実施内容[日系人等を活用した日本語教室の設置運営]
1. 事業の趣旨・目的
事業Ⅰ報告書参照
2. 運営委員会の開催について
事業報告書Ⅴの報告書に添付
3. 日本語教室の開催について
氏名 | 国籍 | 母語 | 年齢 | 性別 | 出席状況 (6回中) |
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北原 陽江 | 中国 | 中国語 | 40代 | 女 | 6 |
高森 アナ | ペルー | スペイン語 | 40代 | 女 | 6 |
ファビオ ゴンザレス |
ブラジル | ポルトガル語 | 23 | 男 | 4 |
ベアトリス ゴンザレス |
ブラジル | ポルトガル語 | 17 | 女 | 3 |
菅原 恵 | ブラジル | ポルトガル語 | 40代 | 女 | 3 |
中島 メイ | フィリピン | タガログ語 | 30代 | 女 | 5 |
新川メルヴィン | フィリピン | タガログ語 | 30代 | 女 | 2 |
王 磊 | 中国 | 中国語 | 25 | 男 | 3 |
ナイジェル | ニュージーランド | 英語 | 20代 | 男 | 5 |
タム | オーストラリア | ベトナム語 | 26 | 女 | 6 |
スプリ | インドネシア | インドネシア語 | 25 | 男 | 5 |
ワフユ | インドネシア | インドネシア語 | 25 | 男 | 2 |
日向文恵 | 中国 | 中国語 | 40代 | 女 | 6 |
ジェニー | イギリス | 英語 | 30代 | 女 | 3 |
清水 | 中国 | 中国語 | 20代 | 女 | 5 |
王琴 | 中国 | 中国語 | 20代 | 女 | 6 |
笹井暁艶 | 中国 | 中国語 | 20代 | 女 | 6 |
カルメン | ブラジル | ポルトガル語 | 20代 | 女 | 6 |
余俊 | 中国 | 中国語 | 20代 | 女 | 5 |
滝脇美代子 | 日本 | 日本語 | 30代 | 女 | 5 |
ラフマット | インドネシア | インドネシア語 | 20代 | 男 | 1 |
園田ネルソン | ブラジル | ポルトガル語 | 50代 | 男 | 3 |
新川ダビ | ペルー | スペイン語 | 30代 | 男 | 2 |
氏名 | 所属 | 出席状況 (6回中) |
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吉見 道子 | 地球人ネットワーク in こまがね日本語教室 | 6 |
松岡 純子 | 同上 | 6 |
小野 和憲 | 同上 | 6 |
陳 方 | 同上 | 5 |
唐澤 隆子 | 同上 | 6 |
重盛 美智子 | 同上 | 1 |
池上 千草 | 同上 | 5 |
山宮 良枝 | 同上 | 1 |
古畑 積広 | 同上 | 5 |
今福 富栄 | 同上 | 5 |
松崎 伸司 | 同上 | 6 |
気賀沢久美子 | 同上 | 4 |
劉 偉 | 同上 | 3 |
黒塚 麗麗 | 同上 | 3 |
岩崎 典子 | 同上 | 1 |
雪 有子 | 青年海外協力隊OV,日本語教師 | 2 |
斉川 美加 | 日系青年ボランティアOV,日本語教師 | 2 |
(3)教室見取り図または写真
別添資料1の写真参照
開催日時 | 開催場所 |
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2008年2月20日(水)19:00〜20:30 | 市民交流活性化センター(アルパ3階) |
2008年2月27日(水)19:00〜20:30 | 同上 |
2008年3月5日(水)19:00〜20:30 | 同上 |
2008年3月12日(水)19:00〜20:30 | 同上 |
2008年3月19日(水)19:00〜20:30 | 同上 |
2008年3月26日(水)19:00〜20:30 | 同上 |
*以後も毎週(水)に続行
級 | 目標 | 学習項目 | 指導教材 | 指導法 |
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1 |
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(6)特徴的な授業風景
- ○2月20日
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学習者 中国人研修生(女性) 指導者・指導形態 日本人ボランティアによるマンツーマン指導 教材/学習内容 「みんなの日本語Ⅰ」の1~2課の指導で,「これは~です」の応用として「これは日本語で~です」に触れたとき,学習者は「で」がなかなか理解できなかった。文法説明の翻訳を見てもらっても理解しにくい様子だった。 考察・反省 授業後,最上級の3グループの中国人学習者から,この研修生に「で」について説明してもらい,理解した。 - ○2月27日
- ボランティアがミーティングを行っているあいだ,3グループの学習者(事業Ⅲの外国人に対する「日本語レベルアップ・教え方講座」修了者を含む)が1グループの学習者(初心者)にひらがなの指導を行った。
- 30分程度,用意してあったプリントで,書き順なども教えた。
- ○3月12日:3グループ
-
学習者 ベアトリス,ファビオ,アナ,北原,朱,菅原,メイ,王 指導者・指導形態 唐澤,陳方(中国),気賀沢 グループレッスン 目標 自分を表現してみよう 教材/学習内容 「日本語作文1」 1,自己紹介 - ・ 人の性格についての語彙。
- ・ 漢字の読み方
- ・ 言い回し・文型
- ・ 学習した表現をつかって
考察・反省 漢字・語彙能力にばらつきがあるが,ほぼ理解でき,全員が発言できた。
不安感のある中国人学習者には,中国人ボランティアが母語で説明した。
3,事業に対する評価
- (1)本事業の効果,成果
- a.当初学習目標の達成,学習者の習得状況
- 全12回の養成講座が終了して間もないので,講座修了生による日本語教室は始まったばかりで,習得状況把握までにはいたっていないが,着実に進んでいるように思われる。
- b.日本語教室設置運営の効果,成果
- 既存の(土),(火)クラス設置当時から夜の教室を望む声はあったが,開設と同時に予想を上回る学習者が集まった。日本人向け及び外国人向け養成講座を終了したボランティアも数人が初日から参加し,(土)/(火)教室の経験者の指導を受けながら,実践講座的に初歩の学習者の指導にあたっている。
特に初日は外国人ボランティア,上級クラス学習者が初歩の学習者の聞き取りやガイダンスを母語でおこなった。また,能力試験1級に合格した中国人,すでに日本語をほぼ完全に習得した中国からの帰国者子弟,国際結婚して地域内で活動している中国人などがボランティアとして参加し,日本人ボランティアと二人三脚で指導している。
そのほか,ボランティアとしての参加ではないが,上級クラスで学習しているペルー人が,自国の初歩学習者に母語で通訳,説明するなど,積極的に協力してくれる。
上記の例のように,幅広い層の学習者が参加しているため,上級クラス学習者が初歩学習者の指導に協力してくれる場面がかなりあり,予期しなかったうれしい成果がみられる。
これらの点から見る限り,この教室の設置運営の効果,成果は大きいと思われる。 - c.地域の関係者との連携による効果,成果等
- この日本語教室の母体の「地球人ネットワーク in こまがね」が,社会福祉協議会の支援を受ける多くのボランティア団体のひとつであるため,地域との連携がとり易く,地域内の行事,イベント参加者をとおして,日本人,外国人双方の間で,日本語教室の情報が広まった。週二日の日本語教室として始まった活動だが,その後日本料理教室,新規教室開講など活動の幅が広がるにつれ,連絡役としての外国人の役割が大きくなってきている。もともとボランティアとして活動に参加している外国人もいたが,事業Ⅲの養成講座修了者や,新たに夜の講座を開いたことで学習者として教室にきた日本語上級レベルの外国人などが加わり,単に学習者としての枠を超えて教室や他の活動に参加し,協力しあう関係になっている。
また,社会福祉協議会のボランティアコーディネーターの存在は,その人に聞けば日本語に関する情報のすべてがいつでも得られるという意味で,教えたい人,学びたい人を結びつける効果が非常に大きかった。今後の日本語ボランティア活動を推進する上で,ひとつの指針が得られた。
- (2)改善点,今後の課題について
- a.現状
- 夜の時間帯とあって,すでに運営している(土),(火)の昼間とは異なった顔ぶれの学習者が集まり,新たな対策を考慮する必要がある。昼間の教室は比較的初歩の学習者が多いが,勤務終了後の夜の教室には,来日間もないまったくの初歩の人から,長年日本に滞在してある程度の日本語を習得している人まで,はばの広い層が参加している。
現在のところ,日本人むけ養成講座修了者と日系人を活用した養成講座修了者だけでは対応出来ず,(土)(火)のクラスで教えているボランティアの手も借りている。 - b.今後の課題
- 学習者,外国人ボランティア共に生活者のため,時間的な制約があり(残業,勤務時間の変更など),毎回出席とはいかない。また,日本人ボランティアにとっても,夜の時間帯のボランティアは,だれでも参加可能とはいかない。そのつど顔ぶれの異なる学習者とボランティアの組み合わせでも「継続して着実に日本語能力が高められるようにするにはどうしたらよいか」を解決していくことが,存続の鍵である。
現在,上級レベルのグループレッスンを行っているなかには,実際初心者などに通訳をしたり,指導の手伝いをしたりしている外国人もいる。
また,本事業で開講した(水)の教室にとどまらず,(火)・(土)の教室でも,新たな学習者が来た場合,日本語がまったく分からない状態であれば,なんとか誘導して母語を同じくするボランティアや上級学習者に引継ぎ,学習暦やレベルなどを聞いてグループ分けするという一つのシステムのようなものができあがりつつある。
今後は,外国人で指導に当たれる人材を,より責任をもってそうしたシステムの一環として活動してくれるように導いていくことが大切である。また,日本語教室の認知度があがるにつれ,新たな学習者は増えると見込まれるため,外国人,日本人の日本語指導ボランティア養成講座も引き続き必要となる。
今回,別に委嘱された事業Ⅲ「日本語能力を有する外国人を対象とした日本語指導者養成」において,養成講座開始前に予想していた受講者レベルと実際のレベルが違うといった誤算もあったが,そうした経験を踏まえ,またこの事業で開いた教室の上級レベル学習者の役割なども計算に入れた上で,新たな講座を実施するなど,人材開発していくことが必要である。
一方,現在(水)にとどまらず各曜日の日本語教室は次第に学習者同士,ボランティア同士の情報交換の場となりつつある。教室を舞台に自然発生的に展開されるネットワークを重視して,消えることのないよう維持し,教室活動やイベントなどに生かす方策も考えていく必要がある。 - c.今後の活動予定,展望
- 幅広くボランティアの獲得に勤め,b.でものべたように,養成講座を終了したばかりで経験の浅いボランティア対学習者の組み合わせでも,マニュアル化された進度に従って円滑に対応できるようにしたい。
そのためには,学習項目別に絵/文字カード/ワークシートなどをさらに充実させ,共通教材としていつでも使えるように準備しておくことと,チェックした進度が誰でもわかるようにしておくことが必要にある。そして学習者と共に,指導者も教え方の経験を積み,「2」クラス以上のグループレッスンの指導にあたれるようにする。
現場の指導経験を積むにしたがって,言語習得には,「最初にきちんと学ぶ」ことが大切であるとの認識がボランティアに徹底してきている。この認識には,東京の日本語学校で基礎から学んで日本語を習得した中国人ボランティアの,自身の経験からくる説得力のある助言によるところも大きい。教室における実践だけでなく,外国人学習者でも日本人でも,自身の日本語を客観的に評価して,文法事項などを自分の中で整理しなおすことができるような,ボランティア養成講座の内容も考えなければならない。
地域で日本語が話せる外国人,日系人などに期待される役割には,単なる日本語講師や講師アシスタントではない。そうした人々は地域における架け橋,文化と文化のつなぎ役であり,その役割を充分に果たしてもらうための仕組みも必要になる。幸い,今回の事業では,社会福祉協議会と日本語教室,外国人市民のかかわり方について深く考察することもできた。また,駒ヶ根市からも担当者に運営委員として参加してもらったこともあり,地域において生活するために必要な情報の提供や活動の実施がどれほど大切かということも,行政・民間双方の立場から話し合うことができた。そうした研究結果や経験を,今後の活動に生かし,日本語教室運営の充実と外国人・日本人の人材育成と活用を図っていきたい。
来日間もない生活者としての外国人もさることながら,上級学習者にも,「基礎的な日本語が,この教室にくれば積み上げ方式で学べ,母語話者から文法等の説明を受けられるし,その他生活に必要な地域の情報も提供される」と期待されるような,末永く信頼される教室であることを目指したい。
また今回,当初予定していた中国からの帰国者団体「華和倶楽部」の日本語教室において,日本語を教えられるレベルの帰国者を生かした授業をするという計画は実行に移すことができなかった。これは,帰国者団体側の事情や,その教室自体の存続の問題,学習者のニーズの問題がからんで,適切な行動を起こすことができなかったことが原因である。しかし,帰国者のなかには事業Ⅲの「日本語レベルアップ・教え方講座」に参加した人もおり,この事業で開いた教室に学びに来ている人もいる。今後そうした人たちが自身の日本語教室などで積極的に活動してくれるよう,また帰国者団体そのものと地球ネットワーク in こまがねや他のボランティア団体,地域住民などが交流する方向へ発展できるよう,努力していきたい。
別添資料1
事業Ⅰ (水)の教室
初日 平成20年2月20日 | 平成20年3月26日 1クラス |
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平成20年3月26日 2クラス | 平成20年3月26日 3クラス(1) |
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平成20年3月26日 3クラス(2) | 平成20年3月26日 3クラス(3) |
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