文化庁は，平成27年3月6日，「文化庁文化交流使フォーラム2015～日本の心を世界に伝える～」（第12回文化庁文化交流使報告会）を政策研究大学院大学（東京都港区六本木）にて開催しました。
「文化庁文化交流使」事業は，芸術家，文化人等，文化に携わる人々を「文化交流使」に指名し，世界の人々の日本文化への理解の深化につながる活動や，日本と外国の文化人とのネットワーク形成につながる活動を展開することを目的とした事業です。
フォーラム当日は，和太鼓奏者のレナード衛藤氏によるオープニング演奏及びダンサー・振付家の森山開次氏による即興パフォーマンスで始まり，青柳正規文化庁長官，大山達雄政策研究大学院大学理事の御挨拶後，ＮＨＫ解説委員の中谷日出氏の司会により，平成25年度～26年度に活動を行った各交流使による活動報告が行われました。
出演いただいた文化交流使及び報告の内容を以下のとおりです。（出演順，敬称略）
・レナード衛藤（和太鼓奏者）
活動期間：平成25年8月～平成26年7月
活動国：スイス，フランス，イタリア，チュニジア，ポルトガル，インド，オランダ，ドイツ，ハンガリー
各国にて多くのダンサーとコラボレーションを実施。本フォーラムでは，映像を交えて現地でのパフォーマンスの様子等を報告しました。
・森山 開次（ダンサー・振付家）
活動期間：平成25年度10月～12月，平成26年度1月
活動国：インドネシア，ベトナム，シンガポール
現地アーティストとの共同制作や発表，ワークショップの様子など，パフォーマンスを通じた文化交流の様子を，映像を用いて紹介しました。
・林田 宏之（CGアーティスト）
活動期間：平成26年11月～12月
活動国：クウェート，ヨルダン，レバノン，サウジアラビア，バーレーン，ベトナム，タイ
自身のオリジナル作品の画像や現地の大学等で行った講義の様子など活動写真を交えて報告。最新のＣＧ技術なども映像にて紹介しました。
中谷氏によるインタビューに応じる林田氏
・中澤 弥子（食文化研究者，長野県短期大学教授）
活動期間：平成26年8月～10月活動国：フランス，ドイツ，ポーランド，ハンガリー，イタリア，スロバキア，イギリス
現地で行った太巻き祭り寿司の調理デモンストレーションも交えて発表。日本食が海外でどのように受け入れられているかなども紹介しました。
中澤氏による太巻き祭り寿司のデモンストレーション
・若宮 隆志（「彦十蒔絵」代表）
活動期間：平成26年11月～12月
活動国：イギリス，フランス，中国
漆の歴史や希少性から後継者の育成まで，伝統文化を将来に継承していく難しさも含めて発表。
日本と海外における漆器の捉えかたの違いなども報告しました。
作品を用いて発表する若宮氏
・平野 啓子（語り部・かたりすと）
活動期間：平成26年11月～12月
活動国：ドイツ，トルコ
古典から現代文学まで，語り部として日本語のすばらしさをどのように伝えたかを報告。当日は，「竹取物語」の実演も行いました。
平野氏による「竹取物語」の実演
・長谷 祐子（キュレーター（学芸員），大学教授）
活動期間：平成26年3月12日～7月14日
活動国：アラブ首長国連邦，ドイツ，モロッコ，フランス，アメリカ合衆国，モナコ公国，アルメニア，グルジア，スウェーデン，ベルギー，イギリス，イタリア，中国，チェコ，ハンガリー，スイス，ロシア，ポルトガル
現地で行った展覧会や講義の様子など写真を交えて発表。日本及び日本のアートシーンについて海外で感じたことやキュレーターとしての役割について報告しました。
各国での活動を報告する長谷川氏
活動報告に続いて，質疑応答が行われました。参加者からは，「すばらしいパフォーマンスに感動した」との声も多く，盛況のうちに終了しました。
文化庁文化交流使フォーラム2015 フォトセッションの様子
当日の詳細につきましては，報告書及び文部科学省You Tubeチャンネルを御覧ください。
資料1：報告書（3.1MB）
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