我が国は,我が国に蓄積された文化遺産保存修復に係る知識,技術,経験を活用して,人類共通の貴重な財産である文化遺産,特に,武力紛争,自然災害等により損傷,衰退,消滅,若しくは破壊,又はそれらのおそれのある海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力を推進しています。

漆喰技術のワークショップ
「レバノン共和国における文化遺産保護国際貢献事業」
(令和3年度,写真提供:中部大学)

現場修復技能員研修
「カンボジア,サンボー・プレイ・クック遺跡群の
保存・修理のための人材育成事業」
(令和3年度,写真提供:筑波大学)
- ・緊急的文化遺産国際貢献事業
武力紛争,自然災害等により被害を受けた海外の文化遺産で緊急に支援するべきものにつき,ユネスコや各国からの要請に応じて,現地調査研究及び保存修復事業のために,我が国の専門家の派遣,又は,当該国の専門家の招へいを行っています。事業は毎年度公募し,企画競争において委託先を決定しています。
近年の実績 - ・文化遺産国際拠点交流事業
我が国にとって文化遺産を通じた協力をすることが重要である地域において,各国が自ら調査研究や保存修復等を行って後世に継承していくことが重要であることから,現地の拠点となる機関に日本の専門家を派遣し,現地の専門家の人材養成を行っています。事業は毎年度公募し,企画競争において委託先を決定しています。
近年の実績 - ・無形文化遺産パートナーシッププログラム事業
平成18年4月に発効したユネスコの無形文化遺産保護条約において締約国に対して求められている無形文化遺産保護のための国際協力を実施するため,無形文化遺産保護に係る国内外のネットワーク構築,アジア太平洋地域の無形文化遺産保護に関する調査,海外の専門家や行政官等の招へいした国際シンポジウム等を行っています。 - 令和4年度業務委託先
独立行政法人国立文化財機構アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI) - ・文化遺産国際協力コンソーシアム事業
平成18年6月,「海外の文化遺産の保護に係る国際的な協力の推進に関する法律」が施行され,それに合わせて,海外の文化遺産保護に関する国内における連携及び協力の推進を図るため,政府機関,大学・研究機関,民間助成団体などによって構成される文化遺産国際協力コンソーシアムが発足しました。
文化遺産国際協力コンソーシアムは,文化庁より委託を受けた事業者(令和4年度は,独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所が受託)により運営され,文化遺産国際協力に関して,文化庁,外務省,大学・研究機関,民間助成団体などを連携させるネットワークの構築,情報の収集及び提供,調査研究,普及・啓発活動を実施しています。 - 文化遺産国際協力コンソーシアム