アイヌ文化の振興

イランカラテ。

アイヌの人々は,山,川,海,動植物,道具,衣服など,人間が生きるために何らかの関わりを持っているすべてのものはアイヌモシ(人間の大地)を訪れたカムイ(神)が姿を変えたものであり,アイヌとカムイがよい関係を結ぶことで,お互いに幸福な生活が保たれると考え,自然をはじめとするあらゆるものと共生する生活を営み,固有の言語であるアイヌ語を有し,ユカなどの口承文芸,アイヌ古式舞踊(1984年国指定重要無形民俗文化財,2009年ユネスコ無形文化遺産),アイヌ文様など,独創的で豊かな文化を育んできました。

平成31年4月には,「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(以下「アイヌ施策推進法」という。)が制定され,令和2年7月には,アイヌ文化の復興・発展に向けたナショナルセンターである「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が北海道白老町に開業しました。

1. アヌココ アイヌ イコロマケンル(国立アイヌ民族博物館)

令和2年7月12日,北海道白老郡白老町のポロト湖畔に,アイヌ文化復興等のナショナルセンターである「ウアイヌコ コタン(民族共生象徴空間)」(愛称:ウポポイ)が開業しました。ウポポイは,我が国の貴重な文化でありながら存立の危機にあるアイヌ文化の復興・発展の拠点として,将来に向けて,先住民族の尊厳を尊重し,差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴となる空間であり,アヌココ アイヌ イコロマケンル(国立アイヌ民族博物館),アヌココ ウアイヌコ ミンタラ(国立民族共生公園),シンヌラッパ ウシ(慰霊施設)で構成されています。

ウポポイの中核施設としての役割を担う国立アイヌ民族博物館は,先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し,国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに,新たなアイヌ文化の創造及び発展に寄与することを理念としています。

なお,国立アイヌ民族博物館の運営は,アイヌ施策推進法に基づき,同法の指定法人である公益財団法人アイヌ民族文化財団が行っています。

※「ウアイヌコ コタン」は,ウ=互いに,アイヌコ=尊敬する・敬う,コタン=集落という意味のアイヌ語で,「ウポポイ」は,(大勢で)歌うことを意味します。

※「アヌココ アイヌ イコロマケンル」は,私たちの共有する宝物が入った建物という意味のアイヌ語です。

国立アイヌ民族博物館外観
国立アイヌ民族博物館外観写真

国立アイヌ民族博物館イメージ動画
国立アイヌ民族博物館イメージ動画

ウポポイPRキャラクター トゥレッポん

2. アイヌ文化振興等に関する補助事業

平成20年の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」(衆議院本会議・参議院本会議)でも述べられているように,我が国が近代化する過程において,多数のアイヌの人々が,法的には等しく国民でありながらも差別され,貧窮を余儀なくされた結果,アイヌ文化は深刻な打撃を受けました。

このような背景を踏まえ,文化庁では,国立アイヌ民族博物館におけるアイヌ文化の復興・発展に向けた取組に加え,アイヌ施策推進法に基づき,同法の指定法人である公益財団法人アイヌ民族文化財団が行う,アイヌに関する総合的かつ実践的な研究の推進,アイヌ語の振興,アイヌ文化の振興,アイヌ文化伝統者の育成などについて補助を実施し,アイヌ文化の振興等を図っています。

財団事業体系図

3. アイヌ文化に関するポータルサイト

ポータルサイト「Touch the AINU Culture」では,アイヌ語,ウポポ(歌),ムックリ (口琴)の演奏,刺繍,アイヌ料理など,多様な視点からアイヌ文化の魅力をインターネ ットにより配信しています。

4. アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律

5. 博物館等が保管するアイヌの人々の遺骨等について

6. その他

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