最後に出口戦略としまして、著作権の観点から今後必要と考える方策について、こういった観点について、御意見を頂きたいと考えております。
 海賊版に関する対応の在り方については、年明けの審議を予定しておりますので、検討中とさせてください。
 最後、4.スケジュールイメージです。
 本日、第1回ですが、早速3名の委員の方々から、海外展開に関する御発表を頂きたいと考えております。9月から11月にかけまして、この小委員会を複数回開催し、議論を深めまして、年内に中間まとめ、年明けに2つ目の海賊行為に対する対応の在り方について、3つ目の国際的な対応の在り方について審議を進めまして、年度末に審議経過報告を取りまとめたいと考えております。
 資料2の説明は以上でございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 今、事務局から御説明がありました資料2、第21期国際小委員会における検討の方針について(案)について、御意見はございますでしょうか。
 特に、2ページ3.委員からの発表等について、御意見がございましたらお願いします。もちろん、ほかの部分についても、御意見がございましたらよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 では、この方針に沿って、本小委員会での審議を進めることにさせていただきます。
 続いて、議事(3)に移りたいと思います。我が国のコンテンツの海外展開における著作権に関する課題及びその対応についてということで、本日は、3名の国内関係者から、コンテンツの海外展開の現状や海外展開に当たっての著作権法上の課題など、現場の御事情を伺い、その後に御議論いただきたいと考えております。
 まず初めに、株式会社メディアドゥの塚本委員、続いて、株式会社ソニー・ミュージックエンターテインメントコーポレートの後藤秀樹委員、最後に、特定非営利活動法人映像産業振興機構VIPOの森下委員に御発表いただきます。時間の関係上、御発表時間は、それぞれ20分ずつでお願いいたします。また、御発表ごとに5分程度の質疑応答の時間を設けます。最後に全体を通しての意見交換の時間も設けますので、よろしくお願いいたします。
 それでは初めに、塚本委員に御発表いただきます。事務局の準備が整いましたら、お願いいたします。

【塚本委員】塚本です。よろしくお願いします。私、メディアドゥという会社で、多分、知らない方も多いかと思いますが、売上げ1,000億ぐらいの規模の会社です。海外事業はまだそれほどの経験がない会社です。私が委員に選ばれた経緯について、実は吉田課長と関さんがわざわざ会社にお見えになり、御説明を頂きました。現在の仕事だけではなく今までの経験も含めてお話しくださいということでしたので、お受けいたしました。少しでも役に立てば幸いと思っております。
 私個人の紹介をさせてください。海外事業を30年ほどやってきております。トーハンで版権仲介ビジネスを立ち上げました。その頃、日本ユニは宮田昇さんが社長をやっていらっしゃいまして、宮田さんからいろいろ御教授いただきまして、ゼロから立ち上げて、今では多分、版権輸出の3位から4位ぐらいのポジションになっていると思います。
 その後、台湾に駐在しまして、香港にトーハンの支社をつくるところまでやって日本に戻りまして。そのときKADOKAWAからアジアで「Walker」を出したいという話がありまして、私、40を過ぎていましたが、転職してKADOKAWAに行きました。
 KADOKAWAにとっては台湾が初めての海外法人です。そこで「Taipei Walker」を創刊しました。翌年は台湾アニメイトをつくりました。それから、台湾BOOKWALKERを、最近のことですけれども、設立しました。台湾ではこういう形で、出版社、アニメショップ、それから配信会社、ストアという形でビジネスを展開してまいりました。
 その後、香港へ行きまして、同じように雑誌「Hong Kong Walker」を創刊するために、出版社を設立しました。更に映画会社のインターコンチネンタルを買収した。そこでCOをやりまして、ディズニーの配給権、それから、FOXをはじめ、大手のパッケージの権利を取得してビジネスをする会社でした。シネコンも売上げ第3位のポジションにいました。ここの経験は結構楽しくというか、ハリウッドのビジネスモデルを習得することができた。面白い経験でした。
 それから、香港に駐在しながら、中国ビジネスを開発しました。広州天聞角川を湖南出版グループという国営の出版社と合弁でつくりました。ここは後々、テンセントが資本を入れて3社の合弁になりました。当時中国は海賊版がすごくて、ちょうどKADOKAWAはラノベが強かったんですが、同じラノベのタイトルが3社、4社からも出て本屋さんに並んでいました。また、値段が物すごく安いということで、中国の出版は海賊版対策から始まりました。KADOKAWAのラノベの隣には集英社、講談社、小学館のコミックや画集がたくさん並んでいました。海賊版はやっぱりオールジャパンで対峙しないと難しいなということで、この後、2015年にジャパンマンガアライアンスという会社を小、集、講、KADOKAWAの大手4社とアニメイトでつくることになります。
 昨年、メディアドゥに入社しまして、1年余り、ここで仕事をやっております。メディアドゥではFirebrandという北米の会社の買収に関わりました。それから、トーハンというリアルな本の流通の会社と資本提携をして、今、ここの筆頭株主にメディアドゥがなっております。という経歴の中でのお話が皆さんのお役に立てばなと思っております。
 メディアドゥという会社の紹介です。先ほど申し上げましたように、電子書籍の流通を担当しております。昨年の市場規模は3,750億円ですが、今年は、4,200~4,300億円までいく勢いでかなり伸びております。その中での35%のシェアを持つ会社です。
 この会社のグループ全体を説明します。左下にflierというのがございますが、これはビジネス書を中心とした会員向けのコンテンツ要約サービスで、SaaSモデルの会社です。それから、MYAnimeListは、英語圏のアニメのファン向けサイトですね。これを2年前にDeNAさんから譲り受けまして、うちの方で経営しています。それから隣にMD-i、メディアドゥインターナショナルといいますが、ここが唯一の海外拠点、アメリカにあります。ここがうちの海外ビジネスの中心になってます。その隣にFirebrand、さっき言いました今年の1月に買収した会社で、アメリカで35年仕事をやっている、書誌データからコンテンツのデータベースまで出版社のバックヤードを担っている会社です。ランダムハウスから、アシェットまで、ほとんど全ての出版社と取引を持っています。
 この会社がネットギャリーというデジタルサービス、この後御紹介しますが、を提供しております。ここを買収したのが結構大きいかなと思っています。それから、下の方はインプリント事業ということで、出版社を買収してコンテンツ方面に少し手を出していますというのが、このメディアドゥグループの全体像になります。
 メディアドゥグループの海外事業ですが、実は売上げ30億程度のまだ始まったばかりの事業です。図で簡単に示していますが、真ん中にメディアドゥという会社がありまして、右下にMD-iという、さっき言いましたアメリカの現地会社、この2つで回しております。この後、一つ一つ御紹介します。一番大きいのが中小出版社の北米向け配信ということです。何で大手は入っていないのというのは、真ん中辺の行で説明してあります。大手4社ですね。小・集・講・KADOKAWAとよく業界で言うんですけど、この4社については、現地に拠点を設立していまして、独自にブランドで経営しているということで、そこに届かない中小の出版社さんに対して、どうやってアメリカマーケットに進出するんですかという課題を解決するビジネスです。翻訳サービスから写植サービスまでフルラインでそろえて、それから一番下にありますが、アマゾンをはじめ、全ての電子ストアに配信できるというということで、デジタル配信までのサービスをしています。
 今やっているのは、赤で示してます、独自ブランドと言っていますが、例えば中堅の出版社さんも大手4社さんに現地法人にタイトルを許諾していますが、その場合自分のところのブランドは出せないんですね。という中では、その先の展開がなかなか出てこないということで、我々は、中小出版社さんが自社ブランドで電子配信して、そのブランドのファンをつくっていく中で、そのタイトル、ヒットが出れば、メディアミックスのパートナーも、映像、音楽を含めて、いろいろな形でパートナー探しをしましょうと、今そこまでをビジネスとして視野に入れております。
 日本の雑誌を海外配信しています。そんなに売上げも利益も大きくないんですが、ニーズがあるものは電子配信しましょうということです。
 次は図書館サービスです。OverDriveという、アメリカで90%以上、公共図書館のシェアを持っている会社と提携しています。このOverDriveとは、ライセンス契約をして日本でビジネスを展開しています。これがメディアドゥの下に書かれているOverDriveJapanという会社になっております。ここで、国内出版社とありますが、日本の国内出版社のコンテンツをメディアドゥ、OverDriveJapanから、アメリカのOverDriveを通じて、海外、特にアメリカですけれども、図書館に日本のコンテンツを配信しているという図式です。
 それから当然アメリカの、OverDriveは膨大な英語のコンテンツを持っていますので、それを日本の図書館に配信するというサービスを行っています。先月ですかね、真ん中にありますが、マレーシアの出版物で児童漫画英語版をアメリカの図書館に配置しています。マレーシアって面白い国で、マレー人が一番多いんですね。あと、中華系。英語教育はかなり進んでいます。隣はシンガポールということで、マレーシアとシンガポールを合わせたマーケットで英語版をつくっていくという考えで、全てのコンテンツをマレーシアの会社は、英語版、マレー版、中国版でつくっています。これは私がKADOKAWAのときに買収したゲンパックという会社ですけど、ここが児童漫画をかなり、数万タイトル持っていますので、その一部から初めて、それをアメリカの図書館に配本するという形で、アジアのコンテンツも取り扱い始めました。 次にNetGalleyという、これはアメリカで、さっき言ったFirebrand傘下のサービスですけれども、SaaSでサブスクのサービスです。よく日本の出版社が新刊を出すときに、紙のゲラを書店の店長さんとか図書館の方とかに送って、いろいろな意見をいただいてプロモーションするというのをやっていますけれども、アメリカは、これをネットで、Galley(ゲラ)という言い方していますけれども、配信しています。これは70万の会員がいまして、書店関係、図書館関係さんだけではなくて、一般レビュアーに対しても、発売前にゲラでデジタル配信していくというサービスで、既にアプリでの展開も始まっています。実は日本にNetGalleyサービスを導入しています。日本の場合は、日本の出版社さんから新刊のデジタルデータをアップして、それを図書館関係、書店関係、一般レビュアーに見てもらってレビューを上げるという中で、その反響を見てビジネスを展開するというビジネス。コロナ禍で海外のブックフェアがリアルで開けないという中で、NetGalleyを利用して、日本のコンテンツをデジタルで展開して、海外の出版社さんにサンプルとして見てもらおうという形で、マッチング支援というのを行いました。
 北米では文芸書の支援を行っています。最近は女流作家さん中心に、割と英語翻訳が増えていますけど、まだまだ少ない状況です。その中で平野啓一郎さんの「A MAN」という、「ある男」ですね、これをAmazon Crossingと組んで仕掛けました。非常に好評だったということで、「マチネの終わりに」も出版しています。今、陸続と企画が進んでいます。これを仕掛けているのが当社海外拠点メディアドゥインターナショナルの塩濵というCEOです。W3C出版業界での議長もやっていまして、現地のコネクションも結構あります。彼が割とプロデュース的に動いて、プロモーション、マーケティングしながら、売上げもかなりいい形まで持ってきているという方法です。
 この写真はPen America Festivalで鼎談をしたときのものです。ジュリエット・カーペンターさんは有名な方で、同志社の教授をされていますね。日本の翻訳本もたくさん出されています。この鼎談も非常に好評のうちに終わりまして、プロモーション効果も絶大でした。今後も、こういった形で文芸書の北米での展開をメディアドゥインターとしても進めたいと思っていますが、いずれにしても日本の活字物ですね、漫画はかなり盛んなんですけれども、かなり難しいということで、やはり日本語を読める編集者が少ないことが大きな障害となっています。そこで下訳ですね、シノプシス的なものも含めて、ここは日本の出版社が独自にやると結構なコストがかかるという中で、こんな形の支援も文化庁からいただければなと。
 それから、左が必要な先行投資で、右側がそれを支援としていただきたい項目となっています。イベントについては、先ほどのフェスティバルもそうですが、現地、特に向こうはサイン会とか、現地開催が非常に重要です。そういう形の支援があればなと思います。
 それから、下訳やシノプシス翻訳も一点一点ではなく割と長期的な支援、例えばファンドのような支援であれば非常にいいなと思っております。
 次に国境を越えたコンテンツ製作ということですが、いわゆる縦スクロール漫画です。北米のTapasという会社の縦スクロールを輸入しまして、ローカライズ、日本語にしまして、それをいわゆる出版物の版面にレイアウトし直してデジタル配信、紙でも出版という形をやっております。紙はKADOKAWAに版権を許諾するという形で、アメリカでつくったものを日本で展開しています。
 それから、縦スクロールは韓国が本場なんですけれども、今やっているのは韓国のヒット作を飛ばしているスタジオと組んで、そのノウハウを日本の出版社につなごうという形で、うちが間に入って仲介するビジネスを展開しています。
 そろそろまとめということで、ずっとやってきた経験の中で、オールジャパンから、今後は国際連合になるのかなという考えで最後にまとめました。さっき言いましたジャパンマンガアライアンスという、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館という大手出版4社で、この会社ができたときは画期的だと言われました。この4社って、作家の取り合い、編集者の引き抜きで、決して仲よくないんですが、初めて会社つくったねということで盛り上がったんですが、アジアで海賊版がすごいということで、それはやっぱり正規版が出ていないからということで、とにかく4社で正規版を早く出していく。それから、現地のいろいろな形のファンサービスあるいはイベント、それから、現地の会社とのコミュニケーションも含めて活発にやる、つまり海賊版対策の一番は、やっぱり正規版早く出すことだ、現地のファンを尊重することだ、という形で始まりました。
 既に6年たちますが、今、海賊版の主戦場は、ほとんど海賊版サイトに移っています。この取組はまだ継続しているんですけれども、ものをつくるという中では、国境を越えた形での製作、発信に移っていくのではないかなという形で提言させていただきました。
 やはり、日本のクリエーター、それから海外のクリエーターが一緒にやることで、何か新しいものが生まれる。やっぱりキーワードはグローバルとデジタルということで、そういう意味でも、国境を越えた施策を重要視し、デジタルを使ったマーケティングとビジネスモデルを展開していく。この場合に、プロデュース力という言い方をしていますが、マーケティング、著作権、ネットワーク、語学力という能力を兼ね備えた、1人で全部というのはほとんど無理だと思うので、チームでそういった能力を持ち、プロデュースしていけば、日本がイニシアチブを取れるのではないか考えます。更に
 以上で私のプレゼンとさせてください。ありがとうございました。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ただいまの塚本委員の御発表について、御質問等ございますでしょうか。
 墳﨑委員、お願いいたします。

【墳﨑委員】非常に参考になるお話、ありがとうございました。
 いろいろあって面白いなと思ったんですけど、NetGalleyの話でマッチングの支援というところですけれども、これは日本の雑誌等をそこで登録したら海外の出版社が見るという仕組みですが、基本的な北米なんでしょうか。アジアとか、そういったところは見ないのかなというところと、そこでマッチングした後は、お互いに勝手やってねという感じなのでしょうか。

【塚本委員】お答えします。これは日本語の本ということで、今、日本でサービスしているNetGalleyのコンテンツ、大体200タイトルぐらいあるんですけれども、これを日本語のまま読めるということなので、実は日本語のまま読める編集者って、ほとんどアジアなんですね。ですので、今やっているのは台湾、香港、韓国、中国という形で、トライアルとしては、一度、台北ブックフェアでやっています。入ってくるマッチングの出版社は、台湾は7割ぐらいでしたけれども、あと、韓国、それから、中国の出版社という形になっています。このマッチングサービスは始めたばかりなので、今のところ、ここから著作権仲介まで行くというところまでは始まっていません。とにかくトライアルということで1回始めました。

【墳﨑委員】ありがとうございます。ちなみに、見られる出版社というのはフリーなんですかね、それとも、ある程度、選別されているんですかね。要するに、当然、皆さん直面する壁ですけれども、パートナー企業を見つけるのって結構難しくて、そこがネックになっていることが多いかなと思いますが、これを利用する出版社とかを制限するとか、そういうものはあるのでしょうか。お考えなのかどうかでも。

【塚本委員】日本の出版社が版権を海外にセールするときって、基本的には、サンプル本を出すんですね。今は大体デジタルになっていますので、デジタルサンプルを全部、海外の出版社に渡します。なので、もちろん、サンプルは無料です。NetGalleyの場合も同じように無料で電子で見られるようになっていますが、海外の出版社さんから日本の出版社にリクエストが来るわけですね。私はこういう出版社の者で、版権の検討のために読みたいんですというリクエストが来ると、それを日本の出版社の担当がオーケーを出すということで見られる。だから、誰でも彼でもが自由に見られるというわけではありませんので、ビジネス的な関係の中で、リクエストを出して、オッケーを出して見られる。それは通常の版権売買のサンプル本と同じように無料で見られるという仕組みです。

【墳﨑委員】なるほど。ありがとうございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ほかに御質問等ございますでしょうか。
 唐津委員、どうぞ。

【唐津委員】お話をありがとうございました。海外出版社への版権仲介ビジネスや版権マッチングに関しては、今、トライアルの段階ということでしたが最終的に収益化するためには、その先に、ライセンス契約や、出版権の付与契約があると思います。このような契約交渉のところのサポートはされているのでしょうか。あるいは、その点は、各出版社さんがそれぞれで対応している状況なのでしょうか。

【塚本委員】私どもも、版権仲介のビジネスはやっています。ただ、仲介ビジネスの場合、すごく難しいのは、日本の出版社さんとアジアの出版社さんがダイレクトでコネクションができているケースがすごく多いのと、それから、タトルさんとかユニさんとか、既にエージェントが入っているケースがあるので、エージェントをメディアドゥがやるから、このサービスを利用してくださいとやると、多分、普及しないと思うんですね。ですから、今のところ、仲介については、条件としてこっちにください、だからこれを使っていいですという言い方は全くしていなくて、飽くまでも、版権のセールスについては、それぞれ既存のものでやっていただいていいです、もちろん、うちでもできますという立ち位置です。なぜそんな無駄なことをやるのかというと、1つはNetGalleyというサービス、アメリカではほとんどの出版社が利用して、会員も70万人以上いるんですね。日本ではまだ始まったばかりで、1つはNetGalleyというサービスを普及したいというのがあります。実は、お金を支払うクライアントは出版社なんですね。会員は無料で見られますというアメリカのシステムです。書店さんがアメリカの出版社で新刊が出ると、ばっとNetGalleyに並ぶので、興味あるものを読みたいとリクエストして、出版社がオーケーというと、それを読んでレビューに上げる、あるいは仕入れ冊数をそこでオーダーできるというような流れがアメリカの中でも出来上がっているんですね。とにかく日本では、まず、この普及を目指したいという中で、ちょうど、コロナ禍でブックフェアが開かれないという中では、このNetGalleyサービスがすごく有効なのではないかという形でスタートしています。
 以上です。

【鈴木主査】ありがとうございました。

【唐津委員】ありがとうございます。

【鈴木主査】生貝委員、御質問ですか。

【生貝委員】貴重なお話、ありがとうございました。
 1点、もともと専門が図書館ということもあって、Over Driveのお話をすごく興味深くお伺いしまして、関連して2点質問ですけれど、1つは、正にこういった電子図書館というのが海外進出の1つの出口になっていると言いましたときに、この分野ですと、どういったタイプのコンテンツが特にOver Driveさんに日本の出版社さんから出ているものとしては多いのかというのと、北米以外でこうした取組というのは諸外国でマーケットとしても広がってきているのか、その2点について教えていただければ幸いです。

【塚本委員】お答えします。日本のコンテンツ、公共図書館といえども、やっぱりニーズが一番高いのはコミックスです。もちろん、活字物も一生懸命マーケティングしていますが、やっぱり、コミックがメインになっています。
 それから、アメリカ以外ということですが、そもそもOverDriveがアメリカがメインのビジネスの会社ですので、OverDriveから経由して海外とかヨーロッパは流れますけれども、今のところ、量的には非常に少ないです。

【生貝委員】ありがとうございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。まだ御質問があるかもしれませんけれども、時間の関係で取りあえず以上とさせていただきまして、また、後ほど全体を通じての質疑のときに、必要があれば御発言いただければと思います。
 続いて、後藤委員に御発表いただきます。事務局の準備が整いましたら、お願いいたします。

【後藤(秀)委員】本日は、お招きいただきまして、ありがとうございます。ソニー・ミュージックの後藤でございます。また、アニプレックスで海外ビジネスの担当もさせていただいております。
 本日は、どちらかというと、これまで展開してきたビジネスの足元について、少し共有の場を持たせていただければと思っております。釈迦に説法なところも多々あるかと思いますけれども、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
 まず、言わずもがなですけれども、アニメの海外展開の基本といいますか、どういう形で行われているのかというところのおさらいになります。日本のアニメは、多くの場合、製作委員会という複数の会社で組成される委員会をもってプロデュースされ、その中で海外の窓口会社が決まり、海外の取引先へ許諾されるという流れになります。多くの場合は、ここでも書かせていただきましたけれども、B2Bといいまして、一定の地域の権利をそこの地元の会社にライセンス許諾をしてMGを頂くというのが基本になります。番組販売という考え方がメインかなと思うんですけれども、B2Bの場合、96年から北米で人気のなかったアニメがだんだん人気が出てきて、複数の会社が人気作品へ購入の名のりを上げ、値段がどんどん上がっていった。それは非常によかったんですけれども、だんだん価格競争が過当になり、バブルが崩壊し、多くの会社がアニメから撤退、今度は市場が寡占化されアイスエイジになるという歴史が私が経験したところです。
 私が北米にいた当時には、バイヤーとして、高額のMGを経験もし、バブルが崩壊した後に帰国後、日本でセラーの立場になったので、今度は思ったような販売価格がつかないという経験をダブルでしました。その意味で、何を学んだかというと、作品の価値というのは、それ自身すばらしいものなんですけれども、実は、売手と買手のバランス、構造によっても価値が変容するということでした。そして学びは何だったかというと、結局、そこのマーケットの乱高下に左右されず、作品価値を長い期間にわたって提供するために、一言で言うと、「ファンを増やすべき」というB2Cの考え方でした。特に海外では日本のアニメ作品が非常に息の長い扱いを受けるというところで、努力のかいあって作品が認知されれば、非常に長期間にわたって貢献があると私としては考えております。
 もう一つは、B2Cで考えなければいけないことが、アニメというのは番組を見ることだけが楽しみではなくて、パッケージを買ってみたり、商品を買ってみたり、劇場に足を運んでみたり、そこから派生されたゲームを楽しんだりとか、いろいろなタイアップグッズ、今、コンビニに行くと「鬼滅の刃」のいろいろなお菓子とかがあると思うんですけれども、ああいうことによって、作品の魅力とかが多面的に広がっていくというのが日本ではごく当たり前になっています。一方海外では、なかなか全てが実現できないというのが現状だと思っております。
 私は日本のファンと海外のファンで特定の作品を好きな気持ちに差はない、作品愛に変わりはないと思っていまして、アメリカのファンにも一番くじを引かせてあげたいな、コンビニがあればいいのになみたいなことをどうやって1個1個埋めていけるのかということを目指すことが重要ではないかなと思っております。地域が拡大して多様なビジネスが展開できれば、ファンとの接点を増やすことができるし、それが結果として作品価値を増やすことになるのではないかなと思っております。
 それを目指すために、バブルとバブルの崩壊の経験を経て、アメリカのマーケットでAniplex of Americaという自社法人を設立いたしました。直接、アニプレックスのブランドと作品を現地のお客様に知っていただくという作業を自ら飛び込んでスタートしました。現在、アメリカのサンタモニカと中国の上海にAniplexの名を冠した現地法人を設立しております。また、これまで海外法人に対する出資も行ってきておりまして、フランスの配信会社であるWakanim、オーストラリアのアニメのディストリビューターであるMadmanに出資し、こちらは今、ファニメーショングループに統合されて、一層、活躍してもらっております。
 もう一つは、一般的なB2B取引先ですが、外部のライセンシーになります。ただこれも、当然、作品を販売するに当たってはMGというのが非常に一番大きな要素ではあるんですけれども、我々は長いお付き合いの中で、「マーケティングパートナー」として、作品の価値を理解してもらい、そのルール、慣習も守っていただけるような、目線の近いパートナーさんを選定することが非常に大事と思っております。
 「鬼滅の刃」も海外45か国で1,200万人約100億を超えるボックスオフィスをあげることができました、日本で考えても100億と相当なものなんですけれども、実際、各国現地パートナーの協力を得ることができれば、それだけのポテンシャルがあるということがお伝えできればなと思っております。
 アニメの市場も最初からあったわけではなくて、当初は、やっぱり海賊版というものが本当に主流でした。バブルの崩壊もそこから来たと言っても過言ではないと思うんですけれども、一時はビデオやDVDが売れるマーケットだったものが、2006年ぐらいから違法配信サイトが次々と立ち上がり日本の権利者さんからすると、よく見られている、要するに、プロモーション、話題づくりに近いと思っていらっしゃる会社もあって、当時、私非常に残念に思っておりました。
 アニプレックスは、2009年の4月、「鋼の錬金術師」から、日本と同日に世界でも配信をする試みを開始しました。これはテレビ東京さんの「Naruto」に続く2番手だったかなと思います。当時、我々が正規の配信をするということに対しては、海外で見られると日本の放送に影響があるのではないかとか、そういうお話もあったんですけれども、そこを英断して認めていただいた鋼の製作委員会のおかげで、こういう取り組みが積み重ねられてきたんだと思います。今ではアニメがサイマルキャストされるというのも当たり前で、何の疑いもないと思っていらっしゃると思うんですけれども、やっぱり、こういう当時の取組の積み重ねでマーケットがつくられてきて、今日配信プラットフォームから得られる収入というものが非常に大きくなってきたんだろうと思います。ですので、海賊版との闘いと同時に、正規のコンテンツをどうやって流通していくのかということは両輪であるべきだろうなと思っております。
 また、当然、作品を見ていただくと、グッズが欲しくなるというのは、これはどこの国のファンも同じ気持ちなので、できるだけ日本のものをお届けしたいということで、Aniplex of AmericaとAniplex shanghaiでは日本の商品も輸出販売しておりますし、ローカルのパートナー様とのライセンスディールもつくっておるという状況でございます。
 あと、作品を紹介するという意味で、去年もそうだったんですけれども、コロナ禍に海外のアニメのコンベンションに出展参加できないため、去年と今年、連続して、Aniplex Online Festというオンラインイベントを、ユーチューブとBilibiliさんの協力を得て日本と世界のファンのために実行いたしました。
 また、Fateというすばらしいフランチャイズから生まれたFate Grand Orderというモバイルゲームも、アニプレックスの海外展開においては非常に重要になっております。英語版についてはアニプレックスが発売元で、Aniplex of Americaがローカライゼーションとマーケティングのお手伝いをしております。中国に関してはBilibiliへライセンスをしており、韓国版についてはNetmarbleへのライセンスを行っております。
 簡単に御説明させていただきましたけれども、ソニー・ミュージックの代表の村松が0→1→∞ということをよく言っております。ゼロのものを1にして∞にしていくというところで、何もないところからクリエーターとともに感動を創造していくというのが0から1になりまして、1から∞というのは、ファンと感動を共有していくというところだと思います。これがいわゆる業界の役割というか、産業が果たす役割なのかなと思っているのですけれども、昨今、ここの部分のダイレクト・トゥー・コンシューマーの部分が、アメリカの大手であったり、中国の大手であったり、韓国の出版会社であったりとかが非常に大きな役割を果たしているというところに対して意識を持っておく必要があるのではないかなと思っております。当然、我々にとっても顧客ではありますけれども、寡占化が進んだときのディールの公平感であったり、権利者が権利者としての権利が主張できる関係性に関して意識を持っておく必要があると思いますし、以前であれば、レコード会社というのはレコードがプレスできるからレコード会社と付き合わなければいけなかったというものが、今はデスクトップミュージックで自分でつくったものをユーチューブに上げれば、直接、ユーチューブからお金が入ってくる。日本の音楽を日本の人が聞くに当たっても、必ずグーグル、アップルにお金を払うというところが今の構造ではないかなと思っておりまして、ゼロと∞をつなぐ1の部分を今、我々がどう受け止めていくのかというのが、著作権の枠組みと同時に、どういうディストリビューション戦略を持っていくのか自覚的であるべきだろうと考えております。
 また、中国は国情から、直接、自分たちで配信プラットフォームも持てませんし、昨今は中国の国産アニメの振興を推奨するという方針とともに、海外の作品の総量規制があったりとか、検閲を行ったりということで、4月以降、サイマルキャストが実現できないという状況になってきております。また、残念ながら「鬼滅の刃」の劇場版についても、いまだに審査が下りていない、公開できてないという状況でございます。
 そういう意味では、各国の取る文化ポリシーにはハードなポリシーもあるんだと思うんですよね。比較的、日本の場合は、海外の文化や仕組みに関して非常に寛容性が高いといいますか、そこはもう少し緊張感を持ったパワーバランスを意識する部分もございます。
 たとえていうと「歩を取る将棋」というのが、いわゆる日本の取引の特徴なのではないかと思います。製作委員会という仕組みを背負っている以上、どうしても1個1個の作品で回収を取るという目線になりがちです。一方、アメリカを始めとした海外では、やっぱり子供の頃から「モノポリー」をやっていると、いろいろな商談をしても、最後の1人に自分がなるという長期的な目線を持つ訓練をしている気がします。だから、よかった、この作品が売れてといって歩を取っていると、角が通る道が開いて王さん詰まれるみたいな、そういうようなことになってはいけないんだろうと思います。また、日本の国内サイズというのが、今まで本当に絶妙なサイズだったんだろうと思います。そこが半分になると、韓国なんかは最初から世界展開を意識して、それに備えた動きを取っているというところに違いがあるような気がいたします。
 今後どういうふうに考えているかといいますと、Aniplex of AmericaとAniplex Shanghaiをいかしながら、アメリカと中国という大きな市場では、我々がプロデュースする作品とコーポレートブランドを共に引き続き、周知、展開していきたいなと思っておりますし、SonyPicturesとの共同事業でありますcrunchyroll、funimationは、正に客様と直接つながれる配信プラットフォームになりますので、ここに、アニメのみならず、音楽であったり、アニメが好きな方はアニソンも好きだろう、アニメが好きな方は漫画も好きだろう、アニメが好きな方はゲームが好きだろうと、我々は何ができるんだろうかということを、これから考えていければなと思っております。
 以上になります。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ただいまの後藤委員の御発表につきまして、御質問等ございましたらお願いいたします。
 後藤健郎委員、お願いいたします。

【後藤(健)委員】後藤さん、どうも御無沙汰しています。

【後藤(秀)委員】御無沙汰しております。

【後藤(健)委員】海外展開ということで、funimation、アメリカ、wakanim、フランス、Madman、オーストラリアということで、そして今回、8月ですかね、crunchyrollということで、私、大いに期待して、やっと来たなという感じでわくわくしているところなんですが……。

【後藤(秀)委員】ありがとうございます。

【後藤(健)委員】まず、funimationとcrunchyrollのすみ分けをどうするのかということと、これだけ全世界的にネットワークを持ってプラットフォームを抱えるということになると、かなり戦略、戦術があるのではないかなと思うんですけれども、その辺の今後の展望、あと、後藤さんの考え、率直に教えてもらえればと思います。

【後藤(秀)委員】funimationのcrunchyroll買収という件は、実は去年の12月に発表されたんですね。ところが、この8月まで、米国を始めとする関係当局の承認を持っていたという状況でした。これは、funimationとcrunchyrollが一緒になると優越的地位に当たるのではないかと。我々からすると、どこがと思うんですけれども、ニッチビジネスで、かつ、米国の大手配信会社もアニメが大事だとおっしゃっている中にと思っていたんですけれども、最終的には、こちらの考え方が理解され無事承認が下りて、よかったなと思っております。
 正に、その間、本当に両者の話合いというのは行うことができず、今始まったばかりなんですね。なので、どういう姿がファンにとって一番よいのか、クリエーターにとって一番いいのかということをこれから模索していくというのが本当に正直なところでございます。全ての作品というのは、売手の方が選択されますので、ある作品によってはアマゾンがいいとか、ネットフリックスがいいとか、それはコンテンツホルダーが決めることだとは思っているんですけれども、やっぱりアニプレックスがそこに参画していく意味というのは、日本のコンテンツホルダー側がお客様との接点をきちんと中に入って取り組むことだと思っておりますし、各権利元様も、今、後藤さんがおっしゃっていただいたように、非常に期待感を持って受け止めていただいているなと思いますので、アニプレックスのみならず、日本の業界にとって有為な存在になれるよう、意見を言い続けたいと思っています。ここの事業規模が拡大すればするほど、やっぱりアニメのものづくりにフィードバックできるはずですので、そういう体制をつくっていけたらなとは思っているんですけれども、正に今、その議論がやっと始められるようになったというのが正直なところでございます。

【後藤(健)委員】ありがとうございます。非常に期待していますので、頑張っていただければと思います。

【後藤(秀)委員】ありがとうございます。

【後藤(健)委員】また、crunchyrollも含めて、海賊版の知見、経験もかなりお持ちなので、その辺も一緒にやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

【後藤(秀)委員】是非連動させていただければと思いますので、よろしくお願いします。

【後藤(健)委員】ありがとうございました。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ほかの委員から御質問等ございますでしょうか。
 墳﨑委員。

【墳﨑委員】非常にためになるお話、ありがとうございます。
 2点ほど、ちょっと答えられない部分もあるような気もしますが、先ほど、「鬼滅の刃」で45か国にという話があったのと同時に、中国のセンサーシップの話があって、それって結構、出ていく上での障壁になっていると思うのですが、中国以外で、もしそういったところでちょっとハードルになった国があれば御教授いただきたいなという点が1点目で、2点目は、正にファンをつくるって非常に重要なところですが、これまで、いろいろな作品があって、いろいろな御経験をされていると思うんですけれども、正にファンを多数獲得できた作品と、名作なのにそうではなかった作品というので、作品の中身が違うので何とも言えないと思うんですけれども、売り方とか、そういった部分で何か差があったとか、もしそういったものがあれば御教授いただけないかなと思います。

【後藤(秀)委員】最初の御質問なんですけれども、基本的には、今、中国かなと思います。その他の国で、彼らの法律であったりでアニメが制限されるということは余りなく、買ってくれるか買ってくれないかだと思います。
 2つ目の質問、どういう作品がヒットして、どういう作品がヒットしないかなんですけれども、以前、私は「AKIRA」とか「攻殻機動隊」みたいなサイバーパンクのものが売れると思っていたんですけれども、今は、国によって少しの偏差はあるとは思うんですけれども、やっぱりサイマルキャストというものが状況を変えたなと思っていまして、例えば、サイバーパンクなものが好きな方もいれば、日常系が好きな方もいれば、日本で、今であれば異世界ものが非常に人気があったりとか、非常に日本と近い人気作品の状況というのがあると思います。もう一つ加えると、昔、「アメリカは吹き替えでないと」と言われていたんですけど、字幕を見て、日本の声優さんを好きな方も増えてきていますし、日本で紹介されたものがほぼ同時に海外で紹介されることによって、私は、ある特定のジャンルが好きな人が世界中にちょっとずついると思うようにしていまして、ジャンルで国でというよりも、もちろん、ジャンプ系の作品はその母数が大きいですし、例えばBLであっても、BLを好きな方は世界中にいるということだと思っているんですね。なので、全ての作品に可能性があると思っていますし、実際、funimationともいろいろ話をしていると、やっぱり日本で紹介されている作品を幅広く獲得できたときに会員数が伸びているので、ある特定の作品、上位作品だけ買えば会員が増えていくかということではなくて、やっぱり多様な作品を好んでいただけるような環境が醸成されてきたんだなと思っております。

【墳﨑委員】ありがとうございます。なるほど、おっしゃるとおりかなと思っておりまして、正に作品の幅というのは多分いろいろあって、そこはいろいろな考え方もあるんでしょうし、いろいろなものが受け入れられる、受けるんだとは思っているんですけど、例えば、翻訳がすごくいいとより受け入れやすくなるとか、作品の内容というより、周辺的なもので重要なファクターというのは何なのかなという、正にサイマルキャストが一つなのかもしれないんですが。

【後藤(秀)委員】ローカライゼーションは非常に大事なポイントだと思います。何でかというと、ファンの方がよく知っているみたいなところがあるので、エクスペクテーションを下回るようなものを出すと怒られるということだと思うんですね。なので、そういう意味でも、作品を分かっている、あるいはフランチャイズのことがよく分かっているというコンテンツマネジメントはすごく大事だなと思っています。
 例えばアメリカであれば、Aniplex of Americaが、例えばFateというシリーズであれば、全てのFateシリーズをAniplex of Americaで関わるようにしているんですね。何でかというと、同じ名前のキャラクターが横断的に登場したり、そこの世界観の統一であったり、整合性を問われるようになったときに、A作品はこっち、B作品はこっちとやっていると、そこはやっぱり世界観が崩れるような場合があるので、そういう大型フランチャイズに関しては、作品の世界観の統一性に気を配るというのは大事だと思います。

【墳﨑委員】ありがとうございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。御質問がまだあるかもしれませんけれども、時間の都合で、以上とさせていただきます。
 続きまして、森下委員に御発表いただきます。事務局の準備が整いましたら、お願いいたします。

【森下委員】ありがとうございます。お時間が20分ということなので、かなり早口でお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。映像産業振興機構VIPOの森下と申します。
 今日お話をさせていただきたいのは、私、初参加ですので、まず、VIPOの御説明、それからコンテンツ海外展開の現状、著作権上の課題、それから、今後どういう方策が必要でしょうねということと、最後に私なりの考えをまとめさせていただきます。
 私どもVIPOは、漢字がすごく並んで中国語みたいですが、特定非営利活動法人映像産業振興機構という名前で、とても覚えづらいので、Visual Industry Promotion Organizationの略を取りまして、通称VIPOと呼ばせていただいております。2004年に経団連のエンターテイメントコンテンツ産業界の発案で生まれまして、現在、コロナ対策の補助金なども担当させていただいておりますので、今、何と400名以上いるという、かなり大きな団体というか非営利活動法人ですが、限りなく業界団体に近いところでございます。理事長は、アニメーションの手塚プロの社長です。松谷が務めておりまして、税務理事事務局長は、音楽業界出身の市川三衛です。なので、下に「コンテンツの未来へ、つなげる、ひろげる。」とありますが、私どもは全てのコンテンツと呼ばれるジャンルを網羅的に皆さんに御紹介する縁の下の力持ちとして実施しております。
 実際は、人材育成と市場開拓を中心に、幾つか省庁様から頂いた事業、私ども自身でやっているものなどを進めております。今日は特に私ども、映画とアニメと漫画に関する支援がこの委員会にふさわしいのかなと思いまして、そこをピックアップして御紹介させていただきます。全部ピックアップすると、このような形のものが、大体メニューとして、今、実際に進めているものがございます。右の方に行きますと、データベース系とか調査事業もありますし、それから海外支援、国内支援、人材育成など、多岐にわたっております。  コンテンツの海外展開の現状について、お話をさせていただきたいと思います。まず、強みは何でしょうかということです。特に、先ほどの3ジャンルに限ってお話をすると、映画に関しては、残念ながら特になし、今の映画ですね、ちょっと厳しいんですが、個人的には思っております。
 ただ、アニメ、漫画などは、世界観、あと、物語の創造性とか独自性もすばらしいと思いまして、ここはほかの国ではまだ、中国もかなり台頭してきていますけれども、負けていないと思っておりまして、ここはどんどん伸ばしていければなと思っております。  それに反して弱みもあると思いますが、塚本さんもおっしゃっていたように、国際プロデューサー、映画でいうと、そういった方々、世界で闘える企画がないと思っております。ここら辺は、韓国が「パラサイト」でアカデミー賞を取ったところから考えると、おのずと御理解いただけるかなと思います。
 アニメーションに関しては、ソニーさんは本当に、多分、マネタイズがきっちりできておりますが、ソニーさんではない、アニプレックスさんではない、もっと小さい会社がたくさんありまして、その方々、資金調達と回収方法は、本当にアニメーションはもうかっているんでしょうかというところは課題だと思います。
 漫画に関しても、塚本委員からお話がありましたが、海外出版社と、今までのビジネスはずっと進んでいると思いますが、これだけ世界が変容している中で、どれだけ新しい顧客を獲得できているんだろうなというところは、まだまだ開拓の余地があると考えております。  ここら辺の日本の強みと弱みを克服するために、既に私どもで取り組んでいる内容がありますので、実例を挙げて御紹介させていただきます。映画アニメの国際プロデューサー、こういう職業の方がたくさん生まれていけば、おのずとそれに準じて企画も生まれてきますので、そこら辺も実施しておりますというので、次、具体例を御紹介します。  まず、VIPO Film Labというものを立ち上げております。これは映画の国際共同制作、海外展開を目指していく上で必要な知識を包括的に学べるコースを我々で組んでおりまして、今、ラッキーなことにオンラインでできますので、世界のキープレーヤーと言われる方々を講師に招いて、年10回、スタートしております。参加人数、若手のプロデューサーに限らせていただいて、2時間のコースで実施しております。こういった形で進めております。
 ここも先ほど御指摘がありましたが、やみくもに売るということではなく、ピッチというのはすごくスキルが必要ですし、ここの基礎を、アメリカでビジネスをやられた方は、多分、子供の頃から植え付けられているというところを我々は体系的に学ぶ必要があると思っております。ここら辺も少しずつですがスタートしておりまして、オンラインですが、海外から直接意見を頂いたりというようなことでスタートしております。
 それから、完成品ではなくて企画を売り込むということがまだまだチャンスがあると我々は仮定しておりまして、アニメーションであればAAS、それから映画であればAsian Project Market、これは釜山ですね。それからプチョン、韓国ですが、こういったところの企画マーケットに定期的に我々で企画を送り込んでおります。
 更に、これは人材育成のジャンルになるんですが、各国映画祭に付随して、Labというものがあります。ここは、勉強するだけではなくて、そこに参加された、世界から集められた映画関係者の若手の方が30名、40名でチームを組んでやるんですけれども、その中で横のつながりが非常にできるので、最終的にそこに参加された方々が学ぶだけではなくて、その仲間で同じ映画をまたつくっていったり、人的交流の場としても機能しております。これはロッテルダムという世界で一番古い映画祭ですけれども、おととしまではリアルで開催しておりましたので、日本から3名の方を送り込んでおりました。
 右下にその3名の写真がありますが、次に、ここから生まれた成功事例について御紹介させていただければと思います。今、成功に近づきつつあると申し上げますが、アスミックエースの「犬王」という作品、これはまだ日本で公開されておりません。できているんですが、公開は来年の夏になります。まず、先ほどのロッテルダムラボというラボにアスミックエースの女性のプロデューサーが参加しました。分からないなりに、いろいろなネットワークをつなげて、その年に、今度はアニメーションの最高峰のアヌシーがあるんですけど、アヌシー国際アニメーションフェスティバルの併設の見本市にブースを出展して、ここで中国のパートナー企業を見つけて、出資の覚書などを行っております。更に1年たちまして、同じくアヌシー国際アニメーション映画祭のWorking In Progress、これは企画段階のものが、世界からかなり狭き門で選ばれるものですけれども、ここに選出されております。更に今年、やっと完成いたしまして、アニメーション映画祭のプレビュー部門というところに選ばれております。こういった形で、アヌシーなど著名な映画祭で選ばれますと、海外展開でいうと、お墨つきの判こみたいなものですね、多分、その効果もあり、今年、来月ですが、ヴェネチア、皆さん御存じだと思いますが、世界3大映画祭の一つに選ばれておりますし、同じくトロント、ここも非常に有力です、ここにも選ばれているということで、日本で公開前なんですけれども、既に海外でこういった形で展開しております。
 ここは多分、皆さん、ちょっと近くないところかなと思いますが、我々で、このジャンルであれば、こういうところにきちんと当たるだろうということで考えておりまして、日本のIP、非常に魅力的ですので、これは中国の崑崙というゲームの開発会社です。先月、こことのビジネスマッチングを実施しております。日本からは、テレビ東京さん、バンナムさん、角川さんなどが参加されているんですが、IPをゲーム化するための権利を商談する場になりまして、ポイントは、日本側はこういうものを売りたいと言っていても、基本、中国側の企業がこの作品だったらいいよ、この会社だったら会いたいというような、ちょっと残念なんですけれども、向こう側のリクエストに応じるような形で実施しました。今、非常に前向きに商談は進んでおります。
 更にもう一つ、これはアメリカの展開です。我々は日本のIPはまだまだ強いと信じておりますので、今、アメリカの放送局、それから配信で、連続のテレビシリーズ、例えばドラマであればドラマ化、バラエティーであればフォーマット化ということで、先月、ハリウッドで実施しております。各作品の方々を、これを我々が選んだのではなくて募集をかけて、先ほどローカライズのお話がありましたが、アメリカの視点で、アメリカの放送局、それからプラットフォーマーであれば、どういった作品が響くのかという視点で作品を選んでおります。日本の中で、会議室で我々が売りたいというものを出していっても通用しないというのはもう何年もかかって分かっておりますので、一切、現地にお任せするような形で実施したところ、今、非常に前向きに進んでおりまして、かなり大手の引き合いから頂いております。これからここを進めていく予定です。
 それから、海外展開に当たっての著作権上の課題を挙げさせていただきました。私が海外でお話をしていると、こんなことをよく言われます。興味があるコンテンツがあっても、どこにどうやってコンタクトを取ればいいのか分からない、若しくは、一度お会いした人に連絡を取っても、最終的には連絡が途絶えて、たらい回しにされて残念という形があり、かなり機会喪失も多いのではないかなと思っております。
 そこで、情報の見える化をするのが必要だと考えまして、Japan Content Catalog、JACCというものをつくり、オンラインで検索、英語で検索できるようなポータルサイトをつくっております。
 次がその御紹介になります。ジャンルは多岐にわたっておりますが、ここに全部で9ありますけれども、映画であるとかテレビ、アニメ、音楽、ゲーム、脚本、それからロケ地ですね、クリエーター、これは監督とかプロデューサー、それから声優さんも入っています。それから、JapanBookBank、こういった形で、これは3か月前にローンチしたばかりなんですが、例えば「ドラえもん」と検索キーワードを英語で入れますと、映画もヒットし、テレビ、アニメ、音楽、ゲーム、あと、クリエーターでヒットするというような形で、最終的に誰にコンタクトを取ればいいのかというところまで英語で見られるようにつないでおります。ここら辺の部分は、見える化というか、海外にとっての窓口としては少しずつ機能し始めているところで、特に最近ローンチをしたJapanBookBankは、コミックの引き合いがこの3か月で6本成約しておりまして、我々は、ゴールは最終的に翻訳をするだけでなく、その後、映像化になってほしいと思っておりますが、そういった形で少しずつ動き始めております。
 課題2、これはローカライズ、先ほどアメリカの例で申し上げましたが、とにかく現地の視点で考えるということが大前提で必要だと思っております。それから、これも非常に重要なポイントだと思いますが、売り切りという考え方をやめるというか、完成品をそのまま売ってしまって、あとはヒットしようがしまいが、取りあえず、権利のほかのMGだけ頂いたら、あとは問題ないというようなやり方を、これまで、いろいろな事情があって、そういう傾向が多かったと思うんですけれども、やっぱり次に仕掛けていくためには、最終的にどういうふうにヒットしていったか、どのようなターゲットに響いていったのかというマーケティングの実情をきっちり理解して、その後、別の作品を売り込むときの参考になるようなことは、きちっと体系立ててやっていかなければいけないと考えております。
 更に4番、今日、弁護士の先生たくさんいらっしゃっていただいたんですが、私自身も、今日、エンタメロイヤーの先生がいらっしゃるということですが、ELN、エルンという、きちんとしたすごくいい取組がありますので、こういった方々が、私の理想では、海外との商談のときにはエンタメロイヤーの先生が必ず1人についているような形で、大きな会社は法務部がきちんと対応できますけれども、小さな会社で、そこまで費用がという問題もありますので、そういったことが自動的になる仕組みができればなと思っております。
 それで、海外展開を推進するために、今後必要とされる方策ということで私から御提案させていただきたいのが、プロフェッショナルサービス体制をつくってはどうかと思っております。これはどういったことをするのかというと、海外展開をしたいと思った場合に、コンサル的なところで相談ができる窓口があるとか、あとはトレーニングが非常に重要だと申し上げましたが、海外で十分戦えるスキルを身につけるであるとか、あとは業界ごとのプレーヤーを一元化するような、先ほどのデータベースですね、そういったものを拡充していく必要があるのではないかなと思っております。
 先ほどのバンクで、幾つかプロデューサー、監督などありますが、ここら辺を起点としながら、もう少し拡充していければと思っております。ただ、これ、今、日本での体制のお話ですので、海外の拠点としてJETROの海外事務所の機能を活用できないかと考えておりますが、今日御参加の皆様で、もしかしたらJETROを御存じない方もいらっしゃるのかと思い、次、御紹介いたします。
 これは私がウェブから引っ張ってきたものなのですが、JETROというのは経産省系の独立行政法人です。何といっても一番の魅力は70を超える海外事務所があるという、こんなにある組織は、ほかにはないと思います。全体で1,819名の方がここで働いていて、海外だけで705名もいらっしゃいます。私が知り得る限りでは、海外のJETROの方、英語は普通にお話しになられて、更に現地語ができる方、だから、3か国語を操る方もかなり多くいらっしゃるので、こことは何とか組めないのかなとは思っております。
 プロフェッショナルサービスの海外拠点として、もしJETROさんに御協力いただけるのであれば、非常に重要な、現地にいらっしゃるからこそ分かるリアルタイムの市場調査の内容であるとか、日本のA社がぴったりなのは現地のB社だよというような適切な商取引先の御紹介をいただけるとか、あとは中国など、法律というかルールが日々変わっていきますので、そこら辺の情報のアップデートを御提供いただくような体制が取れればなと思っております。ただ、問題は、JETROさんは全てのコンテンツだけではなくて全産業向けの組織ですので、コンテンツが得意な方々がなかなかいらっしゃらないというところは、難しいところかなと考えております。
 ここは多分、皆様プロなので、私自身がこういったものが整備されていけばよりよくなるのではないかな、既に過去に皆さんで検証されていたものもあると思っておりますがということで書かせていただいております。
 最後に、まとめます。プロフェッショナルサービス体制を実現して組織をつくるということがいいのではないかなと思いますが、そのあるべき姿としては、形をつくるだけではなくて中身が非常に大事だと思いますので、最初は小さく、確実に実行できる人たちで進めていくようなことで実績を積んで徐々に大きくしていくのがいいのではないかなと思っております。こういった取組を重ねていくことで、コンテンツの海外展開のエコシステムが充実していき、また、アップデート、一番新しい情報が常に送り込まれるような組織となり、それが高速回転でぐるぐる回していくことで、たくさんの事例を生み出して、コンテンツでお金が稼げるような形になっていければと思っております。
 私の発表は以上でございます。ありがとうございました。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 残り時間が少なくなりましたので、ただいまの森下委員の御発表についての御質問と、それから、その前のお二人の御発表も含めた全体についての御質問あるいは御意見、特に、御発表を踏まえて、この先取り組むべき点についての御意見など、ございましたらお願いしたいんですけれども。
 奥邨委員、お願いします。

【奥邨委員】今日はどうもありがとうございました。時間がないので、全体についてのお話だけをさせていただきます。いろいろと御報告を伺っていて、2つ思ったことを申し上げたいと思います。
 まず、いろいろなことを議論していくわけですけれども、出来上がった成果物の名宛て人をどうするのかというのは意識しておいた方がいいのかなと思いました。先進的に取り組んでおられる企業向けの部分と、そうではなくて、これからインターナショナルなマーケットに出ていく企業向けの部分というのは分けて考えていく必要があるんだろうな、それぞれに求められるものも違うんだろうなと思いました。たまたま私、去年、海賊版のハンドブックの作成の会議に出ておりまして、今日もそのときの座長が御出席ですけれどもそのときは、先進的な企業の取組であったり、ノウハウであったりを、もちろん差し支えない範囲で、これから取り組む企業に対して出していくというような方向性のイメージがあったと思います。今回も、そういう方向性は、これから展開していく企業にとってのアプローチとしては有効なのではないかなと思いました。
 それから2点目は、ちょっと言葉が足りないかもしれないんですが、どうすればビジネスとして成功するか、売れるかという問題と、自分が行いたいビジネスができる準備ができているかという問題は分けて考える必要があるのかなとも思いました。裏返して言うと、売れないという意味の失敗と、売れたけど契約や権利の問題で自分の思うようなビジネスができなかったという意味の失敗と、2つあると思うんですね。その辺は分けて考えていく必要があって、特にビジネスとして成功する失敗するというのは、どれだけ周到に準備しても、コンテンツビジネスだけではなくて、私はメーカーにいましたけれども、やはり、商品が売れるか売れないかというのは最後は水物のところがありますので、ここについてできることは限度があります。それから一方で、売れたんだけれども、準備が足りなくて自分が思うようなビジネス展開ができなかった。権利が取れていなかった、契約が悪かった、という意味の失敗とは、また次元が違うと思うので、ここも分けて、アウトプットに向けて整理して、議論していくといいのかなと思いました。お三方の御報告を伺っていて、注意すべき点なのかなと思いました。
 以上、私の感想です。すいません、失礼します。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 唐津委員、お願いします。

【唐津委員】度々すみません。森下さんに質問したいのですが、まずは、ある意味では大変耳の痛いお話もありがとうございました。
 御発表の中で、エンターテインメントロイヤルネットワークのお話が出ていたかと思いますが、私も実はその末席に連なっております。先ほど森下様から、海外との商談の場には、1人は弁護士が同席しているべきというお話がありましたが、交渉の相手方の方では、法務部員が通常は弁護士資格を持っているので、私も全くそのとおりだと思っております。そこで、森下様から見て、そのような交渉の場に、どのような能力や資質を持った弁護士にいてもらいたいか、弁護士に要求するものをできれば率直にお伺いしてみたいと思うのですが。

【森下委員】御質問ありがとうございます。これからビジネスをされる方にとって、法律の壁みたいな、多分、何も分からないで始められる方もまだまだたくさんいらっしゃいますので、よちよち歩きの部分で、先方からすごく不利な条件を言われたときに、気づいてアドバイスをしていただけるような立場として、どちらかというと、法律の専門家というよりはコンサル的な意味合いで、二人三脚で行っていただけるような形が取れると進んでいけるのかなと思いました。
 以上でございます。

【唐津委員】ありがとうございます。

【鈴木主査】ありがとうございます。
 ほかに。
 井奈波委員、どうぞ。

【井奈波委員】 本日は御発表ありがとうございました。契約ノウハウの確立ができていないという御指摘は、弁護士にとっても非常に耳が痛いところで、確かに、海外展開については発展途上ではないかと思います。個人的な意見ですが、契約書例というのを文化庁様でもホームページに用意されているということでもありますので、海外展開のビジネスに当たっても、契約締結に当たっての注意点などを研究する会があってもいいのではないか、また、そういう会でいろいろなところに分散しているノウハウを集めて、オープンにする取り組みがあってもいいのではないかと思いました。
 以上です。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 終了時刻になりましたけれども、是非とも御発言をしたいという方がいらっしゃったら、あとお一人ぐらい。
 よろしいですか。
 それでは、以上とさせていただきます。

【加茂下海賊版対策専門官】主査、すみません、こちらから発言させていただけますでしょうか。

【鈴木主査】どうぞ。

【三谷大臣政務官】今日は貴重なお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。非常に地に足のついたお話だったと思っております。冒頭でも、地上戦が非常に大事だと申し上げました。その趣旨は、私の認識が間違っていれば、別の機会でも訂正をしていただければと思うんですけれども、日本におけるアニメとか漫画とか、そういったマスの地位にはないと思っておりまして、飽くまでもそれぞれの国において、熱烈なファンとかギークとか、いわゆるオタクと言われている方々に支えていただいているコンテンツであり、もちろん範囲を広げる努力はしていかなければいけないわけですけれども、現状、ただ単に空中戦をやって、広告をすれば売れるというような話ではなく、しっかりと地域のファンダムにどうやって支えられるか、そこに入り込んでいくことってものすごく大事だと思っていて、そこへの努力とか、そういった活動をやられてきたからこそ、今の支持というものがあるんだろうと思っております。そういった意味で、今までの活動に改めて敬意を表するとともに、これからもそういった、世界、そうは言っても地域のファンダムって、それぞれの国ではマスではないけれども、それが世界に広がっているわけですから、結果として、ものすごい量になるわけですよね。だからこそ、そういったところへどうやって食い込んでいくかも含めて、これからも様々な知見を共有していただければと。今日は海賊版対策ではない話をしていただいたので、そのお話を聞いて、私の感想でございます。これからもよろしくお願いします。

【鈴木主査】三谷大臣政務官、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局におかれましては、本日頂きました御発表及び御意見を踏まえまして、我が国のコンテンツの海外展開における著作権に関する課題及びその対応について、今後の審議のたたき台を御検討いただければと思います。
 その他、全体を通して何かございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 では、ほかに特段ございませんでしたら、本日は以上といたしたいと思います。
 最後に、事務局から連絡事項がありましたら、お願いいたします。

【奥田国際著作権専門官】本日はありがとうございました。次回の本小委員会につきましては、9月22日水曜日の15時からの開催を予定しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】それでは、以上をもちまして、文化審議会著作権分科会国際小委員会の第1回を終了とさせていただきます。本日はありがとうございました。

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